ウェブ文化から見たラグナロクオンラインの歴史

2004年8月28日公開、2020年7月24日更新

▼目次
■1.序文
■2.3rd Alpha Test(2001年7月23日~2001年11月) 日本人向けのグラフィックのMMORPG登場
 ◆総合情報サイトとラグナロクオンライン本スレの登場、◆ラグナロクオンラインの日本語公式サイト開設とHyack氏の登場
■3.β1テスト(2001年11月29日~2002年8月7日) RO文化の形成と混乱の予兆
 ◆β1テスト開始、◆うさみみプレゼント事件とLoN事件、◆ラグナロクオンラインファンサイトの躍動、◆キャラクターチェンジ(β1)、 ◆外国人の流入とBOT、◆マナー原理主義の台頭、◆ガンホーの登場、◆さようならβ1
■4.β2テスト(2002年8月14日~2002年11月20日) 快進撃の裏で広がる混乱
 ◆『Let's RAGNAROK !』の閉鎖、◆S県月宮、◆β2テスト開始予定日、◆RODNの閉鎖、 ◆β2テスト開始、◆キャラクターチェンジとスキルロスト、◆精錬チートとAllmissチート、 ◆ROVNI騒動、◆『RO SV Info』の憤死、◆公式サイト書き換え事件、◆Chaosショック、 ◆第一次署名運動、◆サーバー増強とキムチパーティ、◆ゲームマスターによる情報漏洩、 ◆ごめんなさいっ!、◆β2テスト終了イベント、◆β2テスト終了
■5.Episode1.5(2002年12月1日~2003年5月27日) 失望
 ◆Episode1.5開始と接近ゲーム、◆第二次署名運動、◆冤罪BAN事件1、◆ガンホー・がんばってます!、◆冤罪BAN事件2:ガンホー春のBAN祭り、◆APEZ事件
■6.Episode2.0(2003年5月27日~2003年10月7日) 無気力による安定
 ◆Episode2.0開始、◆マイグレーションプラン、◆そんなこと言うからガンホーは信用されないんですよ!
■7.Episode3.0(2003年10月7日~2004年6月8日) 抗議運動への道
 ◆Episode3.0開始とアブラチート騒ぎ、◆春のBAN祭り被害者への名誉回復措置、◆アイテムバンク騒動、◆第二回マイグレーションプラン、◆聴牌(TENPAI)ラグナロクオンラインに現る
■8.Episode4.0(2004年6月8日~2005年4月26日) 再確認と再認識
 ◆Episode4.0開始、◆up祭り、◆内部告発騒動、◆ステルス公平/窓手BOT、◆エミュレーターサーバー接続人数大人数化、◆国民生活センターに訴えよう運動
■9.Episode4.5(2005年4月26日~2005年10月25日) BOTNEWSの登場
 ◆Episode4.5開始、◆『BOTNEWS』開設、◆ステルス移動チート
■10.Episode5.0(2005年10月25日~2007年7月3日) 最後の存在感
 ◆Episode5.0開始、◆Zeny無限増殖、◆nProtect GameGuard導入、◆アサシンギルド事件と運営改善要求デモ、◆ガンホー夏の陣、◆ゲームマスター逮捕
■11.その後
■12.評論
年表
参考文献

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1.序文

 この文はラグナロクオンライン日本語サーバー(RagnarokOnline(JP)、jRO、日本線)の歴史を2001年のαテストから2007年のEpisode5.0終了まで記したものである。 2008年以降を書いていないのは、そこに見るべきものが無い為。
 MMORPGの一タイトルの歴史といってもここに記しているものはゲームの内容・アップデートの歴史では無い。 あくまでウェブ文化(ネット文化)の視座になっている。 では、ウェブ文化から見たラグナロクオンラインの歴史とは何だろうか。それはプレイヤーがラグナロクオンラインを広めていった歴史であり、 プレイヤーが公式サイトの足りない点を補っていった歴史であり、プレイヤーがBOTやチート蔓延る世界を嘆いた歴史であり、プレイヤーがガンホーに抗議運動を行なってきた歴史である。 そしてその中心にあったのは常にプレイヤーが運営する個人サイトだった
 従って、この文に記しているのはMMORPGの一タイトルの歴史でありながら、実際はそこに関わった個人サイトの歴史である。 MMORPGのコミュニティについてここまで書いた文は今までに無く、これからも出てこないであろう。
 そして、この文は「懐かしさ」と「感情」の記録でもある。「Chaosショック」「スキルロスト」「キャラクターチェンジ」「精錬チート」「Allmissチート」「冤罪BAN事件」「内部告発騒動」「アサシンギルド事件」「運営改善要求デモ」、 BOTやチートに汚染された世界を変える為にどうしたらよいのか。その事に一生懸命になっていた者達の記録。あの頃みんな若かった。

2.3rd Alpha Test(2001年7月23日~2001年11月)

日本人向けのグラフィックのMMORPG登場

 開発・運用はグラヴィティ(通称・重力)。 この時期のラグナロクオンラインの日本での知名度は、日本語クライアントが無いこともあり低かった。 しかし日本人向けのグラフィックにより、少しずつではあるが確実に広がっていく。

 2001年7月23日、韓国の企業「グラヴィティ」はラグナロクオンラインの第3次α(アルファ)テストを開始。当時は韓国語クライアント(韓国サーバーに接続)と英語クライアント(国際サーバーに接続)のみ。 日本語クライアントは無く、日本人は国際サーバーでプレイし日本人同士ではローマ字で会話していた。 テスト開始当初はラグナロクオンラインの知名度が低く、テスター数のあまりの少なさに開発チームは、「これではテストにならない」と嘆いたと伝えられている。 幾ら日本人向けのグラフィックであっても韓国のゲームであり、 韓国語クライアントと英語クライアントしかないラグナロクオンライン。日本でこれを流行らせるには、グラフィックを見て興味を持った人をラグナロクオンラインの世界へ導くには、「総合情報サイト」が必要である。

総合情報サイトとラグナロクオンライン本スレの登場


 ラグナロクオンラインが何故日本のみ流行ったのか。それを考えるには数多く発生したラグナロクオンラインファンサイトの存在を無視するわけにはいかない。 そしてファンサイトを語るなら2001年9月16日に開設した総合情報サイト『Let's RAGNAROK !』の名前を真っ先に挙げなければならない。 『Let's RAGNAROK !』は当時唯一の日本語解説ページであり、国際サーバーでのアカウント登録方法、プレイ方法、マップやアイテム・モンスターの一覧があった。 このサイトはラグナロクオンラインが日本に広まる最初のきっかけを作った。

 同月18日、MMORPGの話題を扱っていた『Ping=Zero』がラグナロクオンラインの紹介記事を書く。

Alpha版ということで製品化は当分先かと思われます。ついでに動きがやたらとカクつくなど(ただのラグかも・・)不具合もありますが、ネットゲームとしてはかなりの出来といえます。近頃は“クロスゲート”という日本人にピッタリなシステムを持つ純国産MMORPGが登場しましたが、これと同様に万人にオススメ出来るMMORPGといえますね・・ サイズは大きめですが無料なのでこれは遊ばなきゃ損でしょう。MMORPGに興味がある方、お好きな方は是非遊んでみてください:D

Ping=Zero

 同月19日、『2ちゃんねる』のネットゲーム掲示板に「ラグナロク α test」スレッドが立つ。このスレッドは後に「ラグナロクオンライン本スレ」となった。

ラグナロク α test
1 名前: 名も無き冒険者 投稿日: 01/09/19 03:11 ID:V3c9thGw
http://www.ragnarokonline.com/
韓国の国産RPGライクなグラフィックのMMORPG
ファイルサイズは151MB

3 名前: 名も無き冒険者 投稿日: 01/09/19 04:27 ID:TWVptrbU
約1時間ほどやった感想。

何が原因かは分からないけど、非常にlagyなゲーム。解像度などを最低
にしても全く改善されなかった。んー、初期のUOを思い出す。そのうち改
善されることを望む。

キャラ絵やアイテムを見てると、非常に日本のゲームに似ている。サガフロ
に似てるという人もいるが、私もそう思う。防具品がキャラ絵に反映しない
のは非常に残念。職業と武器だけ反映される模様。アカウント習得時に
性別を決めるが、そのアカウントで男性にすると男性のキャラしか作れない
。女性キャラを作りたければ、女性でアカウントを取らないとダメ。ちと面倒。

戦闘はアクションで、UOと同じタイプ。敵がいたらクリックするだけ。ただし
オートの戦闘じゃないので、攻撃する度にクリックを押さないと駄目。lagも
手伝って、ちょっと面倒。職業やスキルもあるようだが、englishserverは出
来立てなのでまだ見たことは無い。みんなで仲良くスライムやら芋虫を
撲殺。アイテムを作ることが可能な職業もあるようなので、戦闘オンリーな
ゲームにはならなそう。

今のところは、これまでの韓国産RPGの中では一番良い出来、つか雰囲気
が良い。スペインとスウェーデンの人と少し話したけど「日本のゲームかと
思ったよ」とか言ってた。

ついでにリンク
■たぶん唯一の日本語解説ページ
http://rs.myvnc.com/~ragnarok/index.htm
■ping0の特設掲示板
http://bbs.ping0.com/bbs/c-board/c-board.cgi?cmd=;id=ragnarok


4 名前: 名も無き冒険者 投稿日: 01/09/19 04:30 ID:TWVptrbU
あ、ごめん。戦闘は剣マークが出たらクリックしっぱなしでOKだった。スマソ。

ラグナロク α test

 同月23日、『Let's RAGNAROK !』はユーザーイベント「第一回ダンジョンツアー」を行う。お絵かき掲示板も設置しラグナロクオンラインコミュニティの中心として機能した。(以下の画像は「第一回ダンジョンツアー」のもの。『Let's RAGNAROK !』より)

 『Let's RAGNAROK !』のサイト構成はラグナロクオンライン総合情報サイトの基本形として、後発の総合情報サイトは多かれ少なかれ影響を受けた。 他の総合情報サイトとしては、同年10月11日に開設した『Breeze from Prontera』、同年10月20日?に開設した『K-RAGNAROK』は韓国公式サイトの告知を翻訳し、最新のラグナロクオンライン情報を日本人テスターに提供。 詳細日付は不明だが『RagnarokFAN.info』の開設もαテストの時期である。 テスターが増えコミュニティが大きくなるのと連動して『Let's RAGNAROK !』の存在感は日に日に増していった。

 2001年10月14日、『4Gamer.net』はラグナロクオンラインの紹介記事を書く。

シンプルにまとまったユーザーインタフェースとさまざまな用途にも耐えうるコミュニケーション機能は,ネットゲームが盛んな韓国ならではの作り込みを感じれるし,また美しく描かれた背景からは確かな技術力をうかがえる。開発元GRAVITYの社長であるKim Hakkyu氏も「日本の方々にも親しみやすいグラフィックスとゲームシステムがセールスポイントです」と自信のほどをのぞかせており,今後の動向には期待を込めて注目していきたい。

4Gamer.net

 こうしてラグナロクオンラインは日本で人気MMORPGになる兆しを見せた。

ラグナロクオンラインの日本語公式サイト開設とHyack氏の登場


 2001年10月23日、クライアント起動時のメッセージ欄において"We're also planning to open Japanese language server. " (私たちは日本語サーバーも計画しています)と告知が出た。
 同年11月5日、グラヴィティが『ラグナロクオンラインの日本語公式サイト』を開設。 当時の公式サイトには告知やゲームの遊び方だけではなく、ファンサイトへのリンクと掲示板もあり、コミュニティ支援として一定の役割を果す。 この日本語公式サイトは所々に奇妙な日本語が存在し、それは重力語と呼ばれた。

「11.ブ─ドウからゲ─ムが實行できません。舊形ブ─ドウボ─ドではプレイが不可能な事もあります。偏差がひどくて問題点をさがしているんです。 」
「12. サウンドを消せばゲ─ムができるけど、サウンドを入ればできません。 」
「上のキャラクタの著作權は(株)グラビティにあるのです。許可なしで變更、利用できません。 」
「~尨大な構造の背景と設定を利用して製作するMMORPGだ。他のオンラインゲ-ムと違って、コミュニケイションを重視した各種システムを通してコミュニティ的要素が?調になったゲ-ムなのだ。 」

公式

 同月7日、日本語サーバーのゲームマスターとなるHyack氏が登場。このゲームマスター、少しおかしな日本語を使う。 そして不思議な顔文字「(^ゝД*)」を使う。

はじめまして、
今度日本語の管理者"B"(?)になった?WHyack?Wと申します。
韓国人のぼくが勉強する日本語はすごい楽しいし
すげええ!むずかしいんです。
=> 小學5年から勉強したんですけど(いま26才)
   実力は(T人T)うう .....
でも激がんばってるんです。
?ー?の間違いとか変なところがあったらこっちの?ードに
知らせてください。
またmatnani@gravity.co.krでも受け取りしているんで~す。

公式

 Hyack氏はテスターから愛されたゲームマスターであった。愛された理由は 告知やワールドアナウンスでたどたどしい日本語を使うお茶目でフレンドリーなゲームマスター(*1A)という事、 また、テスターが持つラグナロクオンライン自体への期待の大きさ、 そしてこの頃は「まったりゲー」といわれていたくらい平和な世界、即ちテスター間の言い争いや開発・運営会社への非難がまだ無い時期であったからであろう。 氏はラグナロクオンラインの古き良き時代の象徴として、正式サービス以降もユーザーの間で時折思い出される存在になるのである。

*1A:Hyack氏の告知・ワールドアナウンスでの発言は『らぶひゃっくたん』が記録している⇒「鯖落ち報告一覧」 「その他テキスト」(らぶひゃっくたん)

 2001年11月16日、グラヴィティは公式サイトで告知。同月24日に日本語クライアントと日本語サーバーをオープンさせるという内容であった。

お知らせ
No. 78 Name. matnani Date. 2001-11-16 Read. 26
Home. http://matnani.hihome.com Email japanese@gravity.co.kr
まず、英文(Alpha)Serverについて説明します。
今度RagnarokOnlineのServer増設があったんですが、
一応、韓国語のServerの事なんですけど
英文Serverと韓国語Serverがいっしょうに移転したので
とりあえず両方全部、閉める事にしたんです。
そしてBetaServerのUpGrade作業の上に
AlphaServerの方は、すぐ閉鎖する点などで
GRAVITYのSTAFFたちはAlpha Serverの運営とか
ほとんど気をつかない雰囲気なんです。
(つく事ができない?=Betaのせいで)
だからAlphaServerの世界で起こっている事を
ほとんどわからない実情なのでNewsが
遅くなってるんです。
(なにっ!韓国のBetaServerのために
他の国のUserを捨てるのかい?この無責任な~)
、と思ったんでしょう。
ここに Big News があります。
次の来週の11月24日PM06:00
(日本時角=韓国時角)に
日本語のBeta ServerがOpenする予定です!
今Alphaをプレイしている日本のRagnarokOnlineの
FANの皆様はちょっとだけ、お待ち下されたら
もっと楽しい世界からの旅行が始まります~
< でわでわ >
ー 詳しい公知は次々Updateします。
質問はこっちのFreeBoardを利用して下さい。
またjapanese@gravity.co.krでも受け取りします。
GRAVITY"z Hyack

公式


 αテスト時期に開設した代表的なラグナロクオンラインファンサイトとしては、先に挙げたサイト以外だと『RAGNAROK Online a Go!』と2001年11月8日に開設した『MMO』、が挙げられる。両者ともメインコンテンツはプレイ日記である。

321 :(^ー^*)ノ~さん :02/09/27 17:01 ID:Hbh91CfL
自分のHPの日記で書こうと思ったんだけど…
受け入れられない気がしてこっちに投稿するよ。

今日はラグナロクの話です。ちょっと真面目な話。
興味ない方はゴメンナサイ。

ラグナロクを私が始めたのはアルファ版が出回りはじめた頃でした。
アルファの頃は呪文なんてないので、みんなただただ殴るだけ。
ダンジョンも全然なくて、ピラミッドが大人気でした。

レベルは27もあれば十分ピラ3Fに行けたなんて、今では信じられないですね。
マミーのトレインが来るのをびくびくしながらみんなで固まって待って、
どの敵もその場にいるみんなでかかって潰しました。
横殴りはその頃はノーマナーどころか、
囲まれている人を助けない方が白い目で見られたものでした。
日本語では喋れなかったので、ローマ字で喋っていて、
たまにあちらの国の方と無理矢理英語で喋ったものでした。

ラグもひどくて、お昼休みの間、
1時間で5歩しか歩けなかったなんてこともしばしば。
それでもものすごく楽しかったです。
知らない人とみんなでゲームして、みんなで冒険するだけで、
ものすごく楽しかったです。

今もラグナロクは大好きですし、
友達も増えて、PTの仲間と一緒に冒険するのは
寝食を忘れるくらい大好きですが、
人数は数え切れないほどいるのに誰も喋らない街を見たり、
たまたま殴る敵が重なってしまっただけで怒りだす人を見たり、
レベル上げやアイテム集めのために
違法プログラムを使ったりしている人を見ると、
ゲームなんだから楽しもうよ~、と悲しくなって、
殴るだけだったアルファ版へ帰りたいなーと思うのです。

α版を懐かしむスレ

3.β1テスト(2001年11月29日~2002年8月7日)

β1テスト開始

 2001年11月24日、日本語サーバーのβ1テスト開始日だが、日本語に誤りが多かった事を理由に延期。

So Sorry!!

 日文サーバについての延期公知。
 もうしわけございませんが、
 11月24日18:00予定だった
 ラグナロクの日文サーバオープンが
 遅くなりました。

 理由はサーバの日文化問題、
 サーバからの日文認識問題と検証などで
 4日後の11月28日に開ける予定になりました。

 より楽な日文サーバを約束します。

告知(公式)

 この延期告知文自体も日本語が少し怪しい・・・。

 同月28日、スクリプトに問題を見つけたの事でさらに延期。同月29日となり、ついに日本語サーバーのβ1テストが開始された。 これ以降もアップデート作業等でサーバークローズがある度に告知された作業終了予定時間よりも遅れる事が多く、テスターはこれを重力時間と名づけた。 テスト開始を延期したのは日本語の誤りを直すという理由であったはずが・・・各所で見られる重力語。

 他にも変な日本語が沢山あった。もっとも重力語についてテスターはネガティブには捉えてなく、どちらかといえばβテストの味として行為的に解釈していたし、 正式サービス開始以降は過去を懐かしむ為のネタでもあった。

資料:他の重力語について⇒「試験に出る(?)重力語講座」(らぐなろくにっき)、 「楽しい誤字たち。β1。」(らぶひゃっくたん)

うさみみプレゼント事件とロードオブナイトメア事件

 β1テストが開始され、早速2つの事件が起きた。「うさみみプレゼント事件」と「ロードオブナイトメア事件」である。
 2001年12月24日、クリスマスイベントとしてモンスターにサンタポリンが出現。カプライベントとしてモンスタードロップアイテムである四葉のクローバーから「うさぎのヘアバンド(通称:うさみみ)」を作るノンプレイヤーキャラクターが設置された。
サンタポリンとうさぎのヘアバンドを作るノンプレイヤーキャラクターはクリスマスが終わると撤去された。
 同月27日、Hyack氏が『MMO!』管理人Fen氏のキャラクターにうさぎのヘアバンドをプレゼント。 Fen氏がそれを日記に書いた(「usamimi agemasu-」とHyack氏のキャラクターが言っているスクリーンショットを載せた)。 これはゲームマスターが1テスターに非公開でレアアイテムを渡したという事に他ならず、『2ちゃんねる』のラグナロクオンライン本スレで騒ぎになった。 2002年1月3日、Fen氏は日記の当該部分を削除。同月4日早朝、テスターの一人がHyack氏にメールを出し、「アイテムを渡した理由」を聞いた。 午前中にHyack氏から返信があり、「ラグナロクオンラインはPRする事が必要であり、PRしてくれるサイトを選んでプレゼントをした」と返答。 同月5日にHyack氏が先の返信メールとほぼ同内容の文を公式サイトの告知で出す。同月7日、Hyack氏は告知でFen氏からアイテムを返してもらうことと、 個人的な付き合いでアイテムを渡す事を一切しないことを宣言した。この出来事は「うさみみプレゼント事件」と名づけた(*2A)。

資料:「Hyack氏に対してのメールとその返信」 「告知No. 31」 「告知No. 32」 「GMとのプレゼント事件について(当時のMMO!にあった文)」
*2A:ある出来事の名前について、他は「○○と呼ばれた」としているが、うさみみプレゼント事件だけは「名づけた」と書いている。 2005年8月まではこの出来事に名前が付いておらず、当時の私が名づけたからである。

 同月12日、露店売価に負の値を入れることで大量のZenyを入手することが可能なバグが見つかった。 「Lord of the Nightmare」というキャラクターを中心に、バグにより入手したZenyを使いアイテムを数十倍の値段で買い占めた(=不正入手Zenyをばら撒いた)事で市場が崩壊した。 「Lord of the Nightmare」はオリデオコン・オリデオコン原石を大量に買ったことから「ロードオブナイトメア事件(LoN事件、原石事件、オリデオコン事件)」と呼ばれる。 『RagnarokFAN.info』等のファンサイトがこの事件への注意をサイト閲覧者に促した。
 このバグを使ったものはアカウントブロックの処罰となったが、その対象は”大量のZenyを持っていた者”という判断基準であった事から関係ないテスターが巻き添えになる。 処罰を受けたテスターは全アイテムとZeny没収で同月22日に復帰できた。

599 :名も無き冒険者 :02/01/13 04:07

需要は少ないけど、買ってくれる人がいるからっていって、毎日毎日黄色Pot、白Pot売っていた商人さんが自殺しました。
今日、たくさん売れるのでとても嬉しかったそうです。

けど、何が起きたのかを知ったとき、その商人さんは
「イタイ、イタイ、胸がイタイ」
といって、露天を閉じました。

そして直後キャラを消したそうです。

彼は毎日がんばっていました。買う人、一人一人を全員覚えようと思っていました。
Potが1つ売れただけでも彼は喜んでいました。いつもお客さんに「まいど~」と声をかけていました。
儲けが少ないのでなかなか自分の好きなアイテムを手に入れることが出来ませんでした。
もうすぐ花のカチューシャが買えそうだと、私に話してくれました。
花のカチューシャは、いつも町でみかける辻ヒールアコさんにプレゼントしようと思っていたそうです。

今日、いつもの何倍もの売上がありました。花のカチューシャが今日の売上だけで買える金額になってしまいました。
彼は「こんな汚れたお金じゃ、アコさんはよろこばないだろう」
と、言いました。

私は何もしてあげられませんでした。

 2001年12月3日、ラグナロクオンラインをα時代から取り上げており、ミラーサイトとしてβ1テストクライアントの配布も行っていた『Ping=Zero』が閉鎖した。 『Ping=Zero』はプロジーのサーバーにあり、seidai氏がプロジーを退社する為であった。

ラグナロクオンラインファンサイトの躍動

 β1テスト期はラグナロクオンラインファンサイトが数多く出てきた時期でもあった。これより代表的な個人サイトを挙げる。

補足:ラグナロクオンラインファンサイトが幾つ存在したのか。勘定のしようが無い事ではあるが参考となる数字を記す。
・2002年11月29日:ラグナロクオンラインの登録型サイト検索エンジンである『RAGNAROK Search』に登録されたサイト数が2002年11月29日に1000サイト越え
比較として他界隈の数字も併せて記す。
・2002年9月16日:量産型VNIの登録型サイト検索エンジンである『バーチャルネットブックマーク集・ほかん庫』に登録されたサイト数累計が686サイト
・2003年、テキストサイトのリンク集である『テキスタイルポップ』にリンクが貼られているサイト数が954サイト
・2007年、個人ニュースサイトのリンク集である『Parallels2』にリンクが貼られているサイト数が726サイト
但し、検索エンジンの登録数とリンク集のリンク数はそのまま比較は出来ない。あくまで”参考”である。 ラグナロクオンラインファンサイトがとにかく沢山発生したという事だけ理解すればいい。


 総合情報サイトとしては、2001年12月に開設した『R.O.M 776』。長く続いたサイトであり、『Let's RAGNAROK !』『ラグナロク・ナウ』が去った後は、その立ち位置を引き継いでいく事になる。 2002年1月23日に『D-liste』開設。 同月25日にはニュースの速報性に強みを持つ『RODN(RAGANAROK ONLINE DAILY NEWS)』が開設。ここは大手総合情報サイトの中でも『Let's RAGNAROK !』に次ぐ最大手。アンケートの実施も行っていた。 このアンケートが後に『Let's RAGNAROK !』閉鎖の引き金を引いてしまう事になる。『ラグナロク・ナウ』の開設もこの時期である。 少し遅れて同年5月1日に『RAGNAROK Square』が開設した。 さらに遅れて同年7月~8月頃に『RAG.D Project』が開設したが、元々は『@NET』というサイトの1コンテンツを独立させた形である。 βテスト期の総合情報サイトとしては後発である『RAG.D Project』はβ2テスト中期には最大手サイトにまでなった。その理由はガンホーを皮肉った数々のネタを作った為。代表的な物は、flash作品では「Ragnarok Online 体験版」「Ragnarok Offline」「RagnarokBB」等が挙げられる。 「Ragnarok Offline」はモンスターを叩くだけのゲームなのだが、経験値が溜まるとレベルアップする。マップは3つ用意されており、プロンテラで武器を購入する事も可能。 チャットボタンを押すと掲示板が立ち上がる。ネタFlashにしては芸が細かい。

 知る人ぞ知るネタ『バーチャルネットアイドル社長 孫泰蔵30歳』もこの人。トップページの近況報告にはガンホーを皮肉った面白文を書く。 数々のネタで人気となり、β2後期~Episode4.0辺りまではラグナロクオンライン界隈で一番影響力を持っていたサイトと考えられる。 2003年2月に発生した「ガンホー春のBAN祭り」ではその影響力を行使し、ガンホーを揺さぶる。


 特化情報サイトとしては、2001年12月3日に開設したアーチャ特化の『弓手向上委員会』、2002年1月?に開設したアコライト特化の『私は服事♪(昼下がりの教会 )』、 2002年3月21日に開設したステータス考察の『OptimizeProject』、同年6月7日に開設した韓国Sakrayサーバー情報サイト 『サクライのアレ』


 ラグナロクオンラインファンサイト登録型検索エンジンサイトとしては、2002年2月11日に開設した『RAGNAROK Search』と詳細開設日は不明だがほぼ同時期の『RAGNAVI』


 2002年2月15日に開設の『らぶひゃっくたん』はHyack氏の公認をとったHyackたんファンサイト。


 プレイ日記としては元々はBM98関連のサイトだが同年1月18日からプレイ日記を始めた『Sister Project X』と 同年4月18日開設の『PrivateMoon』等があるが、何と言っても同年3月4日?開設の『NaiveDreams in RO』だろう。『NaiveDreams in RO』はただのプレイ日記なのだが、「Nekoko'」というキャラクターはアコライトにも関わらずVITとSTR特化で強敵を殴りまくる。その衝撃的な姿から付けられた「にゃんこ先生」というあだ名と「フェイヨンなんざ素手で」というセリフはあまりにも有名。

 経験値稼ぎを支援するソフトウェアも作られた。2002年1月に公開された「自動芋」はその中でも一番有名なソフトである。 これはHPが残り少なくなったら自動的にショートカットキーを連打するというもの。つまりショートカットキーに芋や赤ポーションをセットしておけば、自動的にHPが回復出来る。 同じ製作者による「自販芋」というものもあり、これは露店が完売したら自動ログアウトさせるものである。なお「自動芋」「自販芋」の製作者は「StretchMame32」の製作者でもある。

 β1テスト時代に公開された経験値稼ぎ支援ソフトとしては「自動芋」の他に2001年12月に公開されたAkindKnight氏製作の「RAGNAROK Relocator」、2002年1月に公開されたAmazon氏製作の「ろ。」、 同年3月(?)に公開されたこてち氏製作の「RoMonitor」、2002年5月に公開されsia氏製作の「Shining Servant」等が挙げられる。
 経験値稼ぎ以外にも支援ソフトとして、ラグナロクオンラインのゲーム画面を撮影し自分のサイトにアップロードするソフトでaki氏が製作した「ROLISIS」とHanzo氏製作の「Rolive!!」、遊月氏が製作した代売買商人向け計算機の「ゆーかるく」等が挙げられる。
 便利サイトも作られた。『RO SV Watch』はサーバー生死確認サイト。β1テストの時はしばしばサーバーが死んでいた。 死んでいたといってもゲーム全体が死んでいる訳ではなく、数個あるサーバーのうち幾つかが死んでいる状態が多かった。 つまりマップによって生きていたり死んでいたりするのである。 従って、生きているマップからうっかり死んでいるマップへ移動してしまうとそこでゲームが出来なくなってしまう。 『RO SV Watch』はサーバーとそれに対応するマップ、そこの生死状況を確認できるサイトである。当時の状況ではプレイする上で必須のサイトであった。 後に『RO SV Info』と名を変える。他にはスキルツリーシミュレータやダメージ計算のサイトが幾つも作られた。

資料:β1~β2時代に作られた補助ソフト、便利サイトへのリンク集⇒「補助ツールを教えて初心者へのRAGNAROK ONLINEβ FAQ集)」




 ここで時を遡り2001年2月、『バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳』の登場は個人サイトの世界、特にテキストサイト界と個人ニュースサイト界に旋風をもたらした。 そして『ちゆ12歳』のサイトデザインや芸風を真似たサイトが大量に現れる。それらのサイト達は”ちゆフォーマット”を使った”量産型VNI”と呼ばれた。
 2002年の3月20日、『バーチャルネットアコライト・さやさや16歳』開設。このサイトはサイト名で解る様に量産型VNIなのだがコンテンツはラグナロクオンラインプレイ日記である。 『ちゆ12歳』が『ムーノーローカル』『裏ニュース!』『TECHSIDE.NET』に取り上げられて有名になったように、 『さやさや16歳』は『ラグナロク・ナウ』『RODN』に取り上げられラグナロクオンラインで有名になった。 このサイト、目のつけどころが良かった。 ”量産型VNI”サイトを運営する上での難しい点は何か。それは毎日書くネタ考え、捻り出し、テキストにするという作業にあった。 折角量産型VNIを始めても殆どの人には毎日書くようなネタは無く、その才能も無かった。 しかしネットゲームプレイ日記であれば、ただの日記なのだから比較的書きやすい。また、キャラクターになりきるVNIと、やはりキャラクターになりきるMMORPGは相性が良かったともいえた。 『ちゆ12歳』の模倣サイトが沢山現れたように、『さやさや16歳』の模倣サイトが数多く現れ、それはROVNIと呼ばれた。 代表的なROVNIとして、に同年5月21日に開設した『バーチャルぽたこ・ゆな16歳』、同年6月8日に開設した『ヴァーチャルネット歌唄い++メセナ=シン=アルディード』、 同年7月13日に開設した『バーチャルネット悪コライト・レイホウ19歳』、同年8月1日に開設した『yuyuでRo!』、 同月14日開設の『バーチャルネット・商人まいにちあゆみ17歳』等が挙げられる。『まいにちあゆみ17歳』の管理人はビートマニアシミュレーター「BM98」の作者、やねうらお氏である。
 そして、普通のVNIまでもがラグナロクオンラインに魂を引かれていった。同年5月13日に『バーチャルマザーマーメイド・晴子28歳』が突如ラグナロクオンラインプレイ日記化。 それに引きづられる形で他のVNIも次々にラグナロクオンラインプレイ日記化していった。 その勢いやROVNI化するサイトがでる度に『2ちゃんねる』の「バーチャルネットアイドル総合ウォッチ」スレッドで「おまえもか」といわれた程であった。
 同年4月6日に開設したVNI『バーチャルネット半なまAA描き・チェき14歳』はラグナロクオンラインをネタにしたアニメGIFを多く作成した。一般的には「The Real SUMO Fighting シリーズ」の作者として有名。
 当時、個人サイトの世界で飛ぶ鳥を落とす勢いだったVNIがラグナロクオンラインプレイ日記化していった事は、つまりサイト閲覧者にラグナロクオンラインを宣伝する事になった。


 ウェブ上に公開する絵・漫画でもラグナロクオンラインをネタにするものが出てきた。代表的なサイトに『鴨はうす』が挙げられる。 管理人のつくりものじ氏は後にTYPE-MOONの「Fate/stay night」「Fate/hollow ataraxia」「魔法使いの夜」で演出とスクリプトを担当した。また、幾つかの同人サークルのサイトでラグナロクオンラインを題材にした漫画が公開されるようになった。 これもサイト閲覧者にラグナロクオンラインを宣伝する事になった。

 ラグナロクオンラインに影響力の有る個人サイトが多く発生した理由の一つとして、公式サイトが2002年1月9日に出した告知がある。

Ragnarok Fanpage Making について
No. 35 Date. 2002-01-09 10:5:18

 Ragnarok Fanpageを作るときには、
 Ragnarok Online のJPG、GIFなどの画像は
 Gravity本社に報告なしでご自由に使ってもいいです。
 ただしRagnarokやGravityのTitleなどを
 必ず明記して下さいませ。

公式

 この公式の素材を許可を取らずに自由に使ってかまわないという方針を公式に出した事でファンサイト作りを容易にし、コミュニティ拡大に繋がった。
 支援ソフトについては同月29日に次の告知が出された。

Tool - RO - について。
No. 59 Date. 2002-01-29 16:46:40

"横は入り"機能だけを不許します。
ただし、以外の機能は大丈夫です。
ぜひ、
横は入り機能がない最近のVersionを使ってください。

公式

 "横は入り"とはパッチサーバーを飛ばしてログインする行為の事。 当時はパッチサーバーが脆弱でゲームにログイン出来ない事が多く、テスターはこれを「ログインゲーム」と呼んだ。 パッチサーバー飛ばしはそれを回避する手段なのだが、これは禁止。それ以外は問題無しとした。この告知を元に数多くの支援ソフトが製作された。

 こうして公式サイトが足りない部分をファンサイト作成コンテンツが補っていった。そしてグラヴィティは日本での宣伝を行っていない中で、運営会社の力では無く、先に触れたサイトを中心に数多くあるファンサイトサイトの力によりラグナロクオンラインが口コミ効果で広まっていった事を忘れてはならない。 2002年3月31日、ラグナロクオンラインネタの同人紙即売会「RAG-FES」が始めて行われた。 グラヴィティはこの時Hyack氏や開発者だけではなく、イ・ミョンジン氏、さらにはキム・ハッキュ社長が自ら出向いた事からも、口コミの影響力を重要視していた事が伺える。
 サイトを持つ、影響力の高いテスターの層が厚くなり、結果としてラグナロクコミュニティはイベントが活発になった。劇団、蚤の市、ラジオ、オークション等数々のユーザーイベントが行われるようになった。 こうしてラグナロクオンラインは力の有る個人サイトの影響力により大人気となったわけだが、そう都合よい事ばかりが宣伝されるわけではなく・・・ β2テスト以降はその影響力がラグナロクオンラインの悪い部分の宣伝にも大いに発揮される事になる。

参考:ラグナロクオンラインファンサイト群相関図を作成した。

 2002年1月14日、地下水路4階でゴキブリの代わりにドッペルゲンガーが無数に出現。名前がポポリンなムナック、名前がグールでアクティブ攻撃してくるポポリン等のバグが発生した。 その日のうちに元通りに直った。

 2002年1月18日、衛星都市イズルードとイズルードダンジョン、沈没船が実装された。イズルードの空間転移サービスは各街に一律100zenyで転送出来ることからテスターが集まり、プロンテラについで賑やかな街になった。

 2002年2月9日、複数の敵にターゲットにされた時の回避率低下が実装され、シーフの天下が終わった。

 2002年2月20日、Hyack氏GM退任に伴う、後任のゲームマスター、memberx氏が登場した。

gamemaster: 新しいGM memberxと申します。
gamemaster: 今patchのため shut downになります。
gamemaster: ヒャックさんは そばでにこにこしています。
gamemaster: では、count downを始めます。
gamemaster: 10
gamemaster: 9
gamemaster: 8
gamemaster: 7
gamemaster: 6
gamemaster: 5
gamemaster: 次はなんだっけ
gamemaster: まあ。。。さらば。。

ワールドアナウンス

 同月20日、グラヴィティは朝にアクセサリーを2個装備を可能にするパッチをリリースするがアイテム・スキルがロストする不具合発生。 memberX氏はワールドアナウンスで作業状況をテスターに報告していたが、 そのうち調子が上がっていき、ゲームとは関係無い雑談をし始める。「社長にはひみつにしてください~」と言いながら、バグ取り作業が終了する22時まで、 自分の名前、グラヴィティの社長はリアルでうさ耳をつけている、などの話から、モンスターへの給料はZenyで払ってますという冗談まで大いに語った。 Hyack氏と同様に愉快なゲームマスターであった。

キャラクターチェンジ(β1)

 2002年2月25日、他人のキャラクター情報が自分のキャラクターに上書きされる現象がおきる。 グラヴィティはβ1テスト期間中には復旧出来ないと告知したが、結局は復旧を行うことになった。 同年3月6日に対策パッチを当てる。被害者にはメールで対処する予定であったものの方針を変更し3月7日に3月1日までキャラクターデータの巻き戻しを行った。 この現象はキャラクターチェンジといわれたが、この言葉が半年後に再び現れることになる。

 2002年3月2日、Lokiワールドがオープン。同月13日、Irisワールドがオープンした。 Irisワールドは他と比べてサーバが落ちる頻度が高く、復旧も3ワールドの中で常に一番遅かったことから「またIrisか」という言葉が誕生した。 この言葉は他ワールド住民がIris住民を馬鹿にするときにも使うようになった。 後年、ワールドが増えてからはChaos、Loki、Irisを旧3鯖と呼んだ。

 2002年3月6日、回線を五倍に増設。ラグとパッチサーバー通過率が幾分改善した。

 2002年3月16日、初心者修練場が実装された。この修練場なのだがβテストの頃にはLvが上がっても修練場から出ずに住み着き、ひたすらファブルだけを狩っている謎なテスターがいた(ドラクエで例えると永遠にアリアハンでスライムを狩っているようなもの)。 初心者修練場にはzenyを特定額割り振るノンプレイヤーキャラクターが存在したが、ノンプレイヤーキャラクターに特定のパケットを送信する事で何度もzenyを獲得するチートが存在した。 このチートは同年9月27日のパッチによって封じられた。 なお、初心者修練場で露店を開くノービスもいた。無論ノービスは露店を開けない。これはスキルハックと呼ばれたパケットチートによるものである。

外国人の流入とBOT

 2002年4月から外国人が目立ち始める。外国人は「give me money plz.」「heal me plz.」という発言が目立ち、害人といわれたりもした。 但し、外国人プレイヤーがいたほうがMMORPGがよりMMORPGらしくなるという意見もあり、β1テスト時代の特徴として後年懐かしまれた。 そしてこの時期、BOTが発生するようになった。BOTは何月何日から発生し始めたのか、正確な日付は今となっては解り様の無い事。 正しいのかどうかは解らないが言い伝えられているのは次の通りである。
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 4月頃、国際サーバーが米国へ移転のため一週間ほど閉鎖された時があった。この閉鎖期間中に日本語サーバーのバッタ海岸(prt_fild04)でBOTが現れた。これを始まりに他の敵が弱いマップでもBOTを見かけるようになっていった。 国際サーバーは米国移転後もラグが移転前と変わらず、特にタイから接続は厳しかったという。このような状況に嫌気が差した国際サーバーの一部テスターはBOTを使うようになり、国際サーバーはBOT天国と化した。 そして、国際サーバーに失望したテスターが移住したのが日本語サーバーだった。(Lokiワールドの接続数が一気に増えたという)
 ところが、日本語サーバーも過密状態になり、ラグに耐え切れずBOTに手を出す人が出てきた。特に回線品質の悪いタイ人、それに加えてβ1テスト終盤では日本人テスターにもBOTを使う者が出てきた。
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 ラグナロクンラインのBOTは経験値を稼ぐ為に「見境無く敵を叩いてはハエの羽や蝶の羽で飛んでいく」ものであった。これはテスターの視界にあるBOTが飛ぶ度に効果音を伴ったエフェクトが出る為、目障りかつ耳障りなものであり、 ハエの羽や蝶の羽で飛んでいく事自体もパケットチートによるものであった。 また「見境無く敵を叩く」事はノーマナーといわれていた行為でもあった。特によく見かけたのはバッタ海岸と狸山(prt_fild03)。BOTは多くのテスターから激しく嫌われた。
 この様な状況であるから、開発・運営であるグラヴィティへの非難の声があがった。しかしグラヴィティは数多くいるBOTへの有効な対策をとれなかった。 さらに、日本語サーバーといってもサーバー自体は韓国にあってラグが激しく、マップが切り替わるごとにサーバーキャンセルが起きていた(「海底ケーブルにポリンが詰まってる」という冗談が生まれた)。 グラヴィティは韓国の正式サービスを間近に控える中で日本語サーバーまでは手が回らない・放置していると考えるテスターが増えた。 その為、テスターは日本にサーバーが移転されるのを切望するようになっていった。

 2002年4月17日、四葉のクローバーからうさぎのヘアバンドを作るノンプレイヤーキャラクターが設置されるカプライベントが復活。 クリスマスパッチ終了後以降に始めたテスターにとっては待ちに待った復活であったのだが、バグの発生により昼の一時的な間だけの実装に終わってしまった。 これをテスターは「泡沫の夢パッチ」と呼んだ。

 2002年5月25日、『K-RAGNAROK』が閉鎖した。更新作業を頻繁に行う事が不可能な状態になった為であった。

 2002年5月31日、モンスターが街を襲撃するイベントがあった。モンスターの数が少なく、すぐに終わった。 同時接続数がChaosで約8000、Irisで約5000。

マナー原理主義の台頭

 β1時代のあの小さなマップで1ワールドの同時接続数が8000。当時の混雑ぶりは凄まじかった。どこの場所にいっても必ず誰かのキャラクターがいる状態。 経験値を稼ぐにはモンスターを倒す、これは当たり前の事であるが・・・なにせモンスターを倒せない。 何故ならテスターが多すぎてモンスターが他テスターとの取り合いになる為である。 このような状況の結果、マナーを勝手に決め、声高らかに叫ぶ「マナー原理主義」が台頭した。「横殴り禁止(人が叩いているモンスターを他人が横から入って叩いてはいけない)」はその代表例である。 他テスターが間違って横殴りしてしまうと、激しい罵声を浴びせるテスターもいた。 これをグラヴィティは公式で横殴り禁止といった事からマナー至上主義者は大義名分を得た。 やがてエスカレートし、一部テスターが勝手にルールを作り、それに従わない人を「ノーマナー」として非難するようになった。 結局そのルールというのは所謂俺ルール(自分にとって不愉快な行為は禁止)であり、それに反対するテスター(主にラグナロクオンライン本スレ住民)との言い争いが繰り広げられる。 それはテスター間でのトラブル、罵り合いの元凶になった。 マナー至上主義者は主に『Let's RAGNAROK』の掲示板に現れ、俺ルールを振りかざして無意味なマナー論争・他者への攻撃に明け暮れていた。 やがて『Let's RAGNAROK』は「厨房の隔離施設」といわれるようになり、『Let's RAGNAROK』は"劣"、そこの掲示板住人は「劣厨」と呼ばれるようになった。

RO が自身のゲーム性さえ潰してしまうほどに『マナー』に支配されてしまった責任は、100% グラビティ自身にある。グラビティがあのとき、公式に、ルートはいけません、『横殴り』はいけません、などと言ってしまったがために、元から厄介な存在であるマナー至上主義者が完全な大義名分を得て、一気に増長し、今のような状態に陥ってしまったのだ。そして一度得られた大義名分は際限なく拡大解釈され続け、最終的には『俺の迷惑になる行為はしてはいけません』という分かりやすい未来に至り、次々とアホを生み、let's ragnarok を潰した。今後もどうなるか分からない。

あんな大本営発表さえしなければ、もっと違う未来もあったものを。

うさだ3(うさだ

 2002年6月19日、グラヴィティは日本語サーバーにβ2アップデートを7月中に行なうと告知。アイテムの引継ぎがどのような形になるのか注目された。 同月22日、韓国公式は韓国語サーバーβ2アップデートに関する告知において、装備中以外のアイテムはβ2テスト移行時に皆削除するとした。 日本語サーバーもこれと同じだろうと予想された。従って装備品以外のアイテムは残しておいても意味が無いとされ、 何時かはアイテム効果が実装されるかもと倉庫で大事に保管していたカードはゴミ当然に。 カプライベント復活に備えて倉庫に保管していた四葉のクローバーも安値で売りとばされるようになる。 今は使用する事は無くても何時かは使うときが来るだろうと念のため保管しておいたアイテムを中心に物価が暴落した。
 そんな中、同年7月15日にカプライベントが復活。しかもうさぎのヘアバンドは装備品なのでβ2テストに持ち込める。 安値で売りとばされていた四葉のクローバーが今度は高騰した。
 大量のテスターが同時に交換ノンプレイヤーキャラクターをクリックした為に、四葉のクローバーを渡してもうさぎのヘアバンドはもらえない不具合が発生した。

 2002年7月、「http://data.gravity.co.kr/account_checkjp.asp?aid=」の最後に適当な6桁の数字を入れると、 その数字のIDのテスターのアカウント登録情報が見えてしまうという事象が発覚した。
 同年8月1日に告知があり、「韓国語サーバーと国際サーバーではβ2バージョンなのですでに解決済みだが、日本語サーバーはまだβ1バージョンなので直してはいませんでした」 「現在知られた全てのHacking方法を遮断して、これ以上の個人情報の Hackingは防げました」 とのことであったが、これはつまり問題を認識しておきながら日本語サーバーは直していなかったという事になる。 この日にグラヴィティがとった対応とは表示される個人情報をHTMLのコメントタグで見えなくするというお粗末なものであった。翌日に根本的な対策をとった。

ガンホーの登場

 2002年8月5日、日本語サーバの日本への移転と運営会社が発表された。 運営会社は、ガンホー・オンライン・エンターテイメント。商号変更前はオンセールといいネットオークション運営を行っていた会社であった。勿論ゲーム業界では無名。 社長が孫泰蔵氏で、ソフトバンクグループの孫正義氏の弟であった。 ソフトバンクは当時、悪名高い「人通りの多いところでYahoo! BBモデムばら撒き」を行っており、しかもユーザーへのサービスが悪いとよくいわれていた。 その為、嫌な予感をしたテスターは少なくないし、何故この会社が運営を行うのか疑問に思うテスターも少なくなかった。 後年、森下一喜氏が当時を振り返って「弟がラグナロクオンラインで遊んでるのを見て、直ぐにグラヴィティへ電話し商談に入った」 「オンセールの清算を手伝っていたら孫泰蔵氏からオンセールを引き継げといわれた」という話をしたが、 この当時はまだ森下氏は表に出てきておらず、テスターは森下氏の存在を知らなかった。
 日本語サーバーβ1テスト後期、グラヴィティは韓国正式サービス開始に力を注ぎ、日本語サーバーは多くの問題を抱えているにも関わらず、放置状態。従って「日本にサーバーを」「管理を日本の会社に」というのはテスター達の悲願であった。

オンセール株式会社とは?:設立は1998年7月1日。 ソフトバンクは1998年5月15日に米国のネットオークション運営会社であるオンセールと提携し、オークションビジネスに進出することを発表。 合弁でオンセール株式会社を設立、1999年6月にBtoCのオークションサービス開始。 2000年4月にCtoCオークションを開始した。 しかしCtoCオークションサービスは安全確保が遅れた事で導入に時間を費やし、時流に乗る事に失敗した。http://www.onsale.co.jp/
ソフトバンク第19期中間事業報告書より(1998.4.1~1998.9.30)

 2002年8月6日22時、グラヴィティのサーバー「ftp://ragnarok.nefficient.co.kr/pub/ragnarok/」に日本語β2クライアントがあるという情報が流れた。 サーバーは公開状態で誰でもダウンロード可能であったので当然ダウンロードする人が出る。グラヴィティはサーバーを閉じなかったので7日以降もダウンロードする事が出来た。 ちなみに告知が出るまで待ったプレイヤーがクライアントを落とすことが出来るようになったのは同月13日。

さようならβ1

 2002年8月7日11時27分、β1テストが終了した。

こんにちは、GM memberxです。
ついに時間です。
こんにちは
GM memberxです。
ご存知の通り、今日からサーバーと停止して、β2移行作業が始まります。
今までのご声援ありがとうございます。
β2の準備とServer移設作業のため、
8月12日までServerとHome Pageを停止させて頂きます。
では、皆さん。お別れの時間です。
では、お別れの時間です。
β2の準備とServer移設作業のため、
β2の準備とServer移設作業のため、
β2の準備とServer移設作業のため
β2の準備とServer移設作業のため、
β2の準備とServer移設作業のため
β2の準備とServer移設作業のため、
β2の準備とServer移設作業のため、
ServerとHome Pageを停止させて頂きます。
windowの問題でちょっとアナウンスが遅くなった点、申し訳ありません。-_-;
では、皆さんお別れの時間です。
β2は12日に来ますけど。私(元GMになる予定)は韓国のGMとして残ります。
今まで誠にありがとうございました。
長くなりましたね。そろそろshutdownすることにします。
ログアウトお願い致します。
装備しているアイテムだけ残りますから。ちゃんとチェックしてね。
では、皆さん。。。
さようなら。。。
では、shutdownします。
皆さん。ログアウトお願いします。
ログアウトお願いします。

ワールドアナウンス

4.β2テスト(2002年8月14日~2002年11月20日)

 β1テストが終了し、皆β2テスト開始を心待ちにしていた2002年8月9日、テスト開始前に一つの別れがあった。

『Let's RAGNAROK !』の閉鎖

 マナー原理主義は「俺の迷惑になる行為はしてはいけません」という分かりやすい未来に至り、 俺ルールを振りかざし他者を攻撃する『Let's RAGNAROK』の掲示板住人、劣厨。 『Let's RAGNAROK !』の管理人であるMiyabi氏は荒れる掲示板を制御出来ない状態であり、 掲示板住人はそれをよいことに無意味な論争に明け暮れていた。
 2002年8月9日、『RODN』は第11回アンケート「ガンホーに期待する事は?」を実施した。 投票CGIに期待する事が項目として作成されていき、そこに投票していくわけだが、 投票数一位はBOT対策だった。β1テスト後期の状況を考えれば当然の事といえる。 そこに「劣の閉鎖」という項目が作られた。 するとラグナロクオンライン本スレの支援効果も有り、順位が上昇していく。 『Let's RAGNAROK !』の閉鎖をガンホーに期待しても仕方のない事であり、一種の悪ふざけであったが、 マナー原理主義者が大暴れする『Let's RAGNAROK !』の掲示板を良く思っていない人達は少なくなかったという事でもあった。 そして・・・実際に多数の票が集まったのである。それを見たMiyabi氏は虚しい気持ちで一杯になった。 Miyabi氏は『Let's RAGNAROK !』を閉鎖した。

今回、RODNさんの「ガンホーに期待する事は?」というアンケートに「劣(当サイトの事)の閉鎖」という項目が上がり、それに呼応するような形でサイトの閉鎖をしました。

閉鎖に関して、RODNさんのアンケートはトリガーに過ぎません。閉鎖を望む項目への投票も、悪のりの感はありましたが現在の「声」として受け止め閉鎖を決めました。
数ヶ月前より、自身の管理の至らなさから、掲示板への書き込みや頂くメールなどで閉鎖を望む声は大きくなっていると感じていました。もちろん、閉鎖を望む声よりも、当サイトを楽しみにしている方の声の方が大きいのは理解しています。そう思ってきたからこそ、あの日までサイトを運営してきました。

 

当サイトのようなコミュニティー主体のサイトでは、重大な影響を及ぼすような書き込みを早期に発見し削除しても、気が付く人はほとんどいません。消えているのですから。しかし、発見が遅れれば、多くの人目に付きます。

この日も実は、当掲示板に他人のHNを勝手に利用する悪質な書き込みに加えて、ベータ2サーバへのフライングログインについての書き込みが多くありました。実際にサーバオープン告知が出ていないのに、ログインできた、というものです。当然公式発表がない以上、削除すべき書き込みです。

何度も掲示板を見ては削除しての繰り返しです。

しかし、その事は、ほとんど人目につきません。

(当日の2chのログを見て頂ければわかります。「劣に広まるのも時間の問題だ」という書き込みはあっても、「劣に広まった。もうだめぽ」というような書き込みなかったと記憶しています。こちらでの書き込みを削除していたからです。)

 

その後に閉鎖を望む「声」を見ました。虚しい気持ちでいっぱいになりました。今まで何度か同じような事がありましたが、この日の私には、この「声」は深く刺さりました。そして閉鎖を決めました。

それから、私の手によるサイトの再開はありません。あしからずご了解ください。

Let's RAGNAROK

 10日、『RODN』は責任を感じたのか『Let's RAGNAROK』復帰を希望する署名を開始したが意味が無かった。
 その後、住処を失った劣厨は学習すること無く、『ラグナロク ナウ』に移住し同じ事を繰り返す。その姿は「ナウナウしい」といわれた。

S県月宮

 2002年8月10日、ラグナロクオンライン本スレ「■RAGNAROK ONLINE βLv417 ママーリ■」の>>374に、 痛さ全開の台詞を言う女にストーカーされた人の話が書かれ、さらにチャットのログが貼られていた。 この話を『Iris的』が取り上げ、S県月宮として話題となる。以下の台詞が有名。
----------------------------------------------------------------
「妹と呼んでねお兄ちゃん」
「魔女に殺される!!助けてお兄ちゃん!!」
「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」
----------------------------------------------------------------
 実は『Iris的』の管理人が作ったネタだったのだが、その文に書かれた女の電波っぷりが素敵であったため、 ネタでありながら多くは真実としてラグナロクオンライン内のみならずウェブ全体に広がる。 「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!」は大いに流行った。

あとまぁいろいろありますが、最近言いたいのは
ttp://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/6684/p_d_01/p_d_download.html
今更ですがこんなんになってますが、
ご承知の通り、あれはβ1→β2移行時にやることなかった
IRIS的の運営委員の4人うち1人が作ったネタをワタクシがまとめたものですので、
ガクガクブルブル、とかしないでください。
まぁ・・・・信じるかどうかはあんたがしてくださいな。
ちょうど夏コミの時期だったから丁度よかったんでしょうがね。

Iris的

 2002年8月10日、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの公式サイトが開設した。

 弊社「ガンホー・オンライン・エンターテイメント」は、1998年米国オンセール社 との提携により、B2Cに特化したオンライン・オークション及びイーコマースサービスを「オンセール株式会社」として提供して参りましたが、昨今のブロードバンドの劇的普及を見込み、オンラインゲームプラットフォームサービスを提供する事に、大幅な業態変更して参ります。

ブロードバンド時代におけるクオリティーの高いインタラクティブ性のあるオンラインゲームは、リッチコンテンツとして、今後市場を牽引・拡大して行く事になると思われます。 現在、日本においてオンラインゲーム市場は他国と比較し、黎明期とも言われて おりますが、韓国のブロードバンド市場の導入期にちょうどあたる状況です。

弊社はインディゴホールディングスグループとして、様々なインターネット事業 のノウハウ及びオンセールとしての課金決済・カスタマーサポートの運営ノウハウを豊富に保有 しており、こうした資産を活用し、新たに再スタートする所存であります。 そしてインタラクティブなアミューズメントバーチャル空間をエンドユーザー様 に楽しんでもらえるよう努力して参ります。

2002年8月6日
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社

代表取締役社長  孫 泰蔵

ガンホー(GungHo)とは?

gung-ho

【形】 前向きで情熱的な、やたらに熱心な、熱狂的な、熱烈な、熱血的な、がむしゃらな、 感情的な、熱心に働く、忠誠心の強い、やる気満々の、誠を尽くす、忠誠な、忠勇無双の

◆【語源】「協力してやろう」(work together)という意味の米国海兵隊の標語から

ガンホー・オンライン・エンターテイメント


 2002年8月12日、β2テスト開始予定日に合わせて『OWN RAGNAROK』が開設した。総合情報サイトである。

β2テスト開始予定日

 2002年8月12日はβ2テスト開始予定日であった。テスト開始の告知前にサーバーが開いていた時間があり、 グラヴィティのサーバーから非公式な形でクライアントを手に入れた人達がフライングでログインした。 ガンホーは同日12時に告知を出し、夕刻より正式にクライアント公開し20時より開始と発表。 しかし20時になってもクライアントは公開されず、22時に延期の告知。 理由は一部のテスターが告知前にクライアントダウンロード及びログインをした事により作業が遅れた為とあった。 しかしながら非公式であったとはいえ告知前にクライアントダウンロードを可能にしたのは他ならぬグラヴィティである。
 同月13日0時に開始延期についてのお詫びの告知。延期理由は過剰なアクセス集中によるトラフィック超過の為 とのことであったが公式なクライアント公開すら開始されていないにも関わらずトラフィック超過になるとは。 同日15時にクライアント公開。アクセス集中となり、激しいダウンロード競争が起きた。

RODNの閉鎖

 2002年8月12日、β2テスト開始予定日だったがサーバーオープンどころかクライアント公開さえも行われず、テスター達は大いに混乱する。 『Let's RAGNAROK』閉鎖の影響もあって、負担は一気に『RODN』に流れ、トラフィックが激増。『RODN』はサイトを一時的に閉鎖させた。 しかし、これ以降『RODN』が復活する事はなかった。
 同年11月に、ひっそりと更新。「「ラグナロクBB」に関するインプレスの記事」上にある孫泰蔵社長の発言に対して 「勘違い社長の勘違いトーク炸裂」 と切って捨てた。 その後、更新は無く、静かに消えていった。

RODN(暫定?)閉鎖のお知らせ

えー、8月に入ってからの訪問者激増を受けて、メイン・サブサーバー共に限界を突破し、
この度Dataリストの公開が苦しくなった事を受けて、RODNを一時的に閉鎖します。

閉鎖期間も復帰予定も未定です。

現在のトラフィックでは事実上データ関係を公開する事が不可能(高級専用サーバでも無い限り無理)
であり、その為に取る処置です。ご了承下さい。

(一日平均25GBの転送量を叩きだしていたようです→COOLが二日で公開停止になったのも納得)

08/12 327890
08/11 178013
08/10 155860
08/09 149530
08/08 119058
08/07 141917
08/06 137391
08/05 110729
08/04 93799
08/03 90502
08/02 98370
08/01 110035

メインサーバ、kani-nipper共に瀕死状態で、COOLは死にました。
いかんせんどうしようも無い事態ですのでお察し下さい。

RODN

β2テスト開始

 2002年8月14日、ついにβ2テスト開始。ガンホーに対するテスターの嫌な予感は見事に的中した。 立ち上げ時のごたごたは経験の無さを考慮に入れて仕方がないとしても、サーバーの不安定ぶりもβ1時と何も変わらない。 数々の問題に対し、常に後手後手の対策もしくは放置で、 ガンホーに対して「癌崩」「癌呆」という通称が付けられるまでに時間はかからなかった。 この時期は国際サーバーが閉鎖していた為外国人も流入。ガンホーは同月23日に海外IPを弾く処置を取ったが国内IPの一部も弾いてしまった。
 ・新経験値テーブル適用。それによりβ1テスト時の約2/3にLvダウン。
 ・装備していたアイテムのみ持ち越し。Zenyは没収。ステータスポイントとスキルはリセットされた。

キャラクターチェンジとスキルロスト

 色々と問題が多かったβ2テストだが、特に致命的な現象が2つあった。キャラクターチェンジとスキルロストである。

 「キャラクターチェンジ(キャラチェン)」とはログインした時に自分以外のアカウントにログインしてしまう現象の事である。 キャラクターチェンジで自分のアカウントを他人に使われたテスターの中には、 いらないステータスにポイントを振られたり、アイテムを捨てられたりした。 テスターのキャラクターだけではなく、ログインしたらGameMasterのキャラクターだったという画像まで出回った。

 「スキルロスト」とはログインした時にスキルが無くなって使えなってしまう現象の事である。 ゲームクライアントとサーバーとのデータやり取りの際にパケットロスが発生することで クライアントがスキルをリセットしてしまう。 特に商人を持っているテスターは注意が必要で、人が多い街での商売や代購で頻繁に戦闘職のキャラクターと切り変える為、 商人のロスト率は高かった。
 両者とも致命的な症状であるにも関わらず、β2テスト期間中どころか正式サービス後も現象が発生し続けた。 その為にテスターは自衛策をとるより他無く、
 ・サーバーが重いと感じられる場所、又は人が多い街中でのログアウトはしない
 ・大事な装備、アイテムはログアウト前にカプラに預ける。
 ・ゲームを終了する時はログイン画面に戻ってからキャラクターセレクト画面まで進み、そこでキャンセル、終了をする
 ・ステータス、スキルはレベルアップ時になるべく使い切る
 ・自分がログインしたいキャラクターに繋がらないといって急いで別のキャラクターでログインはしない
といったテスターの経験則による自衛策が広まった。スキルロストについては2003年1月に被害キャラクターの救済が始まる。

 2002年8月18日、『春風亭工房』はFlash動画「RagnarokBattleOnline」を公開。

 『春風亭工房』の南向春風氏はキャラクターがよく動く多関節FLASH動画の代表的製作者で、これより前には「GLOVE ON FIGHT」を製作している。 「RagnarokBattleOnline」は同人サークルのフランスパン(渡辺製作所)が「RagnarokBattleOffline」としてアクションゲーム化した。 ゲーム化したのが2004年末、そこから2006年まで追加ディスクを出していたのだが、ゲームに出てくるネタがこれまでの総決算的な内容になっている。 出てきたネタとして 「あるアサシンの物語」「にゃんこ先生」「さやさや16歳」「歌唄いメセナ」「チェき14歳」「GM001.Sei」「GM012.Sheryl」 「TENPAI」「癌呆」「がんばってます!」「内部告発騒動」「逆毛」「キムチパーティー」「やあボクBOT! でもご主人様はバレてないと思ってるから気付かない振りしてあげてね♪」 等が挙げられる。


 2002年8月20日、『みすとれ巣』開設。シミュレーター、いわゆる計算機を公開しているサイトである。

 2002年8月22日、各マップごとのモンスター情報を掲載したサイト『RAGNAROK online 狩場情報』開設。 ここの解りやすいサイト構成は『RagnarokOnlineMAP』『Rhapsody of the Ragnarok Online.』と系譜が繋がっていく。


 2002年9月、ls氏は支援ソフト「立ちアコ」を公開した。立ちアコには経験値時給通知やショートカットキー自動連打機能があった。ls氏はデスクトップマスコット「偽ペルソナウェア with "偽春菜"」の製作者であり、 立ちアコもやはりデスクトップにキャラクターが立った。絵は『時乃茶屋』

 2002年9月、ありがとうフラッシュのラグナロクオンライン版が公開された。

 ありがとうフラッシュとは『2ちゃんねる』のスレッドに書かれた文を使用し、MMORPGで知り合った人への感謝、 あるいはMMORPGそのものへの感謝を表現したものである。 同年6月にファンタシースターオンラインを題材にした「そろそろファンタシースターオンラインの昔話をはじめようか」が最初であり、 音楽にKOKIAの歌「ありがとう…」を使っている事からありがとうフラッシュと呼ばれた。 その後ラグナロクオンライン版、次いでウルティマオンライン版が作られる。 最終的には天上碑・リネージュ・ファイナルファンタジーXI・アスガルド・ResonanceAgeでも作られていった。

精錬チートとAllmissチート

 色々と問題が多かったβ2テストだが、特に致命的なチートが2つあった。精錬チートとAllmissチートである。

 「精錬チート」とはWPEを使って不正にパケットを送信することで精錬アイテムを消費せずに精錬が出来る現象の事である。 何時から可能だったのかは不明だが2002年9月6日にやり方が一気に広まる。 相当に広まり、フィールドに行けば精錬チートを装備したキャラクターを普通に見かけ、 街に行けば露天で精錬チートを使った武器防具が売られているのを普通に見かけるほどであった。

 同月27日に精錬チート対策がされた。しかし、チート行為を行ったものが処罰されたという話は出ず、何よりも今までに多く出回ったチートによる武器防具の回収は無かった。

 「Allmissチート(頭複数段装備使用精錬)」とは頭複数段装備(ゴーグル、ムナック帽、オペラ仮面など)とレベル1の武器を利用して、 精錬したい装備を+10まで精錬出来る方法である。通常だと精錬が出来ないアクセサリも精錬可能だった。 こうして出来た+10精錬防具を装備することで、Defが100まで上がると敵からのダメージが全てmissになった。

 同年10月末、ガンホーはAllmissチート利用者のBANを始めたが、Allmissキャラがトレインする光景はβ2テストが終了するまで見られた。
 このAllmissチートを広めた一人がクラッカーのアリス・リデルであった。 アリス・リデルは『黒衣の騎士団』というサイトでAllmissチートの様子を書いた。

 上記2つの他に「アコビレタバグ」というのがβ2テストでは存在した。 初心者修練場の職業適性でアコライトになった場合にノンプレイヤーキャラクターからビレタを取得出来たのだが、 その後プロンテラに飛ばされるはずがバグで機能しなかった。そこで再びノンプレイヤーキャラクターと会話すると何度でもビレタを取得する事が出来た。 これを悪用し大量のビレタを取得、その後外部のパケットチートで初心者修練場を脱出、ビレタを売却すれば大量のZenyに変える事が出来た。 これは後にパッチで封じられたのだが、悪用したテスターが処罰を受けたという話は出てこなかった。

 精錬チートとAllmissチート、アコビレタバグを使ったキャラクターが何時までも存在している様は、テスターに「ガンホーは何をやっても動かない」「不正行為しても処罰されない」「やったもの勝ち」という印象を与えた。そしてChaosショックへ・・・

アリス・リデル(Alice.P.Liddell)
 昔、UGが活発だったころのUG界重要人物の一人であり、クラッカー。掲示板アタックツールPerlDUKE作者。 掲示板荒らし集団「ゲスッ」に所属して1997年に各所掲示板を荒らしに荒らした。 1998年1月、アリスを慕っていたハッカーHighwayBLOODがISP「ポンポンネット」を恐喝。 この「ポンポンネット事件」がNHKニュースで報道された際にアリスはコメンテーターとして出演した。 同年3月、あやしいわーるどにPerlDUKEをテスト使用。あやしい住民と対立する。 あやしい住民はNHKニュースに出たときのアリスの映像でコラージュを作り、アリスを笑いものにした。 挑発されたアリスはあやしいわーるどを攻撃。この対立の結果、あやしいわーるどは閉鎖になった。 ラグナロクオンラインではAllmissチート、無敵バグを使ってトレインした。 「ネットゲーム チート RMTの教科書」を著した。

ROVNI騒動

 テキストサイト界には自己満足な日記ではなく読者が楽しめる文、価値のある文を書かなくてはならないという空気があり、 フォント弄りの形だけを模倣しその本質は模倣できず、書いた本人しか面白いと思っておらず、低質なテキストを垂れ流す『侍魂』模倣サイトは叩かれることとなった。
 『侍魂』『ろじっくぱらだいす』と並び評される大手テキストサイト『バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳』の影響により大量発生した量産型VNI。 その中の一大派閥であるROVNIの中は、自己満足なラグナロクオンラインプレイ日記しかコンテンツがないものが多くあった。 そしてそれは一部から非難されることとなった。侍魂模倣サイトと同じように。

「・・・厭味ですか・・・。ともかく私はこれまでサクラ大戦のことや管理人の考えなどを、拙い文章ながらそれなりに一生懸命伝えてきました。10HITでも継続的に見て下さっている方がいらっしゃるので嬉しかったです」

「しかし何ですか、ラグナロク日記しかやってないというのは。私より後から出てきたサイトにそういうところが多いような気がします」

「勿論全部が全部ではありませんけどね」

「そういうところが馴れ合いだけでアクセス数を一ヶ月で10000近くマークしているのを見て、正直私は愕然としました。管理人のサイトなんか、10ヶ月でようやく10000ですよ。・・・本当に、呆れました」

「そうはいきませんよ。・・・おそらく、同じような手で新規にVNIを始める方々が今後も出てくることでしょう。そしてそれは明らかに、楽しいニュースとテキストをお茶の間にお届けするVNIの掟を破り、VNI界全体の質を低下させます。・・・いや、私はもう、低下しつつあると見ています」

「・・・す、凄いこと言っちゃいましたね。明日メールボックス見たらウイルスがうようよしてるかも・・・」

「だから、もう私はVNIという世界にいるのは無意味だと思いました。勿論、素晴らしいサイト様は沢山あります。毎日色々なところから情報を集めてきてニュースを作ったり、おそらくは数時間も書けて論理的かつ面白いテキストを書き上げたり・・・そういう努力をしているサイト様には本当に拍手を送りたいと思います。しかし、上に挙げたようなサイトが蔓延することで、テキストやカウンタの意義、果てはVNIという存在自体が軽々しく扱われてしまうような気がしてならないのです。そしてそれは質の高い更新を続けるトップレベルのVNIの方々に対し、非常に失礼なことだと思います。」

バーチャルネットアイドル花火雪月花

 2002年9月、「バーチャルネットアイドル総合ウォッチPART3」スレではROVNI叩きが加速。 同月7日、スレ住民の一人がROVNIを叩くためだけのサイト『バーチャル厨房アイドル佐祐理18歳(偽者)』(偽さゆりん)を開設。ROVNIに攻撃開始。

152 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! 投稿日:02/09/04 09:09 CL1LWASc

お前ら、徹底的にRO系VNIを罵倒しまくるだけのVNI欲しいですか?


203 名前:152 投稿日:02/09/05 09:40 jfcx3Lsj

(略)

今回もそれと同じように、さやさやはただ最初にRO系を生み出しただけで、

それをマネしたアフォが悪いのではないかと。

さやさや程度のVNIサイトが1つ2つくらいあっても問題ないでしょう。

みんなが実際嫌がってるのは、劣化コピーが大量発生してることであって。

291 名前:偽さゆりん 投稿日:02/09/07 15:38 gRyAm33O

お前ら、出来ましたよーっ。

http://members.tripod.co.jp/sayuri18/

鳥ってなんだか重いですね……。あははー……。

バーチャルネットアイドル総合ウォッチPART3

 同日、葉鍵系であったが事実上ROVNIであった名雪17歳(一般人無双)は偽さゆりんに対抗するため『るぅりん☆6歳』を開設する。

303 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! 投稿日:02/09/07 20:59 ISZTRgem

http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Pastel/5466/

新着ROVNI

バーチャルネットアイドル総合ウォッチPART3

 『るぅりん☆』は「偽さゆりん」とヲチスレ住民が持つROVNIのイメージ 「ウザいキャラ」「ムカつく語尾」「有名人とのスクリーンショット」「貢ぎ物」「ノーマナー」「死にオチ」「自己中心の日記」 を全て備えたキャラを大いに演ずることで、アンチROVNI派を見事に釣り、『偽さゆりん』の攻撃対象を自分に向けさせた。 釣られた「偽さゆりん」は『るぅりん☆』を叩きつつ、他ROVNIへの批判を展開するも、 内容が批判というより罵倒に近かったことから肝心な大手VNIからの支持を得られず、 具体的な数値を使って正論で返してきたROVNI代表格『レイホウ19歳』に対しては有効な反論が出来ないどころか下手な反論をしてしまい、自滅した。
 同月11日、VNIブックマーク集である『バーチャルネットブックマーク集・ほかん庫』が閉鎖を発表。 理由は「VNI界の低質化現象が激化しているため」とのことであり、 どう考えてもROVNI騒動を意識しての閉鎖発表であった。 ROVNI騒動を起こしてしまったヲチスレ住民は『ほかん庫』の閉鎖発表にショックを受け、戦闘意欲低下。 スレでの話題はROVNI叩きからVNI論に変わっていく。 30日、『バーチャル厨房アイドル佐祐理18歳』が閉鎖となり、ROVNI騒動は終わる。 VNI界に失速の兆しが見え始めていた時、この騒動によりブックマーク集を失ったことでVNI界の縮小は決定的となった。

資料:ほかん庫・更新停止について(ミラー)(バーチャルネットブックマーク集・ほかん庫)

VNIというものに関してですけど、本来は「ちゆ12歳」さんのサイトからはじまったんですよね。そこから主に、それに似せたテキストサイトが増えていったわけです。

RO系VNIもそれにしかりです。ただ普通のVNIと違うところは、一般のニュースなどにはまったく触れず、ラグナロクオンラインのことしか扱っていないところでしょうか。

でも、これはどの系列のサイトも似たようなものではないのでしょうか? なにかしらを特化させたサイトはこのネット上にいくらでも転がっているわけです。

RO系VNIはラグナロクの日記や情報で成り立っているんです。
それがいけないことなのでしょうか?

09/08「肯定と否定」(yuyuでRo!)

『RO SV Info』の憤死

 頻繁にサーバーがダウンする事はβ2テストになっても変わらず。その為、サーバーチェックサイトは必要不可欠な存在であった。 2002年9月11日、サーバーチェックサイトで一番有名な『RO SV Info』の管理人は精錬チートに有効な対策を行わないガンホーに怒り。 サイトを閉鎖することで抗議の意志を示す。大手サイトがガンホーに実力行使をした初めての例だった。

ささやき いのり えいしょう ねんじろ!
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ !
RO SV Info は灰になりました

RO SV Info

 『RO SV Info』はサイト復活の条件として、ガンホーが精錬チートへの対策を行う事をあげた。

一時停止について:
あのチートに関して何らかの対処 (バグの穴梅あるいはNPCの一時撤去等、最低でも公式サイトでの告知) 及び、チートによる影響への対処 (チーターの垢BAN/BLOCK、チートにより生成されたアイテム/ゼニーの消去、あるいは巻き戻り等) が無い限りこのままです。
もし何事も無かったかのように運営を続けるのであれば、復活に失敗して埋葬されることでしょう。
協力して下さった方々には本当に申し分けありません。
プログラムのソースは置いておきますので、必要であれば持ってって下さい。
ちなみに、鯖負荷等は全く問題ありませんでした。また、他の理由等もありません。

カドルト条件(RO SV Info)

 しかし、事態は変わらず。『RO SV Info』は埋葬された。
 同月12日、『RO SV Info』が残したソースコードを用いて新たなサーバーチェックサイト『ROSV』が開設した。


 2002年9月23日、壱テスタ氏は砂漠の分岐(moc_fild01)で大道芸大会を行った。 大道芸大会といってもみんなで魔法をぶっ放して、その後人文字を作っただけなのだが。 その後数ヶ月に一回のペースで開催した。
 壱テスタ氏が凄いのは知名度的に無名でしかもサイトも持っていないにも関わらず、総合情報サイトの掲示板で告知をして早朝に約135人を集めた行動力と、 回を重ねるにつれ大道芸等の企画も進化させていった事にある。 ラグナロクオンラインで行われたユーザーイベントで一番実績をあげたイベンターであろう。 サイト『Ragna Festival』開設後は『にゅ缶(現:MMOBBS)』の「激しく忍者スレ」から生まれた名作AA長編「あるアサシンの物語」のFlash動画化、小説の連載を行った。
 なお、魔法をぶっ放す事しかやる事が無かった一回目の大道芸大会では、みんなで魔法をぶっ放しすぎてサーバーが異常動作。 砂漠の分岐にいた参加者は隣のマップに移動出来なくなる現象が発生し、サーバーメンテナンスが行われるというオチがついた。

  ↓結果

 2002年9月29日、同人紙即売会「RAG-FES」の2回目が行われた。 1回目はHyack氏、開発者、イ・ミョンジン氏、グラヴィティのキム・ハッキュ社長まで来たこのイベント。 2回目も孫泰蔵社長やテクニカルディレクターの堀誠一氏(GM000.Sei、GM001.Sei)が来場し壇上で挨拶。更にはYahoo!BBも来ていて、やはりモデムを配っていたとの報告がラグナロクオンラインファンサイトからあった。
 さて、ガンホーはRAG-FESを支援する為に何をしたのか。それは開催3日前にゲームタイトル画面を変更。RAG-FESの宣伝をしたのである。

 これにテスターの一部が怒った。タイトル画面で同人紙即売会の宣伝を行うのは如何なものかと。その結果、直ぐに元の画像へ戻された。

堀誠一(GM000.Sei、GM001.Sei)  β2テスト以降のゲームマスター筆頭。朝までラグナロク等のプレイヤーとの対話の場に必ず現れ、そしてとにかくよくしゃべる。 ガンホーオフラインミーティングでもやはり堀氏はしゃべりまくり、時間の多くが堀氏のトークに費やされたことから「堀オンステージ」という言葉が誕生した。 1990年、日本ソフトバンク入社。プログラマ、システムエンジニアとキャリアを積んできた人であり、「オンラインゲームはシステムである」と語る。 孫泰蔵社長から「ゲーム事業をやりたいと言っているスタッフがいるので会ってみないか」と言われ、紹介されたのが森下一喜氏であった。

 2002年9月30日、Fenrirワールドがオープンした。

公式サイト書き換え事件

 2002年10月9日23:20頃、公式サイトトップページ下部にサーバーインフォメーション情報の項目が追加される。 トップページページのHTMLソースを見ると謎のURLの記載があり、それはラグナロクオンラインファンサイト『RO:COM』のアドレスであった。 ただし「.././././././././」というネストの意味がわからなかった。 やがてサーバーインフォメーション情報を書き換えるスクリプトであることが確認され、スクリプトを使用した書き換えが行われ始める。


 同月10日0時40分頃、サーバーインフォメーションが削除される。同日3時40分頃、『RO:COM』が消滅した。 この事から『RO:COM』の管理人はラグナロクオンラインのスタッフなのではと考えられた。 通常であれば公式サイトが書き換えられるという大事件なのだからガンホーは何かしらのコメントを出すものと考えられるが出さなかった為、疑惑はさらに深まった。

 2002年10月15日、立ちアコを製作したls氏のサイト『うさだ』はラグナロクオンラインの出来事を年表化した。 この年表はゲームの内容やアップデートに関する年表”では無く”、 ラグナロクオンラインで起きた問題とガンホーの対応、テスターの反応を記したものであった。 また、ガンホーとテスターの問題点を強く風刺した文書でもあった。この文の影響を受けたのが後に開設する 『the evening primrose』の「Ragnarok Online の現実。」と『ラグナロクオンラフフフフフフフフ』の「RagnarokOnline(JP)の歴史」であった。

20020928

客が、飽きた、もうやることがない、辞める、と喚いたとしても、ゲームを辞めないなら別にそれでいい。サーバの正常稼動率が低く、プレイするしない以前に「できない」時間が長く、虚しいパスワード入力作業で時間を無駄にし、それで客が怒ったとしても、ゲームを辞めないなら別にそれでいい。設計レベルでのミスからスキルロストのような重篤な応用的バグが発生して、大量の時間を投入して生成したデータが壊れ、それで客が怒ったとしても、ゲームを辞めないなら別にそれでいい。ゲームデザインが調整され、ある日突然今まで強かったスキルがゴミスキルになり、無駄になったポイントを恨めしく思い、後戻りの効かない成長デザインに客が怒ったとしても、ゲームを辞めないなら別にそれでいい。大雑把な追加効果と数値の肥大化によりシステムが結晶化し、元々のデザインの単純さがさらに強く露呈し、細かなパラメータの違いに意味がなくなり、客が脱力感に襲われたとしても、ゲームを辞めないならそれでいい。タイトル画面がパワーバランスを明示する、ある意味「不快な」ものになり、それで客が騒いだとしても、ゲームを辞めないなら別にそれでいい。

ゲームを辞めないならそれでいいのだ。辞めない客が何を言おうと、それは無視してよい。例えサーバが長時間落ちてプレイ不能になっても、やらせろ、やらせろ、と禁断症状を起こすだけなら、平和だ。完璧だ。安定した中毒患者を抱えた売人は強い。価値はいくらでも吊り上げられる。客はもう薬を止められない。

20021102

「何をしようと、あるいは何もしなかろうと、絶対に人は動かないのだから、サーバがどれほど腐っていようが、ウソの計画を発表しようが、ウソの言い訳をしようが、クソ GM に勘違いしたプロモを作らせようが、渋谷をジャックしようが、金を取ろうが、ポリンのぬいぐるみを作ろうが、全てが完璧に正しい。サイト閉鎖をチラつかせようと、署名活動しようと、2ch が騒ごうと、あるいは誰が騒ごうと、我々には微塵のダメージもない。騒いでいるのが下級ユーザであるなら尚更だ。連中は『様子を見る』と自分を騙したままそれ以上一歩も動けんよ。そして」

「神さえ中毒症状から脱せないことが分かった今、我らに恐れるものはない」

20021219

俗に「神」と呼ばれる上級ユーザは、自サイトで怒りを表明したり、離反をチラつかせることが、最強の攻撃カードとなる。一方俗に「客」と呼ばれる通常の下級ユーザには、そういった便利なカードはない。しかし全員が「客を止める」という最も基本的で最も強いカードを持っている。そして今までの動きを見て分かる通り、他のカード、場末の掲示板で文句を言う、明るい面だけを見て自分を騙して待つ、怒ったフリをするが特に何もしない、といったようなカードには、全く何の効果もない。

「客」が切れるカードは元々一枚しかない。それは客自身が一番よく分かっているはず。

20030209

例えば usada3.php のような文書を読むと私が RO をやっている人間を蔑視しバカにしているという印象を受けるかもしれないが、実際に客を蔑視しバカにしているのは私ではなく RO 管理側であって、usada3.php のような文書は単にそういった現実を分かりやすく文書化したものに過ぎない。私が客を病気だと言うから客が突然病気になるのではない、客は元々病気だ。

現実に干渉して人を誘導し未来を曲げられるのは「神」だけで、私のような者が物を言おうが言うまいが別に現実は変わらない。

RO の客は RO 管理側が度々使用する「実があるとは思われない情報の提供」、つまり「虚言」に対していちいち強い希望的観測を行う。

RO の客はすぐに問題の存在を忘れる。

RO の客は明るい面だけを見て厳しい現実と対峙しないよう努力する。

RO の客は怒っているように見えても実際は怒っていない。

RO の客は舐めた扱いをしても離れることはない。

うさだ3(うさだ

20030317

RO をプレイすることで初めてアイデンティティを得た人間は、RO から離れることが自身のアイデンティティ喪失に直結している。だからそう簡単に RO から離れることはできない。

これはもっと分かりやすい言葉で言えば「恐怖」だ。RO から離れたら何も残らない、という「恐怖」が、彼らを RO に固執させている。

20030415

MMORPG の最も画期的だった点は、それが自己満足システムではなく、自己への価値付与システム、いわば自己顕示システムだった、という点にある。

オフラインのゲームは、スコアアタックのような要素を持っている場合を除けば、基本的に全ての結果が自己満足に過ぎない。キャラクタがどれほど強くなろうと、あるいはレアアイテムを手に入れようと、それは他人にとっては全くどうでもいい話であって、それを自己顕示の手段とするのは、不可能ではないが、非常に難しかった。

しかし MMORPG は違う。MMORPG における強いキャラクタやレアアイテムの所持は、例えそれが膨大な時間の投入によって得られたサーバ上の変数値に過ぎなかったとしても、「社会的成功」であり、他人を出し抜いた結果であり、他人の羨望や嫉妬を集める手段、つまり自己顕示手段そのものとなる。これは意識するか無意識であるかに関わらず自動的にそうなる。ここに「人間に快楽を与えるシステム」としての、MMORPG とその他のゲームの決定的な差が存在する。つまり、通常のゲームでは何をやってもせいぜい自己満足パターンでしか麻薬が得られないが、MMORPG ではそれに加え、自己顕示パターンで強烈な麻薬が得られる、ということだ。この差は計り知れない。

自己顕示はそもそも、MMORPG においてだけではなく、人間の人生にとって非常に重要なキーワードだ。全ての人間は、寝たい、食べたい、と考えるのと同じように、常に自己顕示したいと考えている。しかし、多くの人間にはそれを為すだけの力や資産がなく、一部の才能のある人間を除き、ほとんど誰もこの欲求を達成することができなかった。MMORPG はそこに救世主の如く現れ、何の才能もない人間でも、時間さえ消費すれば自己顕示が可能なシステムを与えた。結果、MMORPG はそういった層の人間を心を強く掴み、支配し、依存させ、「麻薬漬け」にした。

つまりそういうことではないか?

うさだ4(うさだ

Chaosショック

 「Chaosショック」とはβ2テスト時代最大の事件である。2002年10月16日1時50分頃、Chaosワールドでサーバーが異常動作。 アイテムを使用してもアイテム数が使用前に戻り、ステータスポイントを振ってもステータスは振られたままポイントだけが元に戻る事象が発生した。 これを悪用したレアアイテム複製が一部テスターによって行なわれ、ステータスALL99のキャラクター、全てのスキルを取得したキャラクターが出現した。 明らかな異常動作であった為「どうせ巻き戻るだろう」という考えからこのような行動に走ったテスターもいたといわれている。 同日2時50分頃、元に戻る現象が終わる。 同日3時3分頃、ワールドアナウンス無くサーバークローズ。 同日3時35分頃、サーバーオープン。すると増殖されたアイテム等が全てそのままの状態になっていた。 増殖されたアイテムが多く出回り、市場は大崩壊。 そのあまりの惨状に巻き戻しがかかるものと誰しもが思った。しかし、ガンホーは巻き戻し無しと告知。今回もやったもの勝ちになってしまう。 さらに「増殖したアイテムはノンプレイヤーキャラクターに売却してください」という告知を出し、この出来事への対応をテスターに丸投げした。
 これ以降、Chaosワールドに見切りをつけたテスターのFenrirワールドと後に新設されるSara、Lydia、Baldurワールドへの移住が進む。
 同月17日、マジシャンのスキルシミュレーターを置いていた『Nius's Room』が憤死した。

10月17日 12時過ぎ、一人のWizardが死んだ。


生まれた場所はプロンテラの墓場。
右も左も分からないまま、取り敢えず、南側のゲートを出てポリンを狩った。
「Let's」さんや、「info」さんを見て魔法使いになりたいと思った。
1次職の皆さんや同じノーヴィスが座って居るのを見て
いろんなキーを押したけど座れなかった。
近くで話をしていた剣士さん2人組にドキドキしながら
座り方を聞いた。
剣士さんが「挿入」って一言教えてくれた。
初めは意味が分からなかったけど、隣に居た剣士さんが
「JOB Lv3まであげてInsertキーだよ」って言ってくれて
「あ~なるほど」って関心した。

今度、自分が聞かれたらそう答えようと思って海を見ながら座った。

まだ、JOBは10まで上がって無いけど、ゲフェンに行って見ようと思って、ゲフェンに行った。
ゲフェンの中央に塔が立ってて、此処どんな所だろって思って入って行った。
みんなが下に行ってるので付いていった。
先はダンジョンで、此処にはどんな敵がいるのかドキドキしながら奥へ進んだ。

赤いチョンチョンがいた。

前に居た1次職の人が次々に殺されててあわてて逃げたけど殺された。
後で調べたら、最強クラスの敵「ハンターフライ」って事を知った。
何時か、自分もアレを殺せる様になりたいって思った。

JOBが10になって、ゲフェンに戻って来た。

魔法使いのギルドが何処に有るか分からず、1時間位ゲフェンの町を彷徨って
やっと魔法使いになった。
転職直後は魔法も使えないから、必死でJOBを貯めるためにポリンを殺した。
JOBが上がって魔法が使える様になった。炎/氷/雷/闇/魔法のどの魔法にしようか迷ってて
周りに先輩マジさんの魔法を眺めてた。

雷がかっこよかった。自分も雷をとった。

必死にLv30位まで上げた。レアに全然恵まれず、収集品を必死に集めてた。
やっと、お金貯まってアークワンドがINTが+3されるって聞いたから、フェイヨンの森から
ゲフェンの町まで買いにいった。
アークワンドは13000zだった。でも、お金は10000z位しかもって無かった。
諦めようと思ったら、女性の商人さんがチャットウィンドに「代理購入24%OFF」って書いてあった。
電卓を探して、計算したら9880z。
初めて、チャットに入って代理購入でアークワンドを購入した。
取引要請も初めてで、凄く緊張したけどうまくいった。
女性の商人さんがALT+3出してくれたけど、どのキーを押したら出るか分からなかったから
何もせずにお店をでてしまった。

今でも、その女性の名前を忘れいない。そして、彼女とはもう一度、会える事になる。ずっと先だけど。
少し、お金に余裕が出来てきて、頭装備が欲しくなって何となくみんなが装備してるのをみてて、
女弓手の人が被ってるゴーグルがかっこよくってゴーグルを買いにモロクまで。
ゴーグルを買って装備してみたら、何か違う。後で調べたら、女性を男性では
見た目が変わるって事を知った。

でも、男性用のゴーグルもまんざらでもない。何か、少し強くなった気がした。

Lvも上がってミンクのコートが欲しくって狸山に通うようになった。
タゲが被って謝ってばっかりだったけど。
初めて、カードがでた。スモーキーカード。取ろうと思って必死でクリックしたけど
他のアイテムばっかり。そうこうしてるうちに男の弓手にルートされた。

必死で追いかけたけど追いつけなかった。凄くくやしかった。

でも、また頑張ればカード取れると思って頑張った。でも、結局、カードは出なかった。

とある、スモーキーを殺したら、森の木の下で死んだ。いつものようにクリックしてたら
「狸のはちまき」ってでた。えって思って装備品みたら、ネコ耳取ってた。
初めて取ったレア。嬉しかった。試しに装備したけど、やっぱり、ゴーグルの方が良かった。
でも、売る気にはらなかった。初めてのレアだったから。

ある時、スモーキーが殺しきれず、殴られて瀕死に。その時、近くに居たシーフさんが助けてくれた。
その後、話が盛り上がって共闘した。凄く楽しかった。
でも、NBの誤爆で死んでしまった。街に帰るとき、そのシーフさんが「オーク戦士の証」をくれた。
初めて見るアイテムで、かっこよかった。そのアイテムはどんな時も持ち歩いた。後で、いっぱい
とったけど、絶対その一つは手放さなかった。

大切なレアアイテム。

頑張ってやっとミンクのコートも手に入れた。3個目のレア。
少しして、サンタポリンがでた。サンタ帽が欲くってサンタポリン2000匹以上殺したけど
出なかった。露天で300Kで売ってたけど、そんなお金も無かった。

SSがLv9まで上がって、少し強くなった。試しにダンジョンに行って見ようと思った。
フェイヨンダンジョン2Fにムナックって敵が有名だった。見てみたい。
初めて、フェイヨンダンジョンにいってとことこ歩いてたら、ソルスケが出た。
SSで応戦したけど、あっさり殺された。それでも、何度かトライしてやっと2Fに到着。
2F入り口で体力とSP回復して奥にすすんだ。ムナックを見つけて、逃げながらSS連打して
初めて倒した。凄く楽しくって黄色ポットをいっぱい持って何度も、挑戦した。
ラグが酷くってダンジョン入ってすぐラグで入り口で殺された事も有ったけど
凄く楽しかった。

リアルの友達がラグナを初めた。ずっと友達に面白いよっていってたから。
アルベルタで待ち合わせして、二人でプロンテラまで行こうって街を後にした。
友達のグラフィックカードの設定が悪くって、何度もリログの繰り返し。
その日は、諦めたけど設定を変更したら直ったって事で、友達をプロンテラまで。
2人だけパーティだったけど、凄く楽しい。

少し時間が経って、友達がシーフに転職したいって言ったのでモロクまで歩いて。
黄色ポットでお金使って全然無かったからフェイヨンからモロクまで歩いた。
友達を連れてモロクダンジョン。初めてだったから、遠回りとかしたけど
やっと、シーフギルドへ。転職できた祝いにTS。まだ、Lv差が有りすぎて共闘は出来なかったけど。
送ったついでに2Fまで降りてみた。イシスにあっさり殺された。

もっと強くなりたい。って思った。

フェイヨンダンジョンに潜り初めて1ヶ月くらい経ってやっと、イヤリング。
友達の為にも、忍者スーツも欲しいから頑張った。でも、友達は安くなった時買っちゃった見たい。
ちょっと、悔しいかな。
アクセサリが2個装備出来るようになった。イヤリングは辛うじて2個持ってたから
装備した。INTが+4とJOBボーナスが付くようになって世界が一変した。
強くなった。でも、ピラミッドダンジョンは未だ無理。

友達のシーフはイズルートダンジョンで稼いでるって聞いたから試しに遊びに行った。
3Fまで行って橋でマルクに遭遇。SS撃とうにも攻撃が早すぎて全然でなかった。あっさり死んだ。
それからLvがいっぱい上がってフェイヨンダンジョン3Fから1Fまで自力で脱出出来るようになった。

次はピラミッドダンジョン4Fが良いって聞いたから行ってみた。先輩の戦い方を見て端の方で
一匹づつ誘い出して殺す。あ、そうなんだ。そう言う狩り方も有るんだって。
マミー1匹でも、全弾被弾。一匹殺すにも大変。
そんな中、マミーの攻撃をかわしながら、ボルトでマミーを殺す先輩マジさん。
どの位のAGIでそうなれるの?って聞いた。大体、60位との事。

凄く憧れた。かっこよかった。

上級ダンジョンでボルトで狩るなんて思ってなかったから。
前からAGIが詠唱速度に関係あるって聞いてたから、AGIに少し振ってた。
このまま、AGIにふり始めた。Lvが上がる毎に試した。少しづつ避けられる様になった。

韓国のサーバパッチでモンスターに属性が付く様になるって聞いた。
属性効果でナイトメアはマジには殺せなくなるって聞いた。
一度も出会った事のない、ナイトメア。属性が追加される前に一度戦って見たいって思った。
ゲフェンへ。
もう、1Fにハンターフライは居ないから2Fまで進めた。
2Fに行って右に進むとナイトメアと出会った。白ポットいっぱい使ってSS撃って相打ちした。
悔しかったから、もう一度。今度は左に行ってナイトメアと合った。白ポットを89%まで持って
SSを撃った。ナイトメアを殺した。でも、ドロップアイテムなし。
まだ、SPがあったからもう一度。馬の蹄をドロップした。うれしくって、友達のシーフに見せた。

おめでとうって言ってくれた。

属性が追加されて、マミーに念魔法が125%になっていっそう楽になった。
でも、ボルトで狩りたいから、頑張った。
Lvも上がって少しセンターに出られるようになった。
センタに出られる様になると、マミー3匹に囲まれても、余裕で雷ボルトで狩るマジさんを見た。
自分は一匹でも偶に食らうのに。凄いって思った。ずっと、見ていた。

「何時か、自分も」って思った。

何か、せわしない時間が有る事に気づいた。オシリスタイム。
属性で175%。運良く出会えたら勝てるかな。
その時が来た。初めは、見知らぬシーフさんにタゲ。攻撃が当たってなくって応援頼まれた。
何も考えずにSSを連打した。シーフさんが耐えきれずに死んじゃって、タゲがこっちに来た。
SSしか撃てなかったけど、初めて「MVP」取った。経験値だったけど、凄くうれしかった。

シーフさんも「おめでとう」って言ってくれた。
これが最初で最後のMVPだった。あの時の感動は今も、忘れられない。

Lv上げも辛くなってきて遊びで迷いの森へ。
ハンターフライ。忘れない。何時かって思ったあの時から。
属性で雷は当たらないから、SSしかないかなって思ってた。
3Fまで行って、ハンターフライと遭遇。スキルミスでFD。「ぁ」って思ったけど、
ハンターフライが凍った。でも、追い打ちSS撃ってたからあっさり解凍。
でも、負けじとFD。ハンターフライは思った以上に簡単に凍り付いた。
LBで、ハンターフライを殺した。ドロップアイテムは持ってる物ばっかりだけど。

ついに、この日が来たって思った。強くなったって。
何時か頑張れば手が出ないって思う敵も殺せるって。

その後、ずっと、迷いの森で経験値稼いだ。
ある日、いつものように定点で狩って居たらサイドワインダ4匹に囲まれた。
もう、SSもでない。周りに人が居るから出来るだけ時間稼いで死のうって思って白ポット連打してた。
そしたら、画面移動してきた女の商人さんが駆けつけてきてくれてメマー撃って2匹殺してくれた。
2匹なら何とかなるからSSで殺した。ありがとうって言った。商人さんは大丈夫ですか?って。
何とか持ちこたえた事を伝えて、名前を確認した。

あのアークワンドを代理購入してくれた商人さんだった。

凄くうれしくってずっと話してた。
でも、お金が無かった時に代理購入して貰った事は言えなかった。それ以上に他の話が楽しかったから。
Lv聞いたら78。「ブラックスミスになるんですか?」って聞いたら、流石にあの格好はって言ってた。
アルケミストまで待ちますって。β2になって同じ髪型の商人さんを見つけけると
名前確認してるけど、もう、一度も会えなかった。

Lvも80を越えてから、ナイトメアもボルトで殺せる様になった。
レアアイテムもいっぱい貰った。頭装備も。

いよいよβ2が日本に来ることに。
アイテム整理を始めた。思い出の品の「オーク戦士の証」も初めて取った「馬の蹄」もデータの藻くずに。
でも、こうして思い出は残るから消える時までずっと持っていた。

装備品しか残らないから、頭装備何を持ち越すか考えた。

やっぱり、ゴーグル。

β2になったら、装備出来ないのは事前に知ってたけど。
初めて買ったから。ずっと一緒だったから。Lv上げに挫折しそうなと時も、楽しい人との
会話の時でも。
ゴーグルを装備してβ2へ。憧れだったにWizardへすぐに転職出来るようゲフェンでセーブ。


β2が来た。ゴーグルは装備出来ないけど。大切に倉庫へ。Wizardへ。
β2になって、新しいマップが追加されて綺麗でおもしろくっていろんな所へ。
Lv上げも全然せずにただ、マップを角から角まで歩き回った。これからさらに楽しくなるって。
友達のシーフもアサシンへ転職して、二人であり地獄とか砂漠マップで遊んだ。

頭装備が寂しいから、「らぐなの何か」さんで色々試して、睨む目が欲しいって思った。
それから、「睨む目」目当てにサベージをかりまくった。
SPバグで少ないSPだったけど、何時か必ず修正されると思って黙々と狩ってた。
1週間経って、やっと、「睨む目」を手に入れた。途中で挫折しそうになったけど頑張った。
その先のマップのゴブリンが丁度良いかなって思って、少し狩ってたら「ゴブリン族の仮面」も
運良く手に入れた。

それから、いろんなダンジョンにいったりした。SDでマーターに瞬殺されたり、FDでもホロンに
囲まれて死んだり、イシスに殺されたり。でも、β1の時みたいに何時か、必ず殺せる日が来るって
信じてLvあげてた。

QMを憶えてから、プティットの居るマップで黙々とLv上げてた。
WisもPT会話も上手く届かない日々で友達のアサシンともあんまり連絡が取れない。
でも、週末には偶に合って2人で遊んだ。

課金されてもずっとやっていくつもりだった。

でも、周りがおかしくなって行く。
ビレタバグ利用してzeny稼ぎとか精錬チートとかアイテムDUPEとか。
でも、自分は自分って思って頑張ってた。

ふとある時、プロンテラに行ったら、ものすごいことになってた。
アイテムが滅茶苦茶な値段の値上がり。前までは200Kとかで買えていたアイテムが1M
レアって思う物は全てM単位。
チートのお金の影響で相場が崩れてるって聞いていたけど。
こんなに凄いとは思わなかった。
自分の持ち金300Kでは何も買えない。
しかも、堂々と精錬チートのアイテムを売ってる商人も居る。
みんななにも言わずに黙々と高価な物を売ってる世界。


嫌気がさした。

でも、自分は自分だからって。頑張った。
何時か、あぁ言う連中は全て消えるって信じてた。


でも、その日が来た。
前日いつものようにプティットを狩って、後6%でLvが上がる所まで持って来ておやすみ。
その日もいつものように、「ラグナのアレ」さんを見て、愕然とした。
大量のアイテム増殖。
ぁああ。これは巻き戻るなって思って、2chや他のHPを見て過ごしてた。


その時が来た。
巻き戻らない。そのまま。

もう、ダメだと思った。今まで、まじめに頑張って来たのに。
ステータスを99まで上げた人、スキルを全て取った人。
この先、何を上げて、どう育てて行くかを考える楽しみを放棄した悲しい人達の世界。
いくら、アイテムを消去しても、DUPE品で取引された汚いお金はDUPEした人に残る世界。
汚いお金。堂々と精錬チートアイテムを売る、DUPE品と分かっていてアイテムを取引する人達の世界。

もう、昔とは違う人種ばかり。確かにβ1の時も同じ様な事は有ったよ。
でも、その時はみんなで、取り囲んで出ていけって言ってた。

みんな、人が変わったんだって実感した。
もう、後、6%の経験値を上げる気力も無くなった。
Lvを上げて強い敵に挑む気力も失った。

もう、終わりにしようと思った。
どうでも良くなった。

プティット平原の隣のマップに居た。
蝶の羽で街に戻った。

人が居た。でも、NPCと変わらない人達って思った。ダメになってた。
引退を宣言して。
大切な思い出を全て捨てた。
大切にしまって有ったゴーグルも一生懸命集めたアイテムも。全部。

最後に街の中でLoVを撃った。一度、やってみたかったから。
みんな、手を振ってくれた。

みんなは、頑張って欲しいと思った。

メールアドレスのナイフを胸に突きつけ僕は死んだ。

最後に、お疲れさまって言ってくれた人が居た。
ありがとう。

さようなら(Nius's Room)

第一次署名運動

 2002年10月17日、Chaosショックで巻き戻しが行われない事に危機感を持った『サクライのアレ』は署名運動を開始。 要望は以下であった。
------------------------------------------------------------------------------------
 ”予期しないバグの発生で多数のテスターが被害を被った場合は被害発生前までの状態への巻き戻し”
 ”巻き戻しや不正対策を行うための最低1日間隔の長期間にわたるバックアップデータの保存 ”
 ”被害が局所的に発生した場合(チートなどが行われた場合)の早急なキャラクター・アイテムデータの個別修正 ”
 ”改善の予測が立たない場合の長期間メンテナンスの実行(キャラクターチェンジバグなどが修正できない場合は運用を一時停止) ”
 ”様々な対処への理由説明(巻き戻りをしない場合の理由など) ”
------------------------------------------------------------------------------------

■署名運動を始めるにあたって

ラグナロクは韓国のグラビティー社によって開発されているゲームで,日本ではガンホー社が代理店をしています.若干の不都合はあるものの,かわいいキャラクターなどで多くの支持を得てプレイされてきました.

以前から運営に不満が持たれてきたのは確かですが,ガンホー社に運営が移ってからは悪化する一方の状況で,課金された後のサポートがどのようになるのかとても不安です.今後の状況を改善して欲しいと思いこの運動を始めました.

■署名の目的

この署名運動では,第一の目的としてラグナロクの運営の健全化にあります.本来ネットゲームではあってはならないチートなどの不正行為,意図しないキャラクター交換,重大な問題が発生したにもかかわらず巻き戻さないなどの状況となっているのを,長期間にわたって放置せずに,即時性のある対応をガンホー社に対して求めることです.

具体的にどのような対応を取ってもらえればプレーヤーは円滑にプレイできるかという点(提案事項)ですが,


  • 予期しないバグの発生で多数のプレーヤーが被害を被った場合は被害発生前までの状態への巻き戻し
  • 巻き戻しや不正対策を行うための最低1日間隔の長期間にわたるバックアップデータの保存
  • 被害が局所的に発生した場合(チートなどが行われた場合)の早急なキャラクター・アイテムデータの個別修正
  • 改善の予測が立たない場合の長期間メンテナンスの実行(キャラクターチェンジバグなどが修正できない場合は運用を一時停止してください)
  • 様々な対処への理由説明(巻き戻りをしない場合の理由など)

が必要であると考えます.現在はβ期間中ということもあるので,サーバーメンテナンスの告知は必ず1時間前にあらかじめして欲しいというような要求ではありません.ここにあげたものは課金後に正常なゲーム運用として最低限必須と思われますし,多くの他のMMO RPGで実際に実行されています.β期間中でもこれらの条件を達成できるよう出来る限りの対応をしていただければ課金後にも私は安心してゲームをプレイできると思います.

※私の準備不足のため,提案事項が後から追加されました.この事項が追加されたために賛成できないという方はメールでご連絡いただければ削除しますので,キャラクター名と記入したメールアドレスをお送りください.→ webmaster@ragnarokonline.mine.nu

■署名の方法

署名の方法は下の署名フォームより,主に使用しているキャラクター名,そのキャラクターの所在サーバー・レベル・職業等,メールアドレスを記入して「署名する」のボタンを押してください.キャラクター名とメールアドレスは必須となっていますので,必ず記入をお願いします.メールアドレスはアカウントを取得するときに使ったものである必要はありません.署名は一人一回で,複数キャラクターの署名はご遠慮ください.

一般に行われている署名は本名・住所を記入しますが,今回はまだ課金が始まっていないということを考慮して実効性はかなり薄れてしまうことを承知でゲーム内の情報を記帳としました.これではぬるいとのご意見もあるかと思いますが,どうかご了承ください.

この署名運動でガンホー社が正常なラグナロク運営を行ってくれるかどうか,正直なところ分かりません.ですが,何もせずにこのままじっとしていたのではせっかく良いゲームに出会えたのにこのまま台無しになってしまうのではないかと思います.

どうか署名運動へのご協力をお願いします.

署名者数が10000人を越えた時点もしくは10/22 0:00の時点(皆様からのご意見であまり時間をあけすぎるのは良くないと考えたためです)でこの文章をガンホー社へメールします.
送信しました(メール本文).後は想いが届くことを祈るだけです・・・.

署名者一覧(メールアドレスは表示されません) ※重複データは削除してあります
10/17 : 1812名
10/18 : 2738名
10/19 : 1393名
10/20 : 970名
10/21 : 1368名
計:8281名

終了しました

サクライのアレ

 署名は10月21日には8281名に達し、22日、嘆願書及び署名をメールで送信した。これに対しガンホーは11月6日にプレスカンファレンスで
------------------------------------------------------------------------------------
 「2度とこういうことがないように万全を尽くす」(森下氏)
 「署名までしてもらったことに対しては,とても感謝している。今後も温かい目でラグナロクオンラインを見守って欲しい」(森下氏)
 「サーバのリセットなどを含めた対策を検討している」(堀氏)
------------------------------------------------------------------------------------
と無難で無意味な回答でかわす(*3A)。結局巻き戻しは行われなかった。
 なお、インプレスの『GAME Watch』ではβテスト中の「天上碑」で5日間の巻き戻しがあった事について、 「理由が何にしても、5日もの巻き戻しを必要とするメンテナンスは、クローズドβレベルでクリアしておくべき問題。数万人(同社の発表に寄れば5万人以上)が影響を受けるオープンβレベルで、事前通告なしでのサーバーメンテナンスおよび巻き戻しを実施した同社の責任は重い」 と書きながら、ラグナロクオンラインのChaosショックについては「現在同社が行なっているのはβテストサービスであり、β期間中のトラブルに関して同社が一切責任を負わないということはテスト規約にも書かれている(第7条 免責事項)。ところが、同社のあいまいな対応とゲームサーバーからの永久追放を意味するアカバンの唐突な告知により、ユーザーの防衛本能が働いて騒動がむやみに大きくなってなってしまったようだ」 とダブルスタンダードな記載を行った。 そもそも「アカバンの唐突な告知により、ユーザーの防衛本能が働いて騒動がむやみに大きくなった」は事実とは異なる。 騒いでいるテスターはアカバンを積極的にしろといっている。この記事は茶番と評された。 また、正式サービスを間近に控え、βテストデータを本番環境に引き継ぐラグナロクオンラインはβテストといいながら実態としてはテスト工程ではなく、 バグやチート行為は正式サービスに影響を引きずる事になる。だからこそテスターは大きな問題意識を持っていたのである。(*3B)
 何れにしろ、『RO SV Info』『サクライのアレ』と抗議の意思を示すも虚しいかな、何の効果も無かった。

*3A: 次を参照⇒「ラグナロクオンライン有料化後の拡充サービス発表」(ITmedia)、 「『ラグナロクオンライン』プレスカンファレンス開催」(ゲームサイトeg)
*3B:ラグナロクオンラインのβテストが実態としてはテスト工程ではない事はシステムエンジニア上がりで「オンラインゲームはシステムである」と語るGM000.Seiが一番よく解っていたはずである。

サーバー増強とキムチパーティ

 2002年11月4日から6日にかけてサーバー増強作業によるサービス一時停止が告知された。 しかし同月8日まで作業期間が延期。8日4時にサーバーがオープンするも名前を重複して取得できるバグが発生し、 『さやさや16歳』管理人のキャラクター名である「sayasaya」が沢山作られた。

 本日未明のサーバオープン後に重複キャラクター名取得可能バグが起こったそうです。
 「どうせ巻き戻るだろうから」とそのバグを利用して同一の名前を多人数で取って遊んでいた人たちが居たそうです。
 BBSやメールでの話(SS付き)によると、Lokiの大聖堂で「sayasaya」という名前のキャラクターを複数人で作ってお祭り騒ぎをしていたような人たちもいたそうです。

 ……信じられません。何が信じられないって、この間の「ChaosサーバのDUPE騒動」をもう忘れたんでしょうか。あの事件も「どうせ巻き戻るだろうから」という考えの人達によって問題が大きくなり、結果多くのサイトが閉鎖したり更新停止してしまいました。
 あの事件からまだ1ヶ月も経っていないのに。何も学ばなかったんでしょうか…。他のサーバだから他人事ですか?
 私の名前云々以前にバグを利用して悪乗りしているという自分の姿を一度考えて欲しいです。

愉快ではないバーチャルネットプリーストさやさや16歳

 12時45分にサーバークローズ。以下の日付まで巻き戻しを行った。
  Chaos : 2002.11.01 18:00
  Loki : 2002.11.02 12:00
  Iris : 2002.11.04 10:00
 同日、6日に出した作業期間延期の告知がハッキングにより極めて短時間だが書き換えられた。

 この文にある「キムチパーティ」「少しくらい待て、このRO中毒が!」はラグナロクオンラインの流行語になった。 同月9日4:00に作業を終え、サーバーをオープンした。
 このサーバー増強によって、ログイン(Account)サーバーとキャラクターセレクト(Inter)サーバーはある程度改善した。 マップ(Zone)サーバーは5千人→7千人に収容能力を上げたが、 最大接続人数が1万を超える(Irisは1万4千!)状態では大きな効果は無かった。 まずまずの効果があり、テスターも改善を実感した。当時の「何をやってもダメ」なガンホーが仕事を成功したと評価出来る数少ない例。

補足:ちなみに2005年だったと記憶しているが、『ラグナロクオンラフフフフフフフフ』の掲示板でキムチパーティについて「実際にやっていたのはカレーパーティですよ」という垂れ込みがあった。 まあ、キムチでもカレーでもどうでもいい事だ。

 2002年11月12日、Sara,Lydia,Baldurの3ワールドが追加された。当初はOdin,Thorも追加し1ワールド当りの最大同時接続数を5000にする予定だったが、この2つのワールドの追加は無し。 正式サービス後に追加すると告知を出す。 結局この2つのワールドの追加は2003年6月のマイグレーションプランまで待たなければならなかった。 新ワールドを追加してもキャラクターを一から育て直しになる事から移住は進まず。 ChaosショックのあったChaosワールドからは少々の移住があったものの、旧3鯖は相変わらず限界を超えた人数を抱えていた。

ゲームマスターによる情報漏洩

 2002年11月16日、ガンホーはGM007.Shionが、将来実装される予定の情報をギルド「REUNION」のメンバーとゲーム内の知人に漏らしていたと告知。 GM007.Shionは業務解任、アカウント剥奪処分。同月5日に退職した。

先、11月15日、運営チーム内偵調査及び一部のテスター様からの情報により、
「GM007.Shion」による情報漏洩行為が確認されたため処分を下させていただきました。

当GMは、プライベートアカウントにより所属しておりましたLokiワールドにおける
ギルド「REUNION」のメンバー並びにゲーム内の知人に対し、将来実装される予定の
ゲーム情報についての漏洩を行っておりました。
(他の情報の漏洩に関しては現在調査を進めている段階です。)

この件 につきまして運営チームでは重く受け止め、当GMに業務解任の処置を行い、
また本人の意思により、11月15日付けで当社を退職致しました。
当人が使用しておりましたLokiワールドのキャラクター 「Shion」 のアカウントについても
剥奪処分とさせていただきました。

告知069(2002/11/16 12:00)

 GM007.Shionが情報を提供したギルド「REUNION」のメンバーが運営しているサイトとして『=CA=』『廃部通信』があった。 『=CA=』の管理人はとてもレアなアイテムで「存在すること自体が異常」とまでいわれた「サングラスオブジェムストーン」を持っていた事から、 管理人はGM007.Shionからアイテムや情報をもらっていたのではという疑惑が浮上。 「REUNION」のメンバーは迷惑行為を行う事で有名だったこともあって『=CA=』は攻撃を受け、閉鎖になった。 閉鎖した際、トップページにはかつて『Let's RAGNAROK !』が閉鎖した時と同じデザインを用いた。 これを見たテスターは「サイトを潰された被害者であるとアピールした」と受け取った。『廃部通信』も閉鎖になった。

ごめんなさいっ!

 正式サービス開始によるキャラクターデータの移行について2002年11月6日に告知されるはずであったが遅れて同月12日に発表。
 ・キャラクターのレベルは引き継ぐがアイテムとZenyは全て没収
 ・β2移行時に行われたステータス・スキルの再配分は行わない
とした。Chaosショックの事を考えればアイテム没収は当然であろう。 この告知、6日に一報、β2テスト終了直前の19日に正式な告知を出した。 社内では最後まで議論になったとの事。 この告知文には「バランス的に、全てのテスターの皆さんに御満足の頂ける移行対応とはならなかったと思います(ごめんなさいっ!)」 というビジネス文章ではなかなかお目にかかる事のない表現が使われていた。 「ごめんなさいっ!」はラグナロクオンラインの流行語になった。

β2テスト終了イベント

 2002年11月19日、ガンホーはβ2テスト終了記念イベントとしてモンスター襲撃イベントを行った。 サーバー状態が良いのなら良いイベントになったかもしれない。 しかし、サーバー状態が劣悪な中でこのようなイベントを行ったものだからログインサーバーが陥落。 キャラクターチェンジ大量発生。慌てたガンホーは職業別にログイン時間を指定。総合情報サイトの掲示板に協力依頼の書き込みをする有様。 結局最後までログインできないプレイヤーもいて、β2で引退・最終日を楽しもうとしたテスター、引退する友達に最後に会っておこうと思っていたテスターにとっては迷惑極まりないイベントとなってしまった。 何をやってもダメな当時のガンホーを象徴するような出来事といえる。

β2テスト終了

 2002年11月20日3時8分頃、激動のβ2テストが終了した。

こんばんは、ラグナロクオンライン運営チームです。
テスターの皆様お疲れ様です。
長期間に渡りβテストにご協力いただきありがとうございました。
色々と皆様にはご迷惑をお掛けいたしましたがイベントはお楽しみいただけましたでしょうか?
正式サービス後もガンホー・オンライン・エンターテイメントを宜しくお願いします。
それでは12月1日に再びお会いしましょう。
では最後にカウントダウンをおこないます。
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ワールドアナウンス


 2002年11月28日、ラグナロクオンラインファンサイト登録型検索エンジンサイト『Ro.Engine』が開設した。

5.Episode1.5(2002年12月1日~2003年5月27日)

ゲームシーン・Episode1.5

ルティエ、グラストヘイム、時計塔ダンジョン実装。PvP・キューペットシステム実装。
サーバーはβ2テストと同様に不安定。特にChatServerが酷く、ギルド・パーティ機能が使えない事が多かった。
ガンホー公式イベント始まる。バレンタインイベント・GMお披露目イベント・ホワイトデーイベントが行われた。

Episode1.5開始と接近ゲーム

 2002年11月28日、パッチのダウンロードが開始された。 またもやオープン直前でのダウンロードであり、アクセスが殺到したせいだろうかパッチダウンロードでエラーが出るプレイヤーが続出。 パッチを当てれなかったときは”ファイルサーバー接近に失敗しました”とエラーメッセージが出ることから パッチ当て作業は”接近ゲーム”と呼ばれた。

 同月29日、運用テストという理由でEpisode1.5プレオープン。よってパッチ当て競争がさらに激化。 ファイルはragnarok2.vector.co.jpにあるのだが、パッチが当たらない理由としてVecterには接続数制限がある為と考えられた。 30日、パッチサーバーへのアクセスをragnarok2.vector.co.jpからfpatch.ragnarokonline.jp に書き換えた改造クライアントが『2ちゃんねる』のラグナロクオンライン本スレで出回る。これを用いれば簡単にパッチを当てることが出来た。 この改造クライアントを利用しなかったプレイヤーは接近ゲームをし続けることになる。
 同年12月1日、Episode1.5正式オープン。採算ライン4万5千アカウントに対して10万アカウントが正式サービスへ移行(*4A)。 正式サービスが開始されるという事は料金の支払が必要になる事から接続数が一気に減るのではという予想が一部であったが、プレイヤーは目に見えて減らず。 サーバー状態はβ2テストと同等か若しくは悪化。勿論BOTは存在。スキルロスト・キャラクターチェンジも健在であった。

 2002年12月3日、公式サイトの問い合わせフォームに不備が発覚した。問い合わせフォームはアトラクションIDとパスワードで認証がかかっているが、 一旦認証された状態で問い合わせページのURLの末尾4桁の数字を変えると、 他人の問い合わせ内容が表示されるいう、余りにも稚拙な内容であった。 これについてガンホーは同月5日に以下のコメントを出した。

「十分な努力目標は遂行したがセキュリティーの世界に100%はなくそこまでできなかったことは残念だ」。

 セキュリティーの世界に100%安全は無いことは事実である。しかし、このような稚拙な不具合に対していう言葉ではない。

第二次署名運動


 2002年12月9日、『にゅ缶』の「【告訴】ガンホーを訴えるスレ【社会的制裁】」スレッドではガンホーに運営の改善を要求する機運が高まり、サイト『街角』を開設するに至った。 『街角』はラグナロクオンラインの諸問題に対してガンホーの明確な対策予定・確実な対策実施を要求する公開質問状を作り、賛同者の署名を集めた。 そしてこれをガンホーに手渡しするという計画を立てた。しかしこの運動は掲示板発祥な為、各人考えがバラバラで、 しかも統率を取れるような力の有る人はおらず、代表者の力量では纏められなかった。
 同月16日夜、ガンホーは公開質問状の受け取りを拒否。同月17日、ガンホーは事前に確認していた質問状を元に一方的に回答を掲載した。つまり事実上の対話拒否であった。 回答内容は簡単にいうと、頑張っておりますのでしばらくお待ちくださいという、この手によくある回答であった。 結果としては、ガンホー側からの回答を得ることに成功したが、当初の目的である明確な対策予定・確実な対策実施を約束される事は実現出来なかった。

冤罪BAN事件1

 2002年12月13日、『Hyoi's House Leaves』の管理人Hyoi氏のアカウントがBANされた。 同月16日、BANされる事に心当たりの無いHyoi氏はにカスタマーサポートセンターへ停止された理由を問い合わせた。 同月19日、ガンホーから回答メールが来たものの「罪状についてはご自身が一番ご存知だと思われますので、ご説明は一切いたしません」とあった。 これを受けてHyoi氏はカスタマーサポートセンターに電話をしたがやはり「アカウント停止の基準を公開するとその裏をかくユーザが現れる為、公開できない」の一点張りであった。 この事についてHyoi氏は「ガンホー社から受け取ったメールがあまりにショッキングな文面だった」「あばれた文章をサイトに書いてしまいそうだった」とサイトに書いている。 同月26日、ガンホーから「誤りであった」と謝罪メールがあり、同月27にBANが解除された。
 謝罪メールによると、BANの理由はHyoi氏のアカウントに不正行為があった為。しかし、それはHyoi氏が行なった事ではなく、 キャラクターチェンジによってHyoi氏のアカウントに接続された第三者が行なった事であった。 それをガンホーはよく調べずにBANをしたというものであった。
 キャラクターチェンジはついに冤罪BANまで発生させてしまったという深刻な事態だが、この件に関するガンホーからの告知は一切無かった。
 2003年1月22日、『iモードで家計簿』の管理人のアカウントがアイテム現金取引によりBANされた。本人は冤罪を主張した。

 2002年12月、『the evening primrose』「Ragnarok Online の現実。」を公開した。 これはChaosショック等のラグナロクオンライン事件簿、スキルロスト・キャラチェンジ等の不具合、各種チートについて纏めた文であり、 先に公開されたうさだ年表の影響を受けている。 ガンホーの運営について苦々しく思っているプレイヤーから重宝された文であった。このサイトは2003年2月に閉鎖したのだが、「Ragnarok Online の現実。」の文は『Solo Das Jagt』によってミラーされる事でウェブに残った。

 2002年12月20日、ルティエが実装された。今までにない雪の世界。鮮やかな色彩の街。クリスマス風のダンジョン。悪いサーバー状態から目をそらさせる飴パッチともいわれた。

ガンホー・がんばってます!

 2002年12月27日、メールマガジン「プロンテラスクエア」の第一回が送信された。 その最後に書かれていたのが「ガンホー・がんばってます!」

 正式サービス後も劣悪なサーバー状態が続いているにも関わらず、「がんばってます!」と書いてしまう、このセンス。 プレイヤーからは「がんばってて、これなんかい!」というツッコミがあるのは当然の事であった。 「ガンホー・がんばってます!」はガンホーが発した迷言の中で最も有名なものになった。


 2003年1月1日、『俺ニュース』ライクなラグナロクオンラインファンサイト関連ニュースサイト『Favor's Ragnarok』が開設した。

 2003年1月9日、GUNDAM-Mk.2 というキャラクターによる謎のワールドアナウンスがあった。ガンホーは「グラビティ社海外支援チームの作業ミスによるもの」との告知を出した。


 2003年1月16日、ラグナロクオンラインのドット絵サイト『らぐどっと』が開設した。

 2003年1月、台湾サーバーのURLを削ることで、サーバープログラム「AEGIS」が置かれているディレクトリにアクセスできることが発覚、AEGISが流出した。 これを利用してエミュレーターサーバー(エミュ鯖)も立てられた。 さらにはエミュレータープログラム「athena」「weiss」「dweiss」を開発する人も現れた。 これによりエミュ鯖はグラヴィティ開発ではないプログラムで立てられるようになり、エミュ鯖数はさらに増えることに。 グラヴィティ開発ではないプログラムを利用という建前が、エミュ鯖の管理人をグラヴィティ・ガンホーに対して強気にさせる。

 2003年2月12日からバレンタインイベントが開催された。プレイヤーが書いた愛の告白文をゲームマスターがワールドアナウンスで読んで相手に伝えるというイベント。 当然そこに痛い言葉があれば話題になってしまうわけで。このイベントからは「もきゅもきゅホワァ♪( ´∀`)」という言葉が話題になった。

『えー・・・、あ~、コホンッ。
asereaさんとはもうβの初心者修練所からの
付き合いになりますねぇ~
まぁ、現在までに幾度となく告白してきたわけですが・・
その告白は私の日頃のキャラの為かボケと扱われ軽くあしらわれ・・・
ちゃんと聞いていただけませんでした・・・。( ´Д⊂ヽ
なので・・・今日は・・・・・・・
この機会に真面目に告白させてくださいっ!!
・・・す
・・・・・・・・・・好きです。(ポッ
ごめんなさい。(つД`)
あの・・もしよかったら今度一緒に2人で狩りにいっていただけませんか?
今までみたいにお友達としてじゃなくて、カップルとして・・・。
もきゅもきゅホワァ♪( ´∀`)
*****お芋売りのmeruchi-naより*****』

ワールドアナウンス

 2003年2月15日頃、『2ちゃんねる』で罠が仕込まれたBOTが出回る。 罠とは「やあ、僕BOT!でもご主人様はバレてないと思ってるから気付かない振りしてあげてね♪」とオープンで発言するという代物であった。

 BOT使用者を晒し挙げる為の罠BOTだが、これをプレイヤーがBOT報告しても殆どがBANされなかったといわれている。 その為この罠BOTも結局は、BOTに対して無力なガンホーを非難する材料になった。

 2003年2月24日、日本で唯一の韓国Sakrayサーバー情報サイトであり、第一次署名運動を行った『サクライのアレ』が閉鎖した。トップページにはサーバーがあまりにも重くてプレイ出来なかった事が書かれていた。

12月の課金は払ったものの,当時あまりにも重くてプレイできなかったので(プロバイダがYBBの知り合いは軽くてサイコーとか言ってましたが(;´Д`)),さっさと引退して,ROの動向だけヲチしてました.

今後もROをプレイされるみなさん,がんばってください.

サクライのアレ

 『サクライのアレ』の管理人はファイナルファンタジーXIに移住した。

冤罪BAN事件2:ガンホー春のBAN祭り

 2003年2月5日、露店にてZenyを支払わずに買い物をすることが可能な方法が一気に広まる。 買い手が露店から購入の瞬間にログアウト。すると買い手が金を減らさず露店側には金が入る。 これを利用することで商人側がいくらでもZenyを入手できた。台湾で発覚し、それを知った人が日本のファンサイト掲示板にその方法を書いた事で一気に広まった。4日19時まで巻き戻しが行われた。
 同月27日、ガンホーはZeny不正取得を行ったと判断したプレイヤーをBAN。同月28日、特に悪質な行為のあったと判断したプレイヤーのキャラクター名を公開する。

 この中に『RAG.D Project』と『まいにちあゆみ』のキャラクターがいたのだが、この2サイトは冤罪を主張した。 特に『RAG.D Project』は当時圧倒的な影響力を持っており、そこが冤罪を主張した事から大騒ぎとなった。 ガンホーは不正行為者のBANすらまともに出来ず、しかも関係無いキャラクターをBANさせてしまう、 そうとったプレイヤーは多かった。結果、大手総合情報サイトの各掲示板には怒りと失望、それに伴う引退宣言が多数書き込まれる。
 3月に入り、旧3鯖の接続数が減少。目に見えて接続数が減少したのはこれが初めて。 当時、冤罪を主張したプレイヤーが本当に冤罪だったかどうかは本人にしか解らなかったが、 ガンホーはこれまでの行いにより多くのプレイヤーから信用を失なっており、冤罪説は強い説得力を持つ事になった。この出来事はガンホー春のBAN祭りと呼ばれた。
 同年5月21日、ガンホーは一部キャラクターが冤罪であった事を認め、BANとなったアカウントのうち数十アカウントの凍結を解除した。 冤罪BAN発生から再調査依頼、内容証明郵便の送付、BAN解除までのあらましを書いたサイト『Ragnarok Online: アカウント停止処分から処分解除に至るまで』が開設した。


 2003年2月11日、アコライト、プリースト、モンク特化情報サイトである『+ Acolyte Maniax +』が開設した。


 2003年3月1日、ラグナロクオンライン関連のニュースサイト『ラグナロク☆ねっとわーく』が開設した。ここはモチベーションの高いサイトだった。 サイトは日次更新のニュースだけではなく、ウェブリング、キャラクターシミュレーター、掲示板、ネットラジオ、サイト管理人インタビューとあり、 壱テスタ氏に影響された事でユーザーイベントも主催した。

 2003年3月6日、『RAGNAVI』が閉鎖した。

APEZ事件

 2003年3月20日1時28分頃Chaos以外のワールドのワールドアナウンスでAPEZがグラヴィティを罵倒するアナウンスを大量に流れた。 これに対しガンホーは素早く対処。アナウンスが流れて始めてから5分後にはChatServerを落とし、 2時間半後には個人情報は漏れていないと告知を出した。 なお、Chaosワールドだけは元々ChatServerが不調なためアナウンスが流れなかった。
 ガンホーはその日のうちに不正アクセス防止の作業を終えたとの告知、ChatServer復旧。 すると今までChatServerが不調でギルド・パーティ機能が使えなかったはずの Chaosワールドで急にギルド・パーティ機能が使えるようになるという思わぬ副産物を生み、APEZのおかげといわれた。
 APEZがこのような事を出来たのは流出したAEGISを解析したからではという説がある。

 2003年3月25日、ガンホーは「ラグナロ娘」というキャンペーンガールを3名登場させた。売りは全員ネットアイドルという肩書きを持っている事と実際にラグナロクオンラインプレイヤーである事。 その内1人は2004年8月27日にチート使用疑惑が起き、その後ラグナロ娘としての姿を見かける事は無くなったが、 残りの2人、乾曜子氏と七園未梨氏は10年の永きに渡ってキャンペーンガールを続ける事になった。

 2003年3月27日、ペットシステムが実装された。

 2003年3月31日、『ラグナロク ナウ』が閉鎖した。2002年12月末以降更新がほぼ止まっており、 2003円2月1日にはお絵かきBBSを転送量の問題で停止していた。 『Let's RAGNAROK』の閉鎖後、劣厨は『ラグナロク・ナウ』に流れた。当然掲示板は荒れた。 しかし、荒れるようになってからも、ろくに調べずに質問してくる人にも丁寧に答えてあげる人の存在、 『Let's RAGNAROK』の絵師達を引き継いだお絵かき掲示板など、荒れた中にも見るべきものはあった。

 2003年4月5日、テキストサイトである『ハフダニプレジャーランド』は、「ガンホー批判レビュー」というテキストをアップした。 これまでのガンホーの行いに呆れ、ガンホー春のBAN祭りで心底嫌に成りプレイヤーを辞めた歯腐駄仁太郎氏が怒りを込めて書いたテキスト。 テキストサイトらしくABC体のテキストである。

 但し、ガンホーを批判したテキストであると同時にガンホーを馬鹿にしたテキストでもあった。 ガンホーに対する非難が強かった当時はそういう文に需要があり、そういう文を書けばアクセス数が確保出来たという事情もあった。 このテキストはガンホーを非難したい人々から支持を受け、多くのサイトからリンクが貼られた。 数年後、歯腐駄仁氏は自らの行いを恥じた。

 2003年4月22日、ライター集団Prisonerが独自の観点で選んだインシデント事後対応ベスト&ワーストの2003年3月ワーストにガンホーが選ばれた。

 2003年4月23日、ラグナロクオンラインのオリジナルサウンドトラックCDが発売された。 BGMはインストールされたフォルダを開けば普通にMP3ファイルがある。 従ってオリジナルサウンドトラックがMP3と同じ音質のものだと全く買う意味が無いのだが見事に同じものであり、購入者を落胆させた。 同梱された特典「プレゼントCD」は、クライアントCDと新規アカウント用の10日間無料チケット、ムービー、壁紙、スクリーンセーバーであり、 つまりはお友達紹介キャンペーンであった(「お友達にプレゼントして、一緒にゲームも楽しんでくださいね。」と書いてある)。 オリジナルサウンドトラックは「ゲームをしていない人は買う必要がありません。ゲームをしている人も買う必要がありません」と評された。

 2003年4月30日、公式サイトは「サービスの充実の為にお問い合わせフォームならびにFAQを「WEBヘルプデスク」としてリニューアルする」と告知。 問題はその告知に書かれていた次の文である。

「今までお客様から頂いておりましたお問い合わせ内容・履歴を4月30日をもちましてリセットさせていただきます。 お問い合わせ頂いたにも関わらす、ご返答がないお客様には、誠に申し訳ございませんが、今後のより良いサービス提供のためとご了承下さい。」

告知(公式)

 今までの問い合わせに対しての回答を拒否。代替案すら提示しない。 多くのプレイヤーからの信頼度が低い状態でこのようなことをやるものだから、一部プレイヤーからは 「溜まりに溜まった問い合わせに答えるのが大変だからリニューアルを理由にして消した」 ととられてしまう事になる。

 2003年5月、『( ´_ゝ`) 流石だよな俺ら in にゅ缶 (´<_` ) ~ テンプレート集 ~』が開設し、 『にゅ缶』の流石スレから生まれた多数の癌呆AAが収録された。

 2003年5月15日、取引を行っても提示されたアイテムが交換されずにZenyのみ取引が行われるバグが発覚。 これを利用した詐欺取引が発生した。詐欺取引は個数が-1と表示されているので見分けることは可能であった。

6.Episode2.0(2003年5月27日~2003年10月7日)

ゲームシーン・Episode2.0

コモド・タートルアイランド・ギルド攻城戦・モンスタースキル実装。
odin,thor,freya,bijohワールド追加。
VITがAGIと同様に3匹以上のモンスターに囲まれた際、減少するように。
スピアブーメランの属性が念から無に変更され、多くの槍騎士が泣いた。
髪染色NPC実装。
ギルド攻城戦はゲームの幅を広げることに成功した。
モンスター襲撃イベントが2回あったがβ2終了イベントの時と同じようにサーバーが持たず。

Episode2.0開始

 2003年5月27日、Episode2.0開始。雪の街ルティエの次は夜の街コモド。春のBAN祭りの影響が残っていた時期にこのパッチ。ルティエパッチと同様、ガンホーは勝負どころでインパクトの強い拡張パッチを当ててきた。 開始翌日、精錬途中で装備を変更できるバグが発生した。始めに未精錬の装備を身に付けておき、途中で高レベル精錬の装備に変えることで安全に最大限までの精錬が可能となった。 Lv3の武器精錬が失敗しないバグも発生。ガンホーは同日22時にサーバをクローズさせ、精錬ノンプレイヤーキャラクターを撤去。同年6月3日に精錬ノンプレイヤーキャラクターを復活させた。 データの巻き戻し無し。

 2003年5月31日、『弓手向上委員会』が閉鎖した。閉鎖告知文にはβ1中期のマナー原理主義により「ラグナロクオンラインを楽しめなくなった」と語っており、 事実、β2期からサイトの更新頻度が落ちていた。正式サービス後は稀にしか更新していなかった。

マップが狭くても、タコ殴りしかすることなくても、日本語が使えなくても、本当にαは楽しかったのです。
「ノーマナー」「横殴り」などの言葉が出てきたβ1中頃に辞めておくべきだったのかも、と思います。

弓手向上委員会

 2003年6月7日、ネットランナーは罠BOTに関する記事を掲載した。対策として「安全なPerl版のkoreを使え」という結論をだすところがネットランナーらしいといわれた。

 2003年6月10日、ガンホーは人文字作成イベントを行った。各ワールドのプレーヤーが指定のマップに集まり人文字を作るだけのイベント。優勝ワールドにはモンスター襲撃イベントがプレゼントされた。 同月14日、優勝したLokiワールドでモンスターの街襲撃イベントが行われた。そして予想通りサーバーが負荷によって死んだ。


 2003年6月16日、狩場情報サイトの『Rhapsody of the Ragnarok Online.』が開設した。

マイグレーションプラン

 2003年7月1日、odin,thor,freya,bijohワールドが新たに追加された。 それに合わせ、旧3鯖とFenrirから新ワールドへの移住者を募る「マイグレーションプラン」が行われた。 移住する場合、キャラクターと一緒にアイテムも新ワールドへ持ち込む事が出来る。Zenyは持ち込めない。 6月27日から7月1日まではマイグレーションカーニバルが行われた。モンスターの街襲撃イベントがあったものの予想通りサーバーが負荷によって死んだ。 「朝までラグナロク」というイベントも行われた。これは森下氏とGM000.Seiがゲームにログインしてプレイヤーと語るイベントなのだが、ここで 「いつも死んでいるChaosのパーティ機能はサーバーのプログラムに問題がある」「BOTは何度通報されても対処しきれない」他にガンホー春のBAN祭りの弁明もあり、 ガンホーの苦しい事情が伺える座談会となった。 春のBAN祭りの被害者に対しては検討するとし、 52日後の8月22日に”「朝までラグナロク」についてのご報告”という告知をだす。 そこの13番目に名誉回復のための措置が書かれているが、 実際にこの措置が執られるまでにはさらに2ヶ月待たねばならなかった。 エミュレーターサーバーと(βテスト時には許されていた)支援ツールは禁止な事も改めて話があった。マイグレーションプランの目的は言うまでも無く旧3鯖の負荷軽減であったが肝心の移住者が殆ど無く、即効性は無かった。
 なお、この時パケット暗号化を行いBOTが壊滅した。しかし2週間後にはBOTが暗号化に対応した為短期間の効果に終わる。

 2003年7月25日、「Online Game Fantasista」の場において「今後グラヴィティが開発するすべてのゲームタイトルは,ガンホーが日本国内で独占的に販売・運営していく」 「独占包括永続提携」がガンホーとグラヴィティで取り交わしたと発表した。これは後に見直され優先交渉権となった。

 2003年7月29日、タートルアイランド、ギルド攻城戦、モンスタースキルが実装された。キャラクターのレベルが99になるとオーラが出るようになったのはこの時からである。

そんなこと言うからガンホーは信用されないんですよ!

 2003年8月23日、ガンホーはオフラインイベント「ラグナロクオンラインサミット」を開催した。 これはガンホーとプレイヤーの座談会。 ラグナロクオンラインは2003年8月22日時点で17万2,203アカウントが入金し、全ワールド合わせて約126万キャラクターある事が発表された。 プレイヤー側から「パッチ配信や緊急メンテナンス、NPC追加などについて、運営側からの情報開示が不十分」 「サーバ側のパッチ適用漏れによる不具合がないように事前に確認出来ないのか」との意見があり、ガンホーが不可能な理由について説明した。 また、公式サイトの問い合わせフォーム不備やガンホー春のBAN祭りによる冤罪等のガンホーが信用を落とすようなトラブルについて、 「『ガンホーだから仕方ない』と言われてもしょうがない、と(ガンホー自身が)思っていないか?」(=ガンホーは開き直っていないか)と 参加プレイヤーから責められた。そのような話の流れでプレイヤーから「このような座談会をこれからも行うのか」との質問があった。 これに対しガンホーは「今回の責められ具合で考えようかなと思っている」と冗談をいった為、プレイヤーから「そんなこと言うからガンホーは信用されないんですよ!」と切り返された。
「そんなこと言うからガンホーは信用されないんですよ」はラグナロクオンラインの流行語になった。

 「朝までラグナロク」「ラグナロクオンラインサミット」とこの頃のガンホーはプレイヤーとの対話を重視していた事が伺える。 対話といっても基本的にはプレイヤーの「これをやって」に対し、ガンホーが「こういう理由で出来ません」というやり取りに終始。 このような対話にどれほどのガス抜き効果があったのかは不明だが、Episode2.0からEpisode3.0期にかけては抗議運動が行われなかった。

 2003年8月27日、ラグナロクオンラインの運営スタッフだったという森氏の書き込みが出まわる。 これをラグナロクオンライン系ではない大手個人ニュースサイトが紹介した為に、ネット上に大いに広まった。内容としては
 ・社内で孫社長の姿は殆ど見かけない
 ・会社では「プレイヤー達に何か聞かれても不必要なことは答えるな、すべて流せ」と教わる
 ・バレンタインイベントでラブレターをワールドアナウンスで流す仕事は俺もやった
 ・バレンタインイベントはラグナロクオンラインの良さを学校や口コミで広めてもらう為
 ・ガンホーが一番力を入れているのはRAG-FES支援
 ・ラグナロクオンラインは記録破りな位人気があるがそれもいつかは衰える。その時の事を考えてバレンタインイベントやRAG-FES支援、ラグナロ娘の企画に力を入れていると上司に言われた
 ・孫社長は「BOT対策よりもバージョンアップ作業に人を当てたほうがいい」と言った
 ・BOT対策の巡回作業をしていたら「他の人は翻訳作業をしている。自動巡回ツールを使っている人も、違うキャラクターでは普通に遊んでるのかも知れない。そういう方々を軽々はじいたら、悲しむとは思わないか?」と言われた
 ・キャラクタースロットを増やすと2アカウント入金しているプレイヤーが減るので嫌だと聞いた
 ・Hyack氏は素で面白い人
 ・暗号化はわりとマトモにやってる。俺も手がけた
 ・ガンホーが一番力を入れているのはRAG-FES支援
 ・掃除のおばちゃんがよく話題に出てたが(サーバーがしばしば死亡するので「また掃除のおばちゃんが電気のコード引っこ抜いた」という冗談があった)、掃除なんて殆ど俺がやっている
 ・ガンホー春のBAN祭りによる冤罪事件は新人に任せた事が原因
 ・孫社長は魚介類が好き
 真相がどこまでなのかは不明だが、『ハフダニプレジャーランド』はガンホーにこの文に書かれていた事は本当かを聞き、ガンホーからノーコメントという返答があったと書いている。

資料:広まった文

 2003年9月5日、堀誠一氏はCEDEC2003で「オンラインゲーム運営の現実 ~リリース直後に発生するコンテンツの課題~」という発表を行った。

 最後の問題「インターネットのコミュニティの揺れ」については、主にインターネットのオピニオンボード(掲示板)を中心に話が進められた。まず、昔のニュースグループが中心となったインターネット初期と比べると、現在のインターネットはカオス化、オピニオンボードの低モラル化が進んでいる。そして、オピニオンボード上では、ユーザー同士の衝突とそれを煽動するもの、虚偽情報の流布といった、マイナススパイラルが発生している。

 この状態において、これまでに挙げてきた問題はユーザーのフラストレーションになり、さらにマイナススパイラルの燃料となっていくが、こうなると、コミュニティは大きく揺さぶられ、コンテンツや運営体制に対する批判につながっていってしまう。この点について堀氏は「ユーザー規模が小さい場合は、揺れは主にコンテンツ自体に対しての批判となって現れる。しかし、ユーザー規模が大きくなると、フラストレーションはコンテンツではなく運営母体に向かい、サービスではなく行政に対するものになる」と説明した。

 また、「コミュニティが"まったりと進行"しているが売れないゲームと比べたときに、"マイナススパイラル"が発生しつつも売れているからいいではないかという意見があるが、それは駄目だ。ユーザーのフラストレーションを解決し、マイナススパイラルを止め、さらにもう1ステップ上を目指すことが重要」と堀氏は述べた。

【CEDEC】『ラグナロクオンライン』の事例をもとに、オンラインゲームの問題を提起!電撃オンライン


 2003年9月19日、リンク集の『ブックマーク ラグナロク通り』が開設した。

 2003年9月26日から2003年9月28日にかけて行われた東京ゲームショー2003においてガンホーは「アニメGM橘紀菜」というものを登場させた。 これはガンホーのブースにあるディスプレイにキャラクター・橘紀菜が写っていて、画面の左上にあるカメラで人を感知。別の場所にいる女性が橘紀菜として人にしゃべりかけてくるというもの。斬新な発想はユーザーを大いに驚かせた。「お帰りは京葉線ですかぁ~、京葉線は混みますよぅ」
 『ちんじゅうおんらいん』が動画に撮ったものを公開し、アニメGM橘紀菜は気色悪いものとしてネットで失笑された。しかしこれは後年バーチャルYouTuberが行った事でもある。 後になって考えればアニメGM橘紀菜は斬新なアイデアに時代と技術と別の場所にいる女性の演技が追いついていなかっただけともいえた。

7.Episode3.0(2003年10月7日~2004年6月8日)

ゲームシーン・Episode3.0

ジュノー・アマツ・コンロン・新2次職実装。
新2次職追加によるゲームバランスの大きな崩れは無く、こういったバランスのとり方の上手さがラグナロクオンラインの寿命延長に繋がっている。
第二回マイグレーションプランを行うも、旧3鯖は相変わらずラグいまま。

Episode3.0開始とアブラチート騒ぎ

 2003年10月7日、Episode3.0開始。ジュノーと新2次職実装。新2次職はβ2テスト期から具体的な話が出てきており、その頃から1次職を転職させずに待っている人が少なからずいた。待ちに待った実装。
 同月12日、ギルド攻城戦において新2次職のスキルを原因としたサーバーダウンが発生。同時にアイテムロストも発生した。 次回のギルド攻城戦は中止。その補填として同月26日12時から27日12時までアイテムドロップ率2倍、デスペナ無しとなった。
 新2次職はアブラチート(油升)騒ぎも引き起こした。 新2次職であるセージのスキル・アブラカダブラは幾つかある効果の中からランダムに一つを選んで実行するという物。 ドラゴンクエストのパルプンテをイメージするといいだろう。 この効果は(プレイヤーからは見えないが)一つ一つがセージのスキルとして存在しており、 アブラカダブラはその数スキルからランダムに一つ選んで実行するという内部仕様になっている。 ということはスキルハックを行えば、アブラカダブラの効果がスキルとして自由に使えるようになる。 効果の中にはレベルがアップするというものやモンスターを召還するものやモンスターをボスモンスターに変えるものがあった。 つまりプレイヤーが集まる場所でモンスターを召還し、それをボスモンスターに変えればMPK・テロを容易に行う事が可能。
 β2テスト期にAllmissチートを広めたクラッカーのアリス・リデルはアブラチートによるMPKを行い、その様子を『黒衣の騎士団REMIX』に書いた。

 アブラチートは同月26日頃から広まりはじめ、同月28日にはモンスター召還祭りになりそうな気配だったが、 その日の定期メンテナンスでサーバープログラムにスキルハック対策のパッチが当てられた。

春のBAN祭り被害者への名誉回復措置

 2003年10月20日、ガンホーはガンホー春のBAN祭りで冤罪だったキャラクターについて公式サイトに載せた(希望者のみ)。祭りから8ヶ月後の事である。 これまでの流れは
 ・2003年2月28日:春のBAN祭り発生
 ・2003年5月21日:一部キャラクターが冤罪であった事を認める
 ・2003年7月1日:「朝までラグナロク」上でGM000.Seiが被害者に対して名誉回復措置を検討すると発言
 ・2003年8月22日:名誉回復措置を行うと告知
 ・2003年10月20日:名誉回復措置
となっており、「名誉回復」は即座に行わなければ効果は薄いにも関わらず約8ヶ月もかかり、多くのプレイヤーから遅い対応と評価された。

 2003年10月7日、アマツが実装された。海外戦略を強化するためのグローバルプロジェクトとして、日本文化をモチーフにしたマップである。

 2003年12月1日、正式サービス開始より1年が経ちアニバーサリーイベントが行われた。プレイヤーへの感謝の言葉がワールドアナウンスで流れ、ゲームマスターが挨拶に回った。モンスター襲撃イベントがあった。

 2004年2月17日、コンロンが実装された。


 2004年3月12日、両手剣AGI騎士特化情報サイト『B2HS』が開設した。


 2004年4月6日、ラグナロクオンラインがアニメ化された。この企画の中心人物でシナリオの大筋を考えたはGM000.Sei。このアニメをヲチするサイト『ラグロク』が開設した。

アイテムバンク騒動

 2004年4月16日、『アイテムバンク』を名乗るリアルマネートレードの仲介サイトから大手ファンサイトに次のメールが送られた。
  【ゲーム内アイテムのRMTサイト「アイテムバンク」がまもなくオープンします】
 この『アイテムバンク』で取り扱うリアルマネートレード対象のゲームはラグナロクオンライン。 『アイテムバンク』の代表者である完山敏錫氏は、孫泰蔵氏が取締役副社長を務めるテクノブラッドの監査役でもあった。 更にはガンホーのサイトにテクノブラッドがビジネスパートナーとして記載されていた事から騒ぎとなった。
 同月28日、『にゅ缶』の「オフィシャルの公知に速攻で突っ込むスレ53」の>>288はこれをガンホーに質した。 「リアルマネートレードを仲介する業者をビジネスパートナーとして支援するガンホーがリアルマネートレード禁止をいっても説得力が無い」と。 同日14時頃、テクノブラッドの会社概要から「監査役 完山敏錫」の名前が消された。 同日16時、ガンホーはアイテムバンクとの関わりを否定する告知を出した。また>>288が出した質問には「告知で回答した」と返答があった。 同日18時、『OWN RAGNAROK』はアイテムバンクから届いたメールのヘッダーを公開した。そこには送信元ホスト名として「technoblood.as.wakwak.ne.jp」とあった。 アイテムバンクからメールが届いた事を報告したサイトは『OWN RAGNAROK』の他に『RAGNAROK Square』と『RAGNAROK Search』がある。
 なお、テクノブラッドは代表取締役柳日栄氏と孫泰蔵氏で興した会社であり、柳日栄氏は2005年にグラヴィティのCEOに就任した。


 2004年5月5日、ギルド攻城戦特化情報サイト『GvGサイト』が開設した。

第二回マイグレーションプラン

 2004年5月20日、Idun,Heimdal,Eir,Tyr,Lisa,Ses,Tiametワールドが新たに追加された。 それに合わせ、新規ワールド追加に伴う移住者募集「マイグレーションプラン」の2回目が行われた。前回は移住者が少なく即効性は無いものに終わったマイグレーションプラン。 今回は事前に移住方法をアンケート。現対象ワールドの全データを新ワールドへコピーするAプランと 移住希望者のみのデータを新ワールドへ移動するBプランを提示しアンケートをとった。 結果、Aプラン43%、Bプラン57%でBプランが採用された。 またZenyを移住先に持ち込めるようにした。 結果、前回のマイグレーションプランとは違い多数の移住希望者がでる(20~30%)。 前回の二の舞にはならなかったが旧3鯖のラグ解消にはいたらず。 今回もカーニバルイベントを同時開催。
 マイグレーションに申し込んだが移住されていないという人が現れ、同年6月1日に追加移住させた。

聴牌(TENPAI)ラグナロクオンラインに現る

 UltimaOnlineでギルドマスターを騙して大量の金をいただくなど、詐欺プレイをしていて有名だった聴牌がラグナロクオンラインに移住。 2004年5月28日、『RO TENPAI』開設。枝テロ、アブラカタブラでMPK、パーティ侵入バグを用いてGvGパーティ荒らし等を行った。 プレイスタイルの評価は賛否両論だが、文書は面白いという意見が多く、プレイスタイルとサイトを真似する劣化聴牌サイトが幾つか現れた。なお、「PT割り込みチート」を広めたのは『RO TENPAI』である。

UOの次はROへ。 UOで堕ちるところまで堕ちたテンパイだったが、 堕ちる場所はまだあった。 その名も無間地獄RO。 最底辺を目指し、僕はひた走る。

RO TENPAI

8.Episode4.0(2004年6月8日~2005年4月26日)

ゲームシーン・Episode4.0

ウンバラ、ニブルヘイム、マリッジシステム、スーパーノービス、転生実装。
Verdandiワールド追加
BOT対策期間中は接続人数が約3~4割減少。BOTの多さを改めて確認することとなった

Episode4.0開始

 2004年6月8日、Episode4.0開始。ウンバラとマリッジシステム、スーパーノービス実装。
 マリッジシステムはサーバに負荷がかかるので無理とラグナロクオンラインサミットではいっていたものの他国のサービスより遅れて実装。 スーパーノービスという言葉は元々超弱いまま転職せずに頑張っているノービスに対しての敬意を込めた通称。 新しく実装されたスーパーノービスはHP・SPが低く、弱いものの、代わりに他の一次職のスキルがほとんど取れる。 スーパーノービス職を作ってほしいという意見はβテスト時からあったし、 こういう風にプレイヤーの意見を取り入れるのはグラヴィティの良い所か。これまでは新バージョン開始時に何かしらの大きな不具合が出ていたが、今回は大きな問題は無かった。


 2004年6月8日、『RAGNAROK online 狩場情報』の後継的位置づけのサイト『RagnarokOnlineMAP』が開設した。

 2004年6月22日、6月29日、7月6日、7月13日、7月15日と連続してガンホーはBOT対策を行った。 結局はいたちごっごとなり一時的な効果にしかならなかったものの、この期間は接続数が5分~1割程度減少しており、連続して対策パッチを施すことの効果は確認出来た。

 2004年8月、『みすとれ巣』の後継的位置づけのサイト『ROratorio』が開設した。

up祭り

 2004年8月16日、ガンホーのftpサーバー(ftp://patch.ragnarokonline.jp/)が anonymousでpassなしにアップロード・ダウンロード可能状態であった事が発覚。 しかもサーバーには既に洋楽mp3がアップロードされていた。 瞬く間に『2ちゃんねる』の各所に情報が広がり、up祭り開始。 動画、ゲームなどがアップロード・ダウンロードされた。ガンホーは翌日になって対応を行い、 サーバーにアクセスした者へ「しかるべき対処を行うことも検討しております」と告知を出した。

 2004年8月24日、ニブルヘイムが実装された。同月27日、インデュアバグが発覚。 インデュアは一定時間ヒットストップを無効化、同時にMDEFが増加するというソードマンのスキル。 ギルド攻城戦では「ヒットストップ無効化はさせずMDEFだけ増加する」という仕様を組み込もうとしたものの、 実際はヒットストップも無効化されているというバグであった。
 同日、緊急メンテナンスを行うもギルド機能とパーティ機能に不具合が発生。 メンテナンス前の状態に戻すための緊急メンテナンスを行う。翌日再び修正を試みるも失敗。 同月29日のギルド攻城戦は中止。同年9月3日、ギルド攻城戦が再開された。

 2004年8月27日、『したらば掲示板』のLISA板において、”チートツール「TripleStrafing」絶賛使用中!”と叫ぶ罠ツールに引っかかったプレイヤーのSSが晒される。 これがラグナロ娘の蔵野ありさ氏が使用しているキャラクターなのではと騒ぎになった。


 2004年8月29日、『ラグナロクオンラフフフフフフフフ』が開設した。 「RagnarokOnline(JP)の歴史」をコンテンツとし、ラグナロクオンラインで起きた過去の出来事を纏めたこのサイトは過去を懐かしむ資料として使われた。 また、過去のガンホーの不祥事が書かれている関係で抗議運動の資料としても使われたが、このサイト自体は抗議運動とは一線を引いた。 うさだ年表の後継を自称し「抗議するならば、まずは客である事を止めるという最強のカードを切るべき」という考えに立つこのサイトが、 文句を言いながらも結局は客である事を続けている抗議運動の人々と同調出来るはずがなかった。

内部告発騒動

 「発掘!! お宝映像 ハプニングアイドル集」という雑誌に、「某人気オンラインゲームのキャンギャルが告発!怠慢経営姿勢と私利私欲に走った社員たちの衝撃実態」 という題の記事が掲載された。その記事にはどこにもラグナロクオンラインとは書かれてはいなかったが、 その内容、客を馬鹿にするオンラインゲーム管理会社と私利私欲社員はラグナロクオンラインを想像させるものであった。
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 ”社員が客を「クズ」呼ばわりしている”
 ”社員がBOTとRMTをしている”
 ”イベントでの空気の読めてない迷惑プレイヤーが実は社員”
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また記事中に使われたゲームの画面写真はぼかされていたものの、ラグナロクオンラインのものである事は明らかだった。

 2004年10月29日、この記事がウェブ上にアップロードされ、『OWN RAGNAROK』の雑談掲示板で話題となる。 同月30日、『にゅ缶』に「キャンギャルが告発!」スレが立った。また、まとめページが幾つも作られた。代表的なものに 『Quadrilateral space』「某人気オンラインゲームのキャンギャルが告発!」『高梨観光』「某人気オンラインゲームの内部告発」『テゼの丘』「某MMORPG キャンギャル関連リンク集」が挙げられる。
 記事が真実である証拠はないし、特に新しい事実も書いてなく、これまでの噂話を集めた程度。価値の無い記事であり、本来であれば騒ぐほどの物ではない。 しかし、これまでのガンホーの行い・プレイヤーとの信頼関係の無さが、この記事に価値を持たせることになった。 記事の内容は兎も角、BOTが我が物顔で世界を蹂躙しているのは事実であり、それを誰もが知っており、誰もがこの目で見ている事なのである。 つまりこの記事は「BOTやチート使用等の不正プレイヤーをなんとかしてほしい」というプレイヤー達の気持ちが一つに集まる、そのきっかけになったのである。

 プロンテラ城門前にはまとめページを紹介するチャット看板が立ち始め大騒動に発展する兆しを見せていた同日、ガンホーは「根拠の無い事実無根の記事である」と告知をだした。 しかし、告知を出したところで信用の無いガンホーにこの流れを止められるはずがなく、 抗議サイト、改善要求サイトが次々と現れた。代表的なものとして、 『Favor's Ragnarok』の「チケットを一ヶ月停止する運動(不買運動)」『User's Resistance』『RO全鯖一斉ログアウト』『light it again』『20041030関連情報(備忘録)』が挙げられる。
 同年11月4日、『AllAbout』のインターネットゲーム(担当は宇川伊知郎氏)においてこの騒動が触れられた。 同月5日、宇川氏は『Quadrilateral space』のまとめページを紹介し、告発記事の感想を募集した。同日、ガンホーは「ガンホーオフラインミーティング」開催の告知を出し、参加者を募集した。目的がこの騒動の火消しである事は言わずとも明らかであった。

 同月9日宇川氏は「告発記事の関係で圧力があったが今月中にはカタチにしたいと企画中」と書き、 同月10日宇川氏は「タイトル名と運営会社名が出せないかもしれないが、世間にBOTの存在を知ってもらう記事で攻めていこうかと企画。一般の人にも状況を知ってもらいたい」と書いた。 同月12日、宇川氏が『AllAbout』のインターネットゲームに「ラグナロクを考える(仮)」コーナーを設置した。 『さてどうなるGung-Ho?(→ガンホーに不満たらたら!?)』が開設した。『Sig's Archives(→ROSS)』が『RO.Consortium』を開設した。

RO.Consortiumは、ユーザーの力でRagnarok Onlineを変えていこう、というサイトです。 まず前提としてGungho社はGravity社と独占包括永続提携を結んでいます。

よってROの管理会社はGungho社。これは決定事項です。管理会社の変更はありえません。Gungho社が消えるときはROが消える時です。この時点で現状の改善を求めるならば、有効な選択肢は3つ。強い調子で糾弾するか、実力行使に踏み切るか、話し合いによる相互理解を望むか。前2つを選ぶなら、他のサイトを覗いたほうが良いでしょう。RO.Cの選択は、3つめです。

RO.CはROというゲームを楽しむためのパートナーとしてGungho社を認め、対等かつ紳士的な応対を基本姿勢とします。一切の罵倒、攻撃的な言動を排除し、より良いROのために建設的な協議を重ねることを゛要゛とします。その上で改善案・質問状・意見書の作成と送付を活動内容とします。これはGungho社に屈し、迎合する姿勢ではありません。そもそも勝敗ではないからです。そして成果を期待しません。ローマは一日にしてならず、歩み寄る姿勢を示すことがまず重要。楽しく、面白いROはユーザーが作ります。我々はいつだってそうしてきたし、これからもできる筈です。

まずは"癌"という蔑称を捨てることから始めましょうか。こういう些細なことが、大切です。

RO.Cについて(RO.Consortium)


 同月13日、『ソルバルウさんの青箱日記』「ガンホー仕事しろリング」を作成した。同月14日、「第一回ガンホーオフラインミーティング」が開催された。 ミーティングではプレイヤーが要望を出して ガンホーが弁明する形で言わばガンホー言い訳説明会になってしまい、火に油を注ぐ結果となった。 同月17日、『RAGNAROK Square』にオフラインミーティングの録音ファイルが掲載された。同時にユーザーの手によってテキスト化が進行した。 同月20日、「Ragnarok Online の現実。」が復活した。 同月22日、蔵野ありさ氏がラグナロ娘を辞任した。 同月25日、ガンホーは「第一回ガンホーオフラインミーティング開催結果ご報告」を掲載した。 同月28日、宇川氏がBOTに関する記事を完成させたものの圧力があると書いた。

あっ、例の告発記事の関係で圧力があったり・・・。せっかくユーザーさんから大量のメールを頂いているのに。今月中にはカタチにしたいと企画中。

2004年11月9日:インターネットゲーム(AllAbout)

11月10日現在。さすがにタイトル名と運営会社名が出せないかも?しかし、ユーザーの言い分が間違っているとは思えません!最初に世間にBOTの存在を知ってもらう記事で攻めていこうかと企画中。多少ですが内容的には、まわりくどいような文になるかな?一般の人にも状況を知ってもらいたい。

2004年11月10日:インターネットゲーム(AllAbout)

BOTの件について一応記事は完成しました・・・が、かなりの修正入ってます。圧力もありますので。シリーズ物になる予定で第1回はBOTの存在について。あまり名指しでのタイトル名は初回ですのでひかえています。ただしROの名前は1個あります。12月予定の第2回でなんとか。

2004年11月28日:インターネットゲーム(AllAbout)

 同年12月10日、『RO海外鯖移住関連アンテナ』が開設した。同月16日、『OWN RAGNAROK』はBOT対策をお願いするメッセージを募集。同月26日までに119通のメッセージを集めた。 同月21日、『AllAbout』の「ラグナロクを考える(仮)」が削除された。 同月27日、『OWN RAGNAROK』がメッセージを印刷し(A4用紙200枚程度)郵送でガンホーへ送った。 これに対しガンホーは同月28日、カスタマーサポート部の名で 「今回いただきました皆様からのメッセージを運営チームにて目を通させていただき、実現可能な案につきましてはグラヴィティ社とも協議の上、採用し 取り入れてまいりたいと思います」 と『OWN RAGNAROK』へメールで回答した。同月29日、宇川氏は「ガンホーへこれだけは聞いてみたい」という質問を募集した。
 2005年1月11日、宇川氏は「ラグナロクオンラインについては、ユーザ側とメーカー側両方の意見を吟味した上、再度今後どういう形で記事にしていくのかを検討したいと思います。申し訳ありませんが、しばらくお待ちください」と書いた。 同年2月14日、『ラグナロク署名運動』が開設した。約500名の署名を集めたと本人が言っているが、その署名をどうしたのかは不明。

 同年4月2日、改善運動の中心的なサイトであった『RO.Consortium』が閉鎖した。

 この内部告発騒動による抗議運動の成果は「ガンホーオフラインミーティング開催させた」事のみである。 この抗議運動は多数のサイトが参加し、これまでで最大規模のものになったが腹蔵無くいうと所詮烏合の衆だった(*7A)。 彼らはサイト間で言及しあっていたが、その様なものは只の馴れ合いでしかなかった。 『ガンホーに不満たらたら!?』はその様な状況に疑問を投げかけていたと記憶しているが、彼自体が弱小サイトの管理人でしかなかった。
 『AllAbout』のインターネットゲームを担当していた宇川氏は世間にBOTの存在を知ってもらう為に記事を執筆するも、 それを商業サイトに公開するという事のハードルの高さに苦悩する様子が伺えた。記事を公開したくても「圧力がある」と何度も語っていた宇川氏は、それでもプレイヤー寄りの姿勢を崩す事はなかった。 約6ページに及んだという文量の記事が公開される事は無かった。

*7A:こう書くと私が彼らを馬鹿にしているように思うのかもしれないが、そういう意味ではない。 彼らにはまだ力が無かったという事である。例えば『RO.Consortium』の管理人はこの時まだ大学4年生である。そう、みんな若かったのだ。
資料:「『某人気オンラインゲームのキャンギャルが告発!』まとめページ」(Quadrilateral space
資料:記事
補足:この内部告発記事であるが、書かれているネタのうち、 「ユーザー達に何かきかれても不必要なことは答えるな。すべて流せ」 「○○君、BOTを使っておられる方でも、違うキャラクターでは普通に生活しているかも知れないんだよ? そういう方々を軽々とはじいて(アカウント停止措置)しまったら、悲しむとは思わないか?」 は2003年8月27日に広まったラグナロクオンラインの運営スタッフだったという森氏の書き込み。 「『あの会社だから仕方ない』と思わせられるようになったら勝ち」は2003年8月23日の「ラグナロクオンラインサミット」で出てきた言葉。 即ち、この文はラグナロクオンラインコミュニティで起きたゴタゴタに詳しい人が今までの話を纏め、表向きは告発という形にして記事にした物であると推測する。

 2004年11月7日、ガンホーは不正ツール使用などの不正行為者対策の一環として、全てのGungHo-IDを対象に登録情報の一斉調査を実施する為に、 GungHo-IDの登録情報を正確な情報に修正するよう告知。 同年12月22日、ガンホーは修正期日を過ぎても明らかに正確ではない情報が登録されているGungHo-ID(約10,000)を停止したと告知した。

 2004年11月30日、正式サービス開始より2年が経ちアニバーサリーイベントが行われた。プレイヤーへの感謝の言葉がワールドアナウンスで流れ、1周年時と同様にイベントバフォメットが街を襲撃した。


 2004年12月25日、総合情報サイト『RAGtime』が開設した。

ステルス公平/窓手BOT

 2004年12月、ステルスログインが広まり出した。ステルスログインとはマップ情報読み込み中にサーバーとクライアントの通信を止めることでマップ上に姿は見えないが存在はしているという状況を作り出すこと。 この姿が見えないキャラクター(本垢)とBOT(捨て垢)でパーティ公平し、姿が見えないキャラに経験値を分け与えることをステルス公平という。
 ステルスログインが広まる前、BOTとのパーティ公平で本垢キャラクターを育成するには ノンアクティブモンスターが主体のマップで本垢キャラクターをお座りをさせることになるのだが BOTがいるマップでずっとお座りだけしている訳で、BOTとの公平を感づかれてしまう。
 ステルス公平を行うことでBOTとのパーティ公平を感づかれずに、又、アクティブモンスターから狙われることも無くなる。 ステルス公平をする者で弓職を使い、スティング(通称マドハンド)が出現するマップで狩っているものは窓手BOTと呼ばれた。 窓手BOTは弓職の射程の長さを利用して横殴りしまくる。

エミュレーターサーバー接続人数大人数化

 2004年末頃から接続人数が3桁に届くエミュレーターサーバーが現れ始める。エミュレータープログラム・Athenaの完成度が上がっていき、 スケールの面でも本鯖と体を張れるまでになっていった。 エミュレーターサーバーサイトのデザイン・素材に公式サイトの素材を使われ、 公式へのリンクを貼っているサイトまで存在しており、ガンホー・グラヴィティは完全に舐められている。 ますます調子に乗るエミュレーターサーバー管理人に対し、ガンホー・グラヴィティは打つ手が無い。
 特に話題を振りまいたのが「ロマリアオンライン」というエミュレーターサーバー。 ジャニーズに所属していた小坂まさる氏の次男である小坂真郷氏が運営していた。彼は『2ちゃんねる』のエミュ鯖スレッドで「ロマ様」と呼ばれていた。

 2005年1月9日、勝手に他人のパーティーに割り込み、パーティーリーダ権限を奪う「PT割り込みチート」の存在が広まった。『RO TENPAI』がPT割り込みチートを使用した日記を載せた為である。

 2005年2月15日、転生が実装された。

 2005年3月22日、α時代から続いていた最古参サイト『Breeze from Prontera』が閉鎖した。管理人はマビノギに移住しており、雑記にはガンホーに対する不満が書かれていた。

国民生活センターに訴えよう運動

 2005年3月26日?、『にゅ缶』の「【BOT撲滅運動】国民生活センターに訴えよう」スレから生まれたサイト『【BOT撲滅運動】 ガンホーを国民生活センターに訴えよう!!』が開設した。

ガンホーに苦情メール送っても、
抗議のためにRO課金停止しても、
大きな戦果を上げられていません。
かつては活発だったコミュニティ重視の大規模なファンサイトも多くが閉鎖され、
代わってBOTerが堂々と日記サイトをはじめ、
RMTサイトがGoogleに広告まで出す始末・・・
しかし、ここで突然、未知の方角から一筋の光明が差し込んできました。
「国民生活センターにガンホーのサービスの劣悪さを訴える」
これはΣ(・∀・*;)
今までにない、手軽さと大きな可能性を秘めているようです。
しかし、これには皆さんの協力が必要です。
皆さん一人一人の声が大きなうねりとなって、
公的機関を動かしガンホーを本格的BOT対策へと仕向けましょう。
運動に賛同するギルドメンバー・狩り友・相方・伴侶をお誘いの上、奮ってご参加下さい

【BOT撲滅運動】 ガンホーを国民生活センターに訴えよう!!

 この「国民生活センターに訴える」という手は次々と成果を挙げた。まずは国民生活センターからガンホーに指導が入った。 さらには 同年4月8日、NHKの「ニュース10」がBOT問題を取り上げた。「ゲームの邪魔者 "謎のロボット"」と題名にラグナロクオンラインという単語は入っていないものの、 番組ではガンホーが国民生活センターから指導されたことに触れ、ガンホーによるBOTの取り締まりが紹介された。 そして何より、このサイトが次のキャプションと共に紹介されたのである。

「規約で禁止されているBOTを、運営会社がきちんと取り締まっていない、と集団で国民生活センターに苦情を申し立てました。国民生活センターは多くの消費者が不利益を被っているとして、運営会社に対しゲームの管理体制の強化を求めました。仮想空間の治安の改善という、異例の要求でした。」

 こうして一般の人には見えないラグナロクオンラインの内部しかも「裏側」の問題であったBOT問題を「表側」に引っ張りだしたことは大きな成果であった。同年12月、国民生活センターは「オンラインゲームに関するトラブルが急増」という報告書を書いた。
 今まで具体的な成果を上げられなかった抗議運動だが、初めてはっきりとした成果をこの運動は上げる事になった。

 2005年3月27日、ガンホーは550件の顧客情報データに改ざんあったことを確認。同月29日に告知を出したのだが各アトラクションのサイトにではなく、ガンホー本体のサイトのみであった。 各アトラクションのサイトに告知を出さない理由と、27日に改ざんされたことを29日になって告知を出した理由は不明。 なお、告知では「第三者に上記お客様情報が不正使用ならびに流出した事実は確認されておりません。」とある。改竄は証拠が残る(バックアップと照合すればよい)が流出(閲覧・複写)は複写した物が出ないと露見しない。 即ち、当たり前だが”事実は確認されていない”と”事実は無い”はイコールではない。

 2005年3月29日、第二回ガンホーオフラインミーティングが開催された。騒ぎになった前回と比べ反響は静かだった。先のNHKの放送に対してコミュニケーションの活性化などの良い面も取り上げてほしかったとの話がガンホーからあった。

 2005年4月12日、不正ツール対策パッチが当たった。BOTプログラムの多重起動を防ぐパッチであり、BOTが一時的に激減した。

 2005年4月17日、Verdandiワールドが追加された。

 2005年4月26日、Magni,Surt,Forsety,Garmワールドが新たに追加され、移住者募集「マイグレーションプラン」の3回目が行われた。

9.Episode4.5(2005年4月26日~2005年10月25日)

ゲームシーン・Episode4.5

龍之城・ジャワイ・アユタヤ実装。
ステルス移動チートの登場。
他のMMORPGが次々とアイテム課金制への移行を発表。旧世代であるファイナルファンタジーXIとラグナロクオンラインの牙城を崩すことは出来なかった

Episode4.5開始

 2005年4月26日、Episode4.5開始。古都龍之城と常夏の島ジャワイが実装された。フェイヨンリニューアル。 初心者修練場もリニューアルされ、初心者用アイテムが配布されるようになった。

BOTNEWS開設


 2005年6月1日、『BOTNEWS』が開設した。このサイトほど評価に困るサイトは他にない。良くいえばラグナロクオンラインの暗部を表に出すサイト。

BOTをつぶすためには、まずBOTerの内情を知ることからはじめよう。
と思いつき、癌呆の対策およびBOTerの動向をまとめたBlogを開始します。
また無能な管理会社"癌呆"を批判するためのBlogでもあります。
癌呆の無能な対策に一喜一憂するBOTerどもの動向をヲチすることこそ、
BOTNEWS管理人の最大の愉悦とします。

BOT配布サイトなども全て掲載していく予定です。
2chやグーグルで検索すれば簡単にBOT関連サイトが出てくる時代です。
公開されてるものをわざわざ隠す必要はないという考えです。

このサイトの目的は不正行為の助長ではなく、
ROに蔓延する不正ツールの現状をあらわにすることで、
不正ツール利用者と管理会社"癌呆"ともどもを、公に
糾弾していくことにあります。

BOTNEWS開始BOTNEWS

 BOTやチート、RMT、エミュレーターサーバー等ラグナロクオンラインの裏部分を記事にし、それを放置するガンホーを皮肉り、煽り、プレイヤーの声を代弁した『BOTNEWS』はガンホーに不満を持つ多くのプレイヤーに支持され、直ぐに大きな影響力を持つサイトとなった。 コメント欄には記事毎に数千規模のコメントがつく怪物サイトに育った。 2006年の運営改善要求デモにおいては事実上の広報担当となり、その影響力をもってデモを宣伝することで、デモを大規模なものにし、ガンホーに揺さぶりをかけた。 2006年のラグナロクオンラインコミュニティはこのサイトを中心に回っていたといっていいだろう。その後、ガンホーがBOT撲滅に大きく舵をとったことを考えれば、『BOTNEWS』に対し「ラグナロクオンラインのBOT撲滅に貢献した個人サイト」という評価を下すことは可能だ。 しかし、小事に対しても大げさに書き、大衆心理を煽り、それをガンホーを叩くために利用するという点は所謂「2ちゃんねるまとめサイト」と変わらない。

 「ラグナロクオンラインの現状を変えるには、大きな影響力をもって、ガンホーに揺さぶりをかけるファンサイトが必要」

 とはβ2テスト時代からいわれていた。しかし、大手総合情報サイトはファンサイトという立場上、ガンホーに揺さぶりをかけづらい。 実際に揺さぶりをかけ、かつ効果があった例としては「ガンホー春のBAN祭り」のときの『RAG.D Project』ぐらいしかなかった。 そこに『BOTNEWS』が現れた。問題が多い『BOTNEWS』だが、当時のラグナロクオンラインコミュニティに必要なサイトであったことも間違いないことである。

 2005年6月22日、キャラクターが消失したと訴えるプレイヤーが現れ、『ラグナロクオンライン、ID、キャラクターロスト救済@wiki』が開設した。

 2005年6月27日、またも不正アクセスでアトラクションIDとパスワードが502件改ざんされた。

 2005年6月30日、シマンテックはラグナロクオンラインのキャラクター情報を収集、winnyネットワークに流し、さらにしたらばに勝手に書き込みをするトロイの木馬「Trojan.Kakkeys.B」を警告した。

 2005年7月12日、アユタヤが実装された。養子システムが実装された。

 2005年8月30日、グラヴィティがEZERとテクノグルーヴ(どちらも代表取締役:柳日栄)、アジアングルーヴ(代表取締役:孫泰蔵)に買収され、会長兼CEOに柳氏が就いた。

ステルス移動チート

 窓手BOTの存在により有名になったステルスチートだが、さらにステルス状態のままの移動が可能になった。 2005年10月2日、ギルド攻城戦においてステルス移動をしエンペリウムのある部屋まで侵入、城を落とすという事件がおきた。 攻城戦システムの根本を脅かすこの事件にガンホーはいよいよステルスチート対策に乗り出す。
 同年10月7日、ステルスチートを行うキャラクターはサーバーから切断するようにしたが、 通常プレイでも切断してしまう不具合が発生。テレポートやマップ移動の度に切断してしまう。 故に同月9日、ギルド攻城戦の時間帯においてサーバーから切断されるプレイヤーが多数発生。 短期間で集中的にログイン処理が発生したため、ログインサーバーが陥落した。同月14日、通常プレイでも切断される不具合を修正したが、一緒に窓手BOTも復活した。

10.Episode5.0(2005年10月25日~2007年7月3日)

ゲームシーン・Episode5.0

鋼鉄の都市アインブロック、採鉱の村アインベフ、リヒタルゼン、ノーグハルト、フィゲル実装。
アルデバランターボトラック、生体工学研究所、古代科学ダンジョン・ジュピロス実装。
製造名声システム実装。
テコンキッド、拳聖、ソウルリンカー、忍者、ガンスリンガー実装。

Episode5.0開始

 2005年10月25日、Episode5.0開始。鋼鉄の都市アインブロック、採鉱の村アインベフが実装された。 アルデバランターボトラック、製造名声システムが実装された。

 2005年11月22日、ガンホーはアメーバブログと共同でラグナロクオンラインコミュニティの為のブログサービス「ラグブログ」を始める。 アメーバブログにはラグブログ用のブログスキンが用意された。しかし盛り上がりは見せず。 ラグブログ事務局主催の「スクリーンショットコンテスト」はトラックバックで応募出来るのだが、 BOTが活動しているスクリーンショットが応募される始末であった。 このサービスは「スクリーンショットコンテスト」が終わった後、終了になった。

Zeny無限増殖

 2005年11月29日、正式サービス開始より2年が経ちアニバーサリーイベントが行われた。プレイヤーへの感謝の言葉がワールドアナウンスで流れ、2周年時と同様にイベントバフォメットが街を襲撃した。
 このイベントにある「商人組合員ノンプレイヤーキャラクターとのアイテム交換」において
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 1.ゲフェンでブルージェムストーンを20個購入
 2.プロンテラにいるNPCにてブルージェムストーン20個→レッドジェムストーン5個とイエロージェムストーン5個に変換
 3.イズルードにいるNPCにてレッドジェムストーン5個とイエロージェムストーン5個→アクアマリン5個に変換
 4.売却
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の手順でZenyを増やすことが出来る仕様が発覚。
 これに対しガンホーは同年12月1日にメンテナンスを実施し、ノンプレイヤーキャラクターの設定を変更したが巻き戻しは行わず。 理由はゲームバランス全体に深刻な影響を及ぼす内容ではないため。 確かに、長きに渡るBOTの活動により市場はすでに崩壊している状態の中、このようなZeny無限増殖があったところで大した影響は無いのかもしれない。 しかし一部のプレイヤーがこのZeny無限増殖を使って稼いだことも事実。 β2テスト時代から何度も見た「やったもの勝ち」の構図、3年経っても変わることはなかった。

 2005年12月11日、公式クライアント(2005年11月11日版)に、"imm32.dll"というファイルが混入している事がプレイヤーの手によって確認される。 このimm32.dllはクライアントを多重起動させる為にチートツールで使われているファイル。 この事についてガンホーは「グラヴィティがフルクライアントのプログラムを作成している過程で、誤って不要なファイルが混入してしまった」と説明し、 このクライアントを同梱していた「はじめてのラグナロクオンライン Ver.4 」を回収した。

nProtect GameGuard導入

 これまで何度かBOT対策が行われてきたが、どれも一時的なもので終わり、 2002年4月から今までBOTは我が物顔で動いていた。
 2005年12月14日、ガンホーはグラヴィティと連名で新たな不正ツール対策を行うと発表。 ラグナロクオンラインにオンラインゲームセキュリティソリューション「nProtect GameGuard」を導入した。 自信を覗かせるガンホーに対し、プレイヤーは半分期待、半分懐疑的な目で見ていたがnProtectは効果を発揮。 BOT絶滅とはいかなかったが、数を減らすことに成功した。

 2005年12月17日、平井賢の「POP★STAR」の替え歌「VIP★STAR」のさらに替え歌である「BOT★STAR」が何者かによって歌われた。ちなみに下手である。

 2005年12月22日、Urdrワールドがオープンした。他とは違いPvPが可能なワールドである。 先立って『4Gamer.net』がUrdrワールドについて紹介をしたのだが、 「おいしい狩り場を独占するBotなどを掃除できるというメリットがあるだろう」というガンホーへの嫌味にしかとれない一文があった。この一文は即削除された。

アサシンギルド事件と運営改善要求デモ

 「アサシンギルド事件」「運営改善要求デモ」はラグナロクオンラインコミュニティ最大の事件である。

 これを語るには、先ずバトルアックス錬金について語らなければならない。 新たにキャラクターを作成した際に、初心者修練場で商人適正になるとバトルアックス等のアイテムが手に入るのだが、 これをオーバーチャージLv10習得キャラクターで売るとキャラクター1体につき約6kの稼ぎになる。 という事は、「キャラクター作成⇒初心者修練場でのアイテム取得⇒倉庫に入れる⇒キャラクター削除⇒再びキャラクター作成⇒再び・・・(ループ)」 という手順でバトルアックス等のアイテムを増やしていく事が可能。そしてこれを売ればzenyに変えられる。これは「バトルアックス錬金」と呼ばれた。 この錬金術、手作業であれば手間がかかり過ぎて現実的な錬金術ではないとしても、 BOTを使っている業者がこれに目をつけない訳が無い。そう、自動化してしまえばいいのである。

 2006年1月10日深夜。バトルアックス錬金を行なうBOTがUrdrワールドに大量発生した。 同月11日、大量発生したバトルアックス錬金BOTに対しUrdr住民が阻止行動に出た。

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アルベルタの戦い(2006年1月11日~2006年1月14日)
 BOTは商人ギルドで生まれ、アルベルタ南カプラまで歩きそこで倉庫を使う。 そこでUrdr住民は南カプラ前に枝MOBを撒き、BOTを殺す事にした。
 それに対しBOTは殺されてアルベルタ北カプラで復活すると、そこで倉庫を利用するように変更。 Urdr住民は北カプラ前にも枝MOBを撒くもBOTは無敵時間内に倉庫利用を完了していた。 Urdr住民は商人ギルドからポータルでBOTを飛ばすことにするもBOTは蝶の羽パケットを使い戻ってきた。
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アサシンギルド隔離(2006年1月14日)
 Urdr住民は商人ギルドからアサシンギルドにBOTを飛ばし、 蝶の羽パケットを使う前に更にポタで飛ばして、強引に自動セーブさせ、 蝶の羽パケットでは街には戻れないようにした。
 それに対しBOTは歩いてモロクまで戻り、そこで倉庫を使うように変更した。 Urdr住民は出口にポータルを置きアサシンギルドから出られないようにした。
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商人ギルドポータル攻防戦(2006年1月15日)
 BOTは商人ギルドからアサシンギルドにBOTを飛ばしているポータルを封じるため 商人ギルドにチャット立てノビを置いた。
 これに対しUrdr住民はボウリングバッシュとアイスウォールを併用してチャット立てノービスをノックバックさせ、ポータル再開。 しかしBOTは死んだフリを取得したノービスを用意、チャットノービスで死んだ振りをすることでボウリングバッシュを回避。 ポータルを封じた。
 ついに商人ギルドから出ることができたBOTは北カプラに向けて移動。 Urdr住民はアイスウォールで進路を塞ぐも次々と現れるBOTを防ぎきることは出来なかった。 ちなみにゲームマスターが一瞬だけ現れ、ポータルを封じているBOTをアサシンギルドに飛ばした。
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ロキの叫び(2006年1月17日)
 今のBOTは応急手当を利用してパケットを解析しないと蝶の羽パケットを使えない。 Urdr住民は「ロキの叫び」を利用して、BOTがスキルを使えないようにすることで、 BOTにパケットを取得させないようにした。
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 Urdr住民とBOTが一進一退の攻防を続けていた同月17日22時、ガンホーは緊急メンテナンス。 初心者修練場で手に入るものは売却しても金にならない初心者系アイテムのみに変更し、Urdr住民とBOTの戦いは終わった。
 さて、このバトルアックス錬金だが今までとの大きな違いが一つあった。 上記戦いのUrdr住民とは狭義でいうと『にゅ缶』の「ウルド(Urdr)サーバースレ」住民であったのだが、 『にゅ缶』あるいは『2ちゃんねる』にある本スレを覗いているプレイヤーは所詮一部だけである。 よって、今までであれば多くのプレイヤーはこのような事が起きているのを知る由もない。 たまたまその場に居合わせたプレイヤーが何かが起きてると思うくらい。 しかし、この時は違う。『BOTNEWS』という存在があった。『BOTNEWS』はこの攻防を記事化した。
  ・UrdrにBOTノビ大量発生
  ・UrdrにBOTノビ大量発生 その2
  ・UrdrにBOTノビ大量発生 その結末
  ・1/17メンテ情報 癌 呆 な に も せ ず
  ・バトルアックス練金BOT対策 緊急メンテm9(^Д^)
 『BOTNEWS』がまとめ記事化する事により、多くのプレイヤーがバトルアックス錬金による一連の出来事を知る事となった。 バトルアックス錬金による攻防が終わった後も、プレイヤーは各ワールドでBOTをアサシンギルドへ隔離する行為を続けており、『BOTNEWS』はそれを記事化した。
  ・ユーザーによるBOT駆除活動、中華逆ギレ
  ・5/2メンテ情報 ユーザーの反撃開始
  ・BOTNEWS~ボットニュース~:アサシンギルドにGM降臨

 同年5月20日、ゲームマスターがLokiワールドのアサシンギルドに出現し、BOT隔離活動を行っているプレイヤー達へアサシンギルドからの退場を要請した。 そして、指示に従わない場合はアカウント停止を含む処置を行うと勧告した。 プレイヤーは隔離されているBOT達をどうするのかゲームマスターに問うもゲームマスターはコメントせず、 いわゆるテンプレ回答に終始した。
 BOT隔離活動を止めさせるという事は、結果としてはBOTを救う事になる。 この出来事を『BOTNEWS』が記事にしない訳が無い。『BOTNEWS』は「ガンホーがBOTを救出した」と煽る記事を書いた。

ユーザーボランティアによって地道に続けられてきたBOT隔離活動。
(2006/5/17記事 : アサシンギルドにGM降臨 参照)
(2006/5/2記事 : 5/2メンテ情報 ユーザーの反撃開始 参照)
(2006/4/30記事 : ユーザーによるBOT駆除活動、中華逆ギレ 参照)

そのBOT隔離活動に、癌呆が「待った」をかけた。

癌呆はBOTの味方でした!!!

アサシンギルドに隔離された中華BOTが「plz!!」と必死に解放を訴えかけている。 一方で、普通のプレイヤーを装ったノビが出口を封鎖しているWizにイチャモンを つけている、明らかにBOTの飼い主だろう。転職予定のシーフ(一般プレイヤー)が 現れた場合は、個別に対応し通過させているはずだ。そんな中、癌呆GMが降臨。

BOTを放置したまま出口を塞ぐWizにログアウトしろと命令する癌呆GM。解放されたことを 「w cao ni ma」と喜ぶ中国人BOTer。まるでGMによって解放されることを知っていたかの ように日本人ユーザーを小バカにしている。隔離されたBOTerが癌呆のヘルプデスクに 苦情を入れたのだろうか?中国人RMT業者の元締めには日本語が流暢な者もいると聞く。
※cao ni ma : お前の母ちゃんFxxkするぞ。

BOTがこれだけ蔓延しているのにまったく取り締まられず、それどころかBOTを救出するために、 わざわざGMが降臨してBOT隔離活動を行うユーザーを排除する。これがGMの正常な対応とは、 理解できるはずがない。理解できないがこれが癌呆のやり方なのだ。BOTはお客様以上の関係、 つまり中国人RMT業者と癌呆は癒着しているのではないか?とまで思われて当然だ。

アサシンギルドに進入するのはバグ利用。BOTは仕様。どうやら結論が出たようですね。

さようならラグナロク・・・m9(^Д^)プギャー

癌呆GM、BOT隔離ユーザーを強制送還、BOT救出BOTNEWS

 「ガンホーが頼りない為にプレイヤーがBOT隔離を行っているにも関わらずガンホーはその邪魔をし、さらに隔離されていたBOT達を開放した」。 記事を読んだプレイヤーの多くはそう解釈した。これは「アサシンギルド事件」と呼ばれ、一気に抗議の火がつき大騒動になった。

補足:2010年にガンホーは当時を振り返り、「いったん移動して下さいとお願いした」と語っているが、当時のスクリーンショットを見ると、とてもそうとはとれない。

 アサシンギルド事件に憤慨したプレイヤーの一人、sarku氏は3rd Alpha Test時代からのプレイヤーであった。
 同年5月21日、Chaosワールドの臨時公平広場ではアサシンギルド事件でのガンホーの振る舞いに抗議の意思を示すチャット看板が立つような状況になっていた。 そんな中、sarku氏はガンホーへ一泡吹かす為に一計を案じた。 氏は「癌呆はBOTの味方でした!」という文をChaosワールド全体に流す方法を思いついた。 氏は「癌呆はBOTの味方でした!」ギルドを作り、砦を落とす協力者を『BOTNEWS』と『OWN RAGNAROK』の掲示板で募集した。

Chaos鯖にて「癌呆はBOTの味方でした!!!」G作成。
癌に一泡吹かせたい人々の参加を募ります。

今から、祭りを始めます。

Posted by sarku at 2006年05月21日 04:21

 その日のギルド攻城戦、「癌呆はBOTの味方でした!」ギルドは砦Valkyrie Realms 4を攻めた。その結果Chaosワールドにワールドアナウンスで流れたのは、『砦[Valkyrie Realms 4]を[癌呆はBOTの味方でした!]ギルドが占領しました』という文であった。

 この出来事は「RJC2006」と同日だった為「裏RJC2006」と呼ばれた。そして、非常に短い準備時間でありながら計画を達成したという事実はガンホーに対する抗議を考えていたプレイヤー達に自信と勢いを与えることになった。


 同月22日、『ラグナロク監査委員会』というサイトが開設した。

当委員会は、「ラグナロクオンライン」における、運営改善を目的に設立しました。運営会社には、皆が楽しめる不満の少ない運営を要望していきます。 過去にも、同様の運動が多数あり一定の改善はありました。ですが、不正ツール・アカウントハッキングが蔓延する今の現状には、残念ながら納得できません。 各ユーザーが自ら進んで活動を行っていかなければ、改善はありえない。そのために、当委員会を設立しました。

ラグナロク監査委員会

 ゲーム内でのデモ活動、呼びかけ行動等の抗議活動全てを推奨するとしたこのサイトの誕生は反響を呼び、各ワールドごとの支部サイトが発生した。 『ラグナロク監査委員会』はプロンテラ中央広場において一斉にガンホーへの抗議文を書いたチャット看板を掲げるデモを計画した。『BOTNEWS』に煽られ、裏RJC2006での計画成功を見たガンホー抗議派プレイヤー達の勢いは激しかった。 同月26日、まずは人工の少ないForsetyワールドで実行。次に旧3鯖Chaosワールドでデモを計画した。 『BOTNEWS』はこの計画を紹介し援護射撃。また『エキサイティングラグナロクオンライン』はデモ支援動画を作成した。

5月28日Chaos(WG2)サーバーにて現在の管理体制に関するデモ集会があります。
現在のROは正常だと思いますか?
不正行為がはびこり 友人がひとり、またひとりと去っていく。
BOT(自動操縦)のキャラが歩き回り それを、どんなに運営会社に報告しても
無視されて、何も変わらない。
違反者に有利な環境ばかり整えて普通のプレイヤーばかりが泣きを見る。
このままで良いのでしょうか
「こんな馬鹿なゲーム、やめればいい」
「気にしても仕方ない、何も変わらん」
色々考え方も、自由もあると思います。
なぜROを離れないんだろう
「引退したら今まで集めてきた装備や財産が・・」
「友達がまだいるから・・」
いろんな理由があると思います。
でも何よりもまず・・少なくとも私には
「このゲームが好きだ」
という気持ちがあります。
だからこそ続けてると言いたい。
だからこそ・・本来の世界を失っているRO・・
すなわち何もしてくれない運営 そこに怒りを覚えます。
現状に不満がある、許せない でも、自分には何の力もない
何をしても無駄だと思う
でも、少しだけ 少しだけ何かをしてみませんか?
28日のデモ活動では 何ができる、どんな力があるかではなく
より良いROに変わって欲しいと思っている人たちが集まります。
ほんの少しの「ユーザーとしての意思」を示すためだけに
私はその場所にいると思います。

デモ支援動画エキサイティングラグナロクオンライン

 同月28日、計画実行日。プロンテラ中央広場でプレイヤーが見たものは数え切れないほど多くの抗議看板であった。

 このデモの後、ガンホーは告知を出し、詫びをすると共にゲーム内での集団抗議行動は控えることをプレイヤーに要請した。

 Chaos運営改善要求デモ計画を成功させた『ラグナロク監査委員会』は続けて 同年6月7日にLokiワールドでデモを実施。Chaosの時と同じようにプロンテラ中央広場が抗議看板で埋め尽くされた。 そして同月18日、旧3鯖の残り、Irisワールドでのデモを行なった。 そしてIrisワールドでもChaosワールドの時と同じようにプロンテラ中央広場が抗議看板で埋め尽くされた。
 このデモでは「+売り子ちゃん+」という自称BOTterが現れた。彼は演説を行い、「ガンホー社員の中に不正を行い、BOTterと組んでいる者がいる」「ガンホーよりもグラヴィティに問題がある」と主張した。 「+売り子ちゃん+」の発言は、それを裏付ける資料が無い為にそれほど大きな話題にはならなかったが 週刊アスキーはこの出来事を「超大物BOTerカミングアウト!!明かされる『ラグナロク』RMTの全貌!?」という見出しで記事にした。

 なお、『ラグナロク監査委員会』の管理人である、さくっち氏はデモだけではなく、署名運動や公開質問状の送付も併せて行なっていた。

 アサシンギルド事件は、運営会社の行動が「不正者の味方」を意味すると利用者が受け取った為に起こりました。
 運営会社側には、正当な理由が存在するかもしれません。ですが、それはあくまで運営会社側の都合であり、利用者がどのように受け取るかは、日頃よりの信頼関係と過去の実績によります。

 公式見解を聞いてもなお、このアサシンギルド事件は「運営会社が不正者の味方をした」事件として捉えている利用者は大勢います。その大勢の中には、私も含まれます。
 もしあの時、利用者が抗議活動を行っていなければ、もしかすると本当に「運営会社は不正者の味方」として定着したのではないか。今でも、そのように思ってしまう時があります。

 アサシンギルド事件は、公式には運営会社の発表により「運営会社が不正者の味方をした」事件ではありません。
 ですが、この事件に関わっていた利用者の中には、今もなお「運営会社が不正者の味方をした」と考えている方がいることもまた事実です。


 どのようなオンラインゲームにおいても、運営会社はゲームにとって政府であり神であり、全権を持っています。
 アサシンギルド事件の様な事件が起こる可能性は、全てのオンラインゲームが抱えています。
 他人事ではなく、次は別のゲームで起こっても何ら不思議はありません。

 この事件は、悪い意味で広め、記憶しておかなければなければならない事件だと思います。
 利用者・運営会社の双方が、この事件を教訓により良いゲーム環境を作って頂ければと思います。

運営会社が不正者と結託するということ(ラグナロクオンライン アサシンギルド事件)(仮想橋)

 2006年3月14日、リヒタルゼン、生体工学研究所、古代科学ダンジョン・ジュピロスが実装された。ホムンクルスシステムが実装された。

 2006年4月下旬、ラグナロクオンラインのユーザ名およびパスワード等のアカウント情報を収集するトロイの木馬「ROHoyoo.exe」「roriro.exe」へのリンクがファンサイトの掲示板を中心に貼られた。 2005年10月上旬にリネージュ関連のサイトの掲示板に貼られたHoyoo.exeのラグナロクオンライン版。このファイルの置き場所は中国。ガンホーは同年6月8日に注意勧告を出した。

 2006年6月22日、『ラグナロク監査委員会』は『ラグナロクオンラインユーザー連盟』にサイト名を変更した。

 2006年7月2日、第四回ガンホーオフラインミーティングが開催された。 元々、広がる改善要求の火を消すために一回目が行われ、一回目はかえって火に油を注ぐことになったガンホーオフラインミーティング。 第四回は第一回と同じような状況での開催となったがガンホーは火に油を注ぐことなくミーティングを終えることができた。
 このミーティングにおいてガンホーは、 「7月から9月の3ヶ月間を「ガンホー夏の陣」として不正者対策強化月間にする」 「週刊アスキーの記事すなわちIrisワールドでの売り子ちゃん発言に関しては事実ではない」 「アサシンギルド事件に関してはBOTを開放したのではなく、クエストの妨げになっているものを正常な形に戻したということ」 と主張。 アサシンギルド事件時、プレイヤーが隔離されているBOTをどうするのかとゲームマスターに尋ねたが、ゲームマスターがテンプレ的な発言しかせず、回答をしなかったことについて、 「ゲームマスターは権限上の問題があってお話ができなかった、伝え方がちょっとあまりにも悪かったというところはある」と語った。
 参加者にはBOTterを自称する人がいた。堀氏は彼に不正行為を行ったきっかけを問うと彼は 「真面目なプレイヤーとして普通にプレイしていたが転生アップデートあたりから、だんだんゲームを長時間遊べるような環境でないと遊べない状態になり、BOT を使い始めた」 と答える。彼は自分のBOTがBANされていないと語り、ガンホーが自分のアカウントを停止することを期待していると述べた。

ガンホー夏の陣

 ガンホーは2006年7月から9月までの3ヶ月間を不正行為者対策の強化期間とし、下記施策を早期実施が可能なものから随時行うと告知した。

虚偽登録への対策
・登録情報の定期的なチェックと虚偽登録アカウントの登録修正の促進。
・アカウント登録時の画像認証システムの導入及びコピー&ペーストでの登録不可対策。
・新しい技術を利用した本人確認の方法導入。(検討中)
RMT(リアルマネートレード)への対策
・業界団体による法律の整備化への協議。
・RMT業者への取引停止要請、及びメールによる警告。
※現在は約50団体を対象に要請を続けています。
・当社独自で社内調査。
プログラム対策
・取得できる情報量を増やし、アカウント停止につなげられる情報の獲得を強化。
不正対策特別チームの編成
・不正対策を専門に行うチームの体制を再編成し、更なる取り締まりの増強。
・随時の新たな角度からの調査方法の確立及び取り締まりの強化。
アカウントハッキングに向けた対策
・キャラクター・倉庫ロック機能の導入。(検討中)
※現在運用フローを検討中。
・ゲームクライアントにて既知のウィルスの検知。(検証中)

不正行為者に対する今後の取り組みについて(公式)

 2006年7月4日、ノーグハルトが実装された。新職業としてテコンキッド・拳聖・ソウルリンカーが実装された。

 2006年7月6日、福岡県警はコンピューターウイルスで盗んだ他人のIDとパスワードを使いラグナロクオンラインにログインした東村山市の高校三年の男子生徒を、不正アクセス禁止法違反の疑いで書類送検した。 男子生徒は容疑を認め、「自分はまじめにゲームをしていたのに(不正アクセスを)取り締まれない会社に腹が立ち、困らせてやろうと思った」 と言った。

ゲームマスター逮捕

 2006年7月20日、ガンホーはゲームマスターの戸枝雅亮がZenyの不正生成を行っていたと発表した。 ガンホーは2006年3月24日にZenyの不正生成を行っていることを確認、 同年5月31日までに全容が判明し、同年6月1日に警察に被害届を提出した。 同年7月19日、戸枝は不正アクセス禁止法違反で逮捕され、ガンホーは彼を懲戒解雇処分とした。彼が不正に作り上げたゲーム内通貨は6910億zeny。それをRMT業者に売っていた。戸枝は懲役1年、執行猶予4年(求刑懲役1年)の有罪判決を受けた。 裁判官は「仮想通貨を増やして売却し、5000万円余を得ており、刑事責任は軽視できない」とした。

 2006年10月24日、フィゲルが実装された。新職業として忍者・ガンスリンガーが実装された。


 2006年12月11日、狩場情報サイトの『RO World』が開設した。

 2007年6月19日、第六回ガンホーオフラインミーティングが開催された。  月次アカウント停止措置件数、不正ツール報告件数を分析し、ガンホー夏の陣以降の対策は不正ツール利用者減少には効果をあげていないという現状を報告。 その上で、不正ツールが使われる要因として「運用的要因」「環境的要因」「二次的要因」の3つをあげ、これに対し同時に手を打つことによって、 不正ツール利用者に「ROで不正ツールを利用しても意味が無い」と感じさせることで不正ツール利用者数を減らすとした。そして、努力目標として 「2007年11月までにゲーム内から不正ツール利用キャラクターを80%削減させる」とした。

 2007年8月15日、ガンホーはインフレ対策案として、不正行為の取締りを強化し不正キャラクターが大量に獲得したZenyを直接回収することを第一とし、 間接的な対策としてドロップ率の調整、アイテム流通量の制御、消費型・期間限定型のアイテムを販売しZenyの消費促進、レベル帯に応じたゲーム内サービスの価格変動を行っていくと告知した。


 2007年10月20日、『RAGUweb.net』が開設した。 このサイトはラグナロクオンラインの悪い面を発信することによって、 コミュニティが元来持つ自浄作用を上手に発揮しゲームを少しでも良くする事を目的に開設し、 『ラグナロク監査委員会(ラグナロクオンラインユーザー連盟)』のさくっち氏が中心となった

11.その後

 ガンホーが継続的に行なったBOT対策はついに長期的な効果を発揮し、2008年にはBOTが激減した。
 2008年1月、『BOTNEWS』は「BARギコっぽいONLINE」ライクなMMORPG「バルムンオンライン」を自主開発するという謎の大風呂敷を広げた。
 2008年3月以降、『BOTNEWS』は更新が途絶えた。
 2008年4月23日、『RAGUweb.net』は「不正ツール対策に関するアンケート」を行った。BOTが激減した事を示す結果になった。
 2008年5月17日、『RAGUweb.net』は 「2年前には想像も出来なかった「BOTがいないラグナロク」を作ることに成功した。 運営会社の取り組みの結果だが、プレイヤーが動かなければ運営会社は動かなかった。 アサシンギルド事件から2年間続けてきたプレイヤーによるゲーム改善運動は成功した」と評した。

 『BOTNEWS』が力を失い、デモを主導した『ラグナロク監査委員会』の後継サイトである『RAGUweb.net』が斯くの如く評した事は、 β2テストからの長きに渡った改善運動がついに終わりを向えた事を意味した。

 後になって当時を思い返すと、Episode5.0時の抗議・改善運動は必要な駒が揃い、しかも戦略が当たったと感じる。 『ラグナロク監査委員会』、特にさくっち氏は人々をまとめ、組織的に改善運動を展開し、 『BOTNEWS』は強い影響力を利用し改善運動を強力に宣伝した。 又、ゲーム内にて抗議看板を掲げるというデモ方式は、”サイトを持っていない(持ってても弱小サイト)のプレイヤー”も抗議・改善運動の力になれる。 何より抗議運動の場所がサイト上ではなくプロンテラ中央広場という”ゲーム内”であった事は成功の大きな要因だった。 ゲーム内での抗議運動であれば嫌でも一般プレイヤーの眼に止まる事になり、運営会社が座視出来ない為である。

 勿論アサシンギルド事件から2年間だけの話ではない。2002年9月11日の『RO SV Info』憤死から、 第一次署名運動、第二次署名運動、内部告発騒動による抗議運動、国民生活センターに訴えよう運動と試行錯誤を繰り返した結果でもある。

  「BOTを減らす為にどうすればいいのか、どうしたらガンホーはBOT対策へ動くようになるのか」

 外から見たらくだらないと思われるかもしれない戦いに、でも一生懸命になっていた若者達。あの頃みんな若かった。

 ついにやってきたBOTのいないラグナロクオンライン。しかし時は既に遅かったともいえた。ラグナロクオンラインの初期に界隈を引っ張った「宣伝力のあるサイト管理人」の大方はこの頃既にラグナロクオンラインを去っていた。 彼らがいなくなり、コンテンツも老朽化が始まっているラグナロクオンラインは徐々に衰退の道を歩んでいくのである。

12.評論

 ラグナロクオンラインが日本で成功した何よりの理由はウェブの流れに綺麗に乗れた事にある。

 日本語サーバーβ1テストを行なっていた時期、開発会社のGRAVITYは日本ではほぼ無名であった。 それでも他の韓国量産型MMORPGとは桁違いのβテスターを集めたのは、このゲームを広めた個人サイトの力に他ならない。 嘗てウルティマオンラインのファンサイトを運営していた人がラグナロクオンラインのファンサイトを開設した事で始まったラグナロクオンラインコミュニティ。 ファンサイトの中でも、総合情報サイトと呼ばれるゲームの攻略情報を纏めたサイトは情報提供だけではなく、ゲームの宣伝役を担い、ゲームを始めた初心者を導く役でもあった。 又、サイトには掲示板やお絵かき掲示板が有り、人々で賑わっていた。総合情報サイトはコミュニティの中心としての役割を果たしていた。 ラグナロクオンラインの成功に大いに貢献したと評価出来る。
 更にはテキストサイトの一派であるバーチャルネットアイドル(VNI)にラグナロクオンラインが広まっていき、多くの量産型VNIがラグナロクオンラインファンサイト化した。 彼らはちゆフォーマットを使ったラグナロクオンラインファンサイトとしてROVNIと呼ばれた。 当時はテキストサイトブームであり、テキストサイトの一大派閥であるVNIがラグナロクオンラインを宣伝した、その効果は決して小さく無い。 効果が大きく目立つ存在だったからこそ、ROVNIは一部テスターから嫌われる存在にもなった。 イラストサイトはラグナロクオンラインの絵を描いてサイトに公開し、同人サイトは漫画を描いてサイトに公開し、プログラマは便利ツールを作成してサイトに公開した。 ゲーム、テキストサイト、同人、偽春菜等の界隈からラグナロクオンラインへ人が流入した。 特にイラストサイトや同人サイトでラグナロクオンラインのネタを描けば個人ニュースサイトで紹介される。 こうしてラグナロクオンラインはウェブの世界で存在感を強めた。ラグナロクオンラインは個人サイトの管理人達が広めていったのである。 GRAVITYは個人制作活動を妨げず、寧ろ応援する方針でゲーム素材の使用を自由にすると告知した。これは正しい判断であったといえる。
 ラグナロクオンラインにおける日本での成功は2002年夏から運営会社となったガンホー・オンライン・エンターテイメントの手腕によるものというのはその通りであるのだが、広報面でいえば彼らは既にあった土台に上手く乗っかったのであって、 その土台は初期のテスターの中でもウェブで影響力を発揮できるような能力を持つ個人サイト管理人達が2001年から2002年春までに作り上げた物である事を忘れてはならない。 そしてこれこそが、β2テスト期以降のガンホー抗議運動に繋がっていくのである。

 ガンホーが日本語サーバーの運営会社となったβ2テスト期にはBOTとチートの蔓延という大きな問題が存在した。また、スキルロストとキャラクターチェンジという致命的な問題もあった。 サーバーはとても重く、なかなかログインが出来ない、ログインしてもサーバーキャンセルで落とされる事象が頻発した。 テスターから見てガンホーは問題に対する有効な対策を打てているようには考えられず。 この状況を一部テスター達は重く捉え、個人サイトの管理人達が中心となってガンホーに対し抗議運動を行った。未だβテスト中なのに何故テスター達は騒いだのか。
 先行している韓国語サーバーの事例から、日本語サーバーでもテスターがβテストで育てているキャラクターをそのまま正式サービスに移行するものとテスター達の間で考えられていた(実際にそうなった)。 ゲーム開発におけるオープンβテストというのは一般的なシステム開発に当てはめると受入テストやユーザーテストと呼ばれる物であり、テスト工程である。 ガンホーの開発部隊の中心人物である堀誠一氏はシステムエンジニア上がりであり、「オンラインゲームはシステムである」と語っている。 オンラインゲーム開発とシステム開発に共通点を見出すのはシステムエンジニア上がりの彼による流石の見識だが、 それならば彼は解っていたはずである。ラグナロクオンラインのβテストは”名ばかりテスト工程”である事に。 テスターがβテストで育てているキャラクターをそのまま正式サービスで使えるようにするという移行方式はデータを本番環境に引き継ぐ以上、それはテスト工程とはいわない。事実上の本番処理なのである。 βテストに参加しているテスターはそのまま正式サービスの初期ユーザーになるのである。 そして、テスト工程で作成されたデータを正式サービスに移行するのであれば、βテストで発生している不具合は本番障害と同じであり、大問題だったのである。 但し、これをテスターがシステム開発の観点から論理的に問題提起出来た訳ではない。その様な指摘は見た事が無い。もっと感覚的に感情的にガンホーを非難していた。 開発の実務経験が豊富でなければ論理的に問題提起など不可能。テスターは大学生、或いは社会人でも若手が多数となれば開発の実務経験が豊富であろうはずがない。 そんなテスター達が論理的に問題提起出来ようか。 しかしそんなテスターでもβテストで作成されたデータを一部とはいえ正式サービスに引き継ぐに辺り、そのβテストで不正が蔓延る状況はマズイという事は直感的に理解できたし、 この状況が正式サービス後も継続するのではないかという感覚も持っていた。だから騒いだのである。その感覚は正しかった。正式サービスが始まっても問題は改善されなかった。

 正式サービスが開始され、約10万アカウントが正式サービスへ移行。同時接続数も目に見えて減る事は無く、アイテムは回収されたがβ2テストの状況を正式サービスにそのまま引き継いだ。 ユーザーが感じるサーバー状態はβ2テストと同等か若しくは悪化。BOTやチートも存在。スキルロスト・キャラクターチェンジ問題も健在であった。 そんな正式サービスであるから、サービス後もガンホーへの大規模抗議運動が3回発生した。 BOTやチートはラグナロクオンラインだけの話ではなく、どのMMORPGにも少なからず同様の問題を抱えている。 然し、ラグナロクオンラインのみβテスト期を含め4回も大規模な消費者運動が起きたのは何故なのか。 β1テスト期にラグナロクオンラインが広まったのは個人サイトの力によるものであるが、その力は表裏一体。 ラグナロクオンラインコミュニティは、その成り行きから個人サイトの持つ影響力がとても強く、その力がコンテンツへの肯定に向えば強い宣伝役になる。反面、否定に向けば運営会社への厳しい非難になる。 運営がお座なりになれば、力が刃となって運営会社に向けられるのである。 他のMMORPG界隈ではスルーされるような問題もラグナロクオンラインでは個人サイトが大きく騒ぐ為にスルーされないのである。
 内部告発騒動の元になった記事は内部告発の体にしているだけで、実際は今までに出てきた真偽不明な話しを纏めただけの何の価値も無い記事であった。書かれた雑誌も無名のゴシップ誌であった。 そんな記事を取り上げ、ユーザーを煽ったのは個人サイトであったし、アサシンギルド事件でも運営改善要求デモでもユーザーを煽ったのは個人サイトであった。 然し、これは当時のラグナロクオンラインコミュニティに活力があった事をも意味する。堀氏の言葉を借りれば 「否定もまた正常なコミュニティのひとつ。否定があるなら、ひとつずつ直していくしかない。ビジネスとして維持できる間は、そのコンテンツ自体は生きている」 という事になる。

 ガンホーへの抗議運動は4回目で行ったゲーム上でのデモ活動という実力行使によりついに功を奏した。デモ活動の影響でガンホーは不正行為対策の強化に乗り出し、BOTの激減に成功した。 デモ活動の中心人物であるさくっち氏が主要メンバーな『RAGUweb.net』は「2年前には想像も出来なかった「BOTがいないラグナロク」を作ることに成功した。 運営会社の取り組みの結果だが、プレイヤーが動かなければ運営会社は動かなかった。アサシンギルド事件から2年間続けてきたプレイヤーによるゲーム改善運動は成功した」 と評した。これはその通りではあるのだが、抗議運動に参加したユーザーを多少美化した表現でもあった。 通常、客が料金を払って受けたそのサービスを気に入らないのであれば、先ずはサービスを解約すればよい。その上で今までに払った料金分の抗議を行なう。ラグナロクオンラインユーザーにラグナロクオンラインを続けなければならない義務など存在しない。 然し、抗議運動の参加者はガンホーへの抗議を行いながらも片やユーザーである事を続けるという矛盾があった。
 「偽ペルソナウェア with 偽春菜」の製作者であるls氏はGRAVITYやガンホー、ユーザーについての考察を鋭い切り口で書いていたが、彼はその文の中で「全員が「客を止める」という最も基本的で最も強いカードを持っている」「「客」が切れるカードは元々一枚しかない。それは客自身が一番よく分かっているはず」と書いた。 そして、「MMORPGは自己顕示欲充足システムである」と書いた。

 ガンホーへの抗議を行いながらも片やユーザーであり続けるという矛盾を持った者達は所詮自己顕示欲充足システムから抜け出せない人だったのではないか。 だからこそ抗議運動に必死になりながらもラグナロクオンラインを止めなかったのではないか。それは界隈の外にいる人から見れば奇妙な光景にも見えた。必死にならなくてもいい事に必死になっているように見えた。 其れ故に運営改善要求デモのスクリーンショットはMMORPGユーザーを馬鹿する際の画像としてしばしば使われる事になる。それは仕方の無い事でもあった。 また、抗議運動とは無縁に、BOT等も気にせず、ただ単にラグナロクオンラインを楽しんでいた人々も多かったのではないかという事も書いておく。

 ラグナロクオンラインコミュニティは当時のウェブ上の流行と密接に関わって成長した。個人サイトがウェブ上で存在感を発揮していた当時の流れに上手く乗った。 マナー原理主義の台頭によるテスター同士のいざこざ、不正行為者による混乱、ガンホーへの抗議運動、ガンホーの失言と、とにかく毎月何かしらの事件が起きていた。 ラグナロクオンラインのプログラムが作り出す仮想空間の外側で数多くの事件が発生し、その中心には常に個人サイトがあった。 そして実は、そういった出来事も含めて一つのゲームと化していた。ラグナロクオンラインというゲームは、そのプログラムが作り出す世界よりももっと大きな物になっていたのである。
 後年、MMORPGというジャンルがウェブで担っていた自己顕示欲充足システムとして役割は、利用者にとってより解りやすく、より簡易なSNSにとって変わられ、個人サイトの役割もSNSにとって変わられた。 MMORPGが以前のような人気になる事はないだろうし、個人サイトがウェブ上で以前のような存在感を発揮する事はもうないだろう。従って、ラグナロクオンラインコミュニティと同じような事象の発生はもうないだろう。

年表

ラグナロクオンラインの歴史年表

参考文献

[ウェブ]ls 『うさだ3(2003年6月2日)』『うさだ4(2003年5月14日)』 うさだ、2003年 *うさだ3とうさだ4は内容が『Internet Archive』に残っている2003年当時と2020年現在では大きく違う

[ウェブ]明美野、うなぎ犬、みーさ、圭、花商人 『RagnarokOnlineその変遷と顛末』 初心者へのRAGNAROK ONLINEβ FAQ集、2003年

[ウェブ]”南無”◆NAMUHAraH. 『RO年表α~β1』 『RO年表β2』 『RO年表課金~コモド前』 『RO年表コモド~ジュノー前』  ROのゴミ捨て場、2004年

[ウェブ]村雨 『ラグナロクの歴史』 ツバメはココナッツを運ぶ、2004年

[ウェブ]みかげ 『Ragnarok Online の現実。』、2005年

その他、当時の大手ファンサイト全て